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#111 恐竜研究でこぼこ道 ~人とのつながりに支えられてたどり着いた今~

小学生の顷に化石に魅せられた私。大学院生となった今、念愿だった古生物の研究をしています。そして今年6月、北海道から発见された恐竜化石についての研究成果ををいただきました。しかし、ここまでの道のりは决して平坦なものではありませんでした。

【铃木花?理学院修士1年】

(研究成果を记者発表。とても紧张しました)
化石との出会い

私が古生物学者を目指すきかっけとなったのは、化石とのある出会いです。小学6年生の顷、北九州市にある「いのちのたび博物馆」を访れました。これが人生初の博物馆でした。そこで恐竜や叁叶虫の化石を実际に目の当たりにし、はるか昔に死んだ生物が、化石という形で何亿年、何千万年という长い时を超えて、いま、目の前にあることに魅了されました。それと同时に、当时の环境や彼らの暮らしぶりに思いを驰せたのです。この体験をきっかけに、私は古生物に兴味を持ちました。

しかし、古生物の世界へ进もうとは思っていなかった

高校3年生の顷、周りの友达に影响され、なんとなく薬学部に进もうと思っていました。そんなある日、母に言われたのです。「本当にやりたいことは何?せっかく大学に行くなら、趣味ではできないこと、やってみたいことを学べばいいじゃない」。この言叶を闻いて、ずっと心の奥に隠れていた「古生物を学びたい」という気持ちが大きくなりました。大学探しの末、古生物学の中でも恐竜学の第一人者のいる北海道大学に进学することを决意。「古生物の姿やその周りの环境を现代に復元する方法や、その理论の确立をしたい」という壮大な梦を持って。

衝撃の事実が発覚

地球惑星科学科に入学し、3年间は地球に関するあらゆる分野の基础を讲义や実习から学びました。この3年间で私はふたつの衝撃的事実に気づいてしまったのです。ひとつは、进学を决意したときに描いていた梦を実现するには、何百年という长い年月が必要であること。そしてもうひとつは、自分は山でのフィールド调査が好きではないということです。なぜならば、蜂やクモといった虫が大の苦手だから。なんとか克服しなければ、という前向きな思いと、こんな自分が本当に古生物を研究できるのか、という不安な思いとを持ちながら、学部4年生の时に希望の研究室への配属が决まり、古生物の研究がスタートすることになりました。

试练続々???苦痛でしかない研究生活

研究室に配属されてすぐ、担当教员である小林快次さん(総合博物馆?准教授)は化石を研究したいという私に、ひとつの化石を手渡しました。そして研究テーマが、その化石の记载と同定に决まりました。同定とはその化石がどの恐竜のどの部位なのかを明らかにすることです。そして记载とは同定するための手法であり、対象物の形态的特徴を细かく详しく记述することです。

とは言え、まず恐竜化石の产出地である、山でのフィールド调査は欠かせません。でも虫嫌いの私にとってはこれが大変。ほとんどの化石の产出地は山の中にあるのです。やるしかない、と勇気を振り绞り、约2カ月で10回前后のフィールド调査を行いました。しかし、后にそこから得た情报は不十分であったことがわかり、これらのフィールド调査は残念な结果に终わってしまったのです。

(はじめてのフィールド调査。颜だけでなく心も下を向いてしまっていた)

ハードルはフィールド调査だけではありませんでした。私が研究する化石は脊椎骨の円柱状の部分、椎体部1つだけ。头骨や歯、复数の化石から种类を同定することが多い恐竜学の分野において、骨ひとつだけ、しかも椎体ひとつから种类を同定している研究例など、ほぼありませんでした。そのためかなりの困难を极めていました。

加えて、恐竜やフィールド调査に関する知识が不足していた私は、骨の种类や形、现在考えられている系统関係など基础的な勉强にかなりの时间を使ってしまいました。研究を始めたものの、全く手ごたえを感じられずにいました。想像と全然违う…。研究が楽しいとは全く思えませんでした。とりあえず院试を受けたものの、こんな生活があと2年半も続くなんて耐えられない、と日々の生活が苦痛になっていったのです。

転机到来、軽い気持ちで参加したモンゴルでの调査

そんな中で研究生活を一変させる出来事がありました。それはモンゴルでの调査です。私の研究室では毎年9月に约2週间のモンゴル?ゴビ砂漠での発掘调査を行っています。自由参加でしたが、せっかくこの研究室にいるのだから行ってみようかな、という軽い気持ちで参加しました。

モンゴル、ゴビ砂漠でのフィールド调査は日本でのものとかなり违っていました。その大きな原因はゴビ砂漠に広がる地层の成り立ちにあります。化石を产出する地层とは、砾や砂、泥などが侵食?运搬作用によって広く水平方向に堆积した物です。その地层は、大きく二つの种类にわけられます。当时、海が広がっていた场所に堆积した海成层と、陆であった场所に堆积した陆成层です。日本が海成层であるのに対し、モンゴルは陆成层です。そのため日本と违い、山の中で発掘する必要がないのです。これは私にとってはかなり嬉しいことでした。

(モンゴル、ゴビ砂漠での化石探し。地层の构造から当时の环境を推定し、化石の埋まっていそうな场所を考えます)

このモンゴル行は、発掘调査に加えて、ウランバートルの研究所に保管されている标本を见られる絶好の机会でもありました。そのため、様々な种类の恐竜化石を観察し、种类による化石の大きさや形の违いなどを実物から学び取る标本调査を行いました。化石を见る目を养うにはうってつけの方法です。この标本调査を通して、研究対象である标本と比较できる知识を得たという実感と、100个近い化石を観察したという充実感のようなものを感じました。

(只今、草食恐竜であるハドロサウルス类の尾の骨(尾椎骨)の化石を调査中)
心机一転、これからの研究生活に期待

モンゴルでの経験を経て、私の研究への気持ちが大きく変わりました。自分の标本を、すでに発见され同定されている标本や、それらを记载した文献の记述と比较することで、ひとつひとつ事実が分かっていくことに喜びを感じています。また先行研究の少ない尾椎骨の研究を通して、文献を见る视点が変わりました。一见、欲しい情报がないように思える文献でも、考えのヒントや后々つながる情报が隠されていることに気が付きました。

さらに、6月に行った研究成果の记者発表や学会発表を通しては、古生物学を研究できる环境にいられること、そして何よりも研究する际には、たくさんの方とのつながりがとても重要であることを実感しました。

モンゴルでの経験や学会発表、记者発表を経た今、より强く『もっと研究を顽张ろう』と思っています。これからの修士课程の2年间では、より多くの标本を调査し触れること、そして肉食恐竜であるティラノサウルス类の体サイズや生息域の変化などの研究テーマに取り组みたいと考えています。协力?応援してくださる方々への感谢の気持ちも忘れず、今后も研究に励んでいきたいです。

(左から担当教员の小林さん、私、発见者の小川英敏さん、叁笠市立博物馆馆长の加纳学さん。研究はたくさんの方の协力あってこそ成り立つものだと実感しました)

この记事は、铃木花さん(理学院修士1年)が、大学院共通授业科目「大学院生のためのセルフプロモーションⅠ」の履修を通して制作した文章を、本人が加笔修正した作品です。

铃木さんの所属研究室はこちら

理学院 自然史科学専攻 地球惑星システム科学讲座
进化古生物学研究室 (小林快次 准教授)
研究室贬笔アドレス 準备中

今回绍介した研究成果と记者発表の概要は、以下のプレスリリースにまとめられています。

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Update

2018.08.09

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