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#81 新しいバイオマテリアルを目指して!~ハイドロゲルの新たな可能性みぃつけた~

皆さん、水が自分のカラダの何%を占めているか知っていますか?答えはなんと约60%です!胎児に限っていえば、90%が水でできています。私が研究しているハイドロゲルは人间のカラダと同じように水分を多く含む材料です。そのため、ハイドロゲルは人体の中で顺応しやすく、人工软骨など生体内での活跃が期待される材料です。しかしながら、従来のハイドロゲルは力が加わることによって容易に壊れてしまう欠点があったため、その応用には限界がありました。そこで近年注目されているのが「犠牲结合」からなる强靭なハイドロゲルです。私は强靭なハイドロゲルに&濒诲辩耻辞;内部构造&谤诲辩耻辞;を导入することで、人工软骨などのバイオマテリアル(生体材料)に新たな可能性を切り开くべく、日夜研究を行っています。

【村川航平?生命科学院修士1年】


(ゲルを作っているところです)

ハイドロゲルの魅力とは!?

ハイドロゲルはゼリーのようにたくさんの水分を含んだ材料です。なんと多いものだと、99%以上が水でできています!ハイドロゲルは高分子锁网目(高分子からできたネットワーク)が下の図のように水の分子を掴んでいるため、たくさんの水を保持することができます。それゆえ、ハイドロゲルは「低摩擦」「高含水率」「柔らかさ」などといった、他の材料(鉄やプラスチックなど)に见ることができない特别な性质を持ちます。これらの性质は私たちの身体にも当てはまります。例えば、人间の筋肉の80%以上は水からできていますし、软骨や血管では低摩擦が重要な役割を果たしています。このような类似性からハイドロゲルは昔から人工软骨などバイオマテリアルとしての応用が期待されてきました。しかしながら、従来のハイドロゲルは力を加えるとすぐに壊れてしまうため、その応用には限界がありました。そこで强靭なゲルの必要性が高まっていったのです。


(ハイドロゲルの実例とその构造)

强靭化のメカニズムとは?

が所属する研究室では强靭なハイドロゲルの开発を行ってきました。そこで开発されたのが「犠牲结合」をもつ强靭なハイドロゲルです。「犠牲结合」とはハイドロゲルに力が加わった际、材料全体が壊れてしまう前に优先的に壊れる结合のことをいいます。结合が壊れる际にはエネルギーが必要なので、犠牲结合が切れることでハイドロゲル全体にかかるエネルギーを逃がすことができます(下図)。そのため「犠牲结合」からなるハイドロゲルは强靭なのです。「犠牲结合」を有する强靭なハイドロゲルの代表として二种类の高分子锁网目からなるダブルネットワークゲル(顿狈ゲル)があります。

顿狈ゲルは、10~60惭笔补という、非常に高い圧缩破断応力(ハイドロゲルを圧缩して壊れる时にかかっている圧力。强さの指标の一つ)を示します。身の回りのもので分かりやすく例えると、1円玉のサイズの顿狈ゲルに最大で30人の大人が乗ったとしても壊れないということです。片方の高分子锁网目が简単に壊れる(犠牲结合が壊れる)ことでエネルギーを逃がしているため、强靭になっているのです。これは、高分子锁网目が一种类だけでできているハイドロゲルの圧缩破断応力(0.3~0.6惭笔补)のおよそ100倍もの强さです!犠牲结合によって、ハイドロゲルはこんなにも强くなれるのです。


(「犠牲结合」の原理のイメージ/顿狈ゲルの见た目と强靭さ)

バイオマテリアルを目指して!

このようにして强靭なゲルは开発され、现在、人工软骨を始めとしてバイオマテリアルへの応用が进んでいます。しかし、すべての问题が解决したわけではありません。未解决の问题として、ハイドロゲルの构造上の制约が挙げられます。我々の骨や筋肉には复雑な构造が存在しています。そして、この构造のおかげで我々の身体は丈夫さや伸缩性などの优れた机能を発挥することができます。

しかし、従来の强靭なハイドロゲルはその作製方法にいくつかの制约があり、复雑な构造を内部に持つことが难しかったのです。そこで、私は新しいハイドロゲルの作製方法を考案することで、强靭なハイドロゲルに内部构造を持たせ、新机能を付け加える研究をしています。例えば、ハイドロゲルの内部に细いトンネルのようなモノがあれば、细胞はゲルの表面だけでなく内部にも简単に入り込むことができますよね。また、水を容易に吐き出すこともできるようになります。

现在、私は强靭なハイドロゲルの新しい作製方法の确立およびメゾスケール(ナノスケールとマイクロスケールの间)の内部构造をハイドロゲルの内部に导入することに成功しています。「低摩擦」「高含水率」「柔らかさ」などの他の材料(鉄やプラスチックなど)にない性质に加えて、构造由来の机能が加わればハイドロゲルの可能性は大きく开けるでしょう。

ゲルと共に研究生活!

私の研究はまだまだ始まったばかりで、予想外の结果に困惑する毎日です。ハイドロゲルの原料となる化学物质の比率など些细な条件の変化が実験结果に大きな影响を与えることもしばしばです。実験结果によっては心が折れそうになることもありますが、その分、成功した时の达成感は大きく、研究の原动力になっています。

ハイドロゲルは鉄やプラスチックに比べまだまだ歴史が浅いですが、他の材料にない優れた性質を有する将来性の高い材料です。特に、DNゲルは札幌テレビ放送制作のテレビ番組「大泉洋の驚きジャパン ~知らなかった!!世界が変わる大研究!スペシャル~」(2017年8月5日 午後1時30分~2時55分)でも紹介され、大泉洋さんが実際にDNゲルに触り、その強靭さに驚くなどメディアからの注目も高い材料でもあります。

顿狈ゲルのような强靭なゲルに内部构造を导入し、その内部构造形成のメカニズムを解き明かすのは単纯にアカデミックな兴味としても面白いですが、将来、ハイドロゲルが医疗や様々な分野で活跃することも期待しながら、日々研究に励んでいます。


(强靭なゲルと私)

※ ※ ※ ※ ※ 

この记事は、村川航平さん(生命科学院修士1年)が、大学院共通授业科目「大学院生のためのセルフプロモーションⅠ」の履修を通して制作した作品です。

村川航平さんの所属研究室は

生命科学院 生命融合科学コース

ソフト&ウェットマター研究室(龔 剣萍 教授)

※ ※ ※ ※ ※ 

今回绍介した强靭なハイドロゲルの成果は、以下の论文にまとめられています。

J. P. Gong, Y. Katsuyama, T. Kurokawa, Y. Osada

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Advanced Materials, 15(14), 1155-1158(2003).

Information

Update

2017.07.31

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