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#106 新たな肥満治疗を目指して~高脂肪食でデブ菌が増えるメカニズムを探れ!~

搁1、ヤクルト、乳酸菌ショコラ、&丑别濒濒颈辫;。肠内フローラと私たちの健康との密接な関係が明らかになってから、名だたる食品メーカーが手を変え品を変え、様々な健康志向食品を世に送り出してきました。そんな、热い研究领域である肠内フローラの谜に迫るべく、相棒のマウスとともに日々研究に取り组んでいます。

【坂本佳奈子?农学院修士1年】

(相棒との一枚)

北の大地に憧れて

私は生まれも育ちも东京です。シティガールと言われては、どうして北大来たの?と闻かれるまでが恒例です。食を通じて人々の健康に贡献したいと思い、农学部への进学を决意した高校时代。食品系を学べる大学は他にも沢山ありましたが、农学部といえばやっぱり北大でしょ!という、道外出身にありがちなロマンを抱き、北の大地にやってきました。

肠内细菌、キミに决めた!

当初から志望していた农学部に进んだ私に転机が访れます。とある讲义で、食品による肠内フローラの改善が健康への新たなアプローチとして期待されていることを知り、肠内细菌の可能性にすっかり魅了されていくのです。

研究室配属の直前まで食品系と微生物系で迷ったものの、「肠内细菌は今まさにホットな研究领域ですよ」という教授の言叶を受け、せっかく研究するならやりがいのありそうなことがしたい!!と决意。こうして微生物の世界に飞び込みました。

肠内细菌のせいで肥満になる?

私たちヒトの肠内には、なんと约38兆个、500词1000种类もの肠内细菌が生息しています!世界の人口が约70亿人だと思うとものすごい数ですね。多种多様な细菌たちは、种类ごとにまとまって互いに竞ったり助けたりしながら、一种の生态系を构筑しています。この生态系のことを、肠内细菌たちがお花畑のように群生している様子に例えて、「肠内フローラ」と呼びます。肠内フローラの変化は、宿主であるヒトの健康と密接な関係にあると考えられています。&苍产蝉辫;

(健康なヒトと病気のヒトの肠内フローラ)

脂っこい食事を続けるとどうなるでしょうか?当然ながら太ってしまいますよね。実は、どうやら肥満にも腸内細菌が関わっているようです。肥満の人の腸内では、デブ菌 (Firmicutes) の増加とやせ菌 (Bacteroidetes) の減少が見られることが報告されています。しかし、腸内フローラと肥満発症の関連については解明が進む一方で、「なぜ高脂肪食を食べると腸内フローラが変化するのか」は不明な点が多いままでした。そこで、私の研究室が着目したのが「胆汁酸」です。 

(高脂肪食で肠内フローラが変わるのは胆汁酸が原因?)

デブ菌増加の键を握る胆汁酸

胆汁酸は、脂质の消化吸収を助ける胆汁の主成分で、高脂肪食の摂取によって分泌量が増加します。肝臓で合成されたものを一次胆汁酸、肠内细菌によって构造が変化したものを二次胆汁酸と言います。胆汁酸は肠内细菌による変换作用を受けつつ、自身の杀菌作用により肠内细菌の生育に影响を及ぼしています。杀菌作用の强さは胆汁酸によって大きく异なることが知られており、例えば、ヒトの主要な一次胆汁酸であるコール酸は、二次胆汁酸であるデオキシコール酸に変换されると10倍の杀菌作用を示すことが报告されています。

(胆汁酸と肠内细菌の関わり)

このような背景から、私の研究室は「高脂肪食の摂取によって増加した胆汁酸が肠内フローラを変化させているのではないか」と予想して、そのことを确かめるためにマウスにコール酸を与えてみました。すると、杀菌作用の强い胆汁酸の増加や、デブ菌の増加?やせ菌の减少が确认されました。やはり胆汁酸が肠内フローラの変化に関わっていそうです。

现在私は、マウスに高脂肪食またはコール酸を与える试験を行っています。そして、これらのマウスの肠内フローラと胆汁酸のデータを比较することで、「高脂肪食によって増减するデブ菌とやせ菌の中で、一体どの菌がどのようなメカニズムで胆汁酸によって増减するのか」を解明することを目指しています。

スパンの长い実験

私の研究は时期によってやることが変わります。大きく分けると、?マウスの饲育、②マウスから採取したサンプルの分析、③分析で得られたデータの解析の3つになります。

マウスの饲育は约2ヶ月半にわたります。えさと饮み水の交换を週3回、ケージを扫除したり、30匹以上のマウスの体重を1匹ずつ量るといった作业を週1回。それらをすべて1人でやることもしばしばです。マウスの脱走くらいでは动揺しない钢のメンタルが身に付きます。


(体重をはかられるマウス)

次はサンプルの分析です。マウスから採取した糞便や盲腸内容物からDNAや胆汁酸を抽出し、DNAの配列を読む装置や、胆汁酸の濃度を測定する装置などを用いて分析を進めます。ここが最も骨の折れる段階です。特に、カピカピに乾燥させた糞便をすり潰しては100 mg測り取る作業を延々と2時間行うときの虚しさったらないです。丸1日かけてDNAを抽出して、濃度を測定して、DNAを増やして、電気泳動で確認して、精製して、また増やして…。分析を始めてから1、 2ヶ月。遂に、腸内フローラと胆汁酸のデータが出揃います。マウスを飼い始めてからデータを集める間に、季節が一つ変わります。

最后に、出揃ったデータについて统计解析を行うことで、肠内フローラと胆汁酸の関係をより详细に调べていきます。数学嫌いのなんちゃって理系にとって、统计解析は理解するのも一苦労。実験の条件に适した手法を见つけるため、统计学の勉强にも地道に励んでいます。&苍产蝉辫;

(コマンドを打ち込んで走らせてみる)

メカニズム解明の先にあるもの

肠内フローラが胆汁酸によって変化するメカニズムを解明することは、新たな肥満の治疗法を开発することにつながる可能性があります。例えば、杀菌作用の强い胆汁酸の生成を抑制するような食品の开発が进み、デブ菌とやせ菌のバランスを调节することで、肥満を予防できるようになるかもしれません。将来、私の研究が人々の健康に役立つようになればとても嬉しいです。

※ ※ ※ ※ ※ 

この记事は、坂本佳奈子さん(农学院修士1年)が、大学院共通授业科目「大学院生のためのセルフプロモーションⅠ」の履修を通して制作した作品です。

坂本佳奈子さんの所属研究室は

農学院 共生基盤学専攻 食品安全?機能性開発学講座

微生物生理学研究室(横田篤教授)

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Update

2018.07.02

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