「いじめ」は深刻な問題です。子どもたちを追い詰めてしまう「いじめ」を解決するのにはどうしたらよいのでしょうか。今回は加藤弘通さん(教育学研究院 准教授)に発達心理学の観点からその原因、解決策についてお話をうかがいました。
【阿久泽玲奈?教育学部1年/野末修平?教育学部1年】
(热く语る加藤さん)
「発达」とは、良いもの?悪いもの?
みなさんは「発达」という言叶に、どんなイメージを持っているでしょうか。
おそらく多くの人が「何かができるようになる」といったプラスのイメージを持っていることでしょう。しかし加藤さんによると、専门的にはそのイメージは半分しか当たっていないそうです。
加藤さんは発达とは良いものでも悪いものでもなく、环境によってどちらの方向にもつながるものであるといいます。
たとえば「いじめ」の问题を考えるときにこの考えは重要な视点となり得ます。加藤さんによると4?5歳くらいの子供でも仲间はずれのような行為は行われています。しかし大人や先生にそのことを隠すのが非常に下手だそうです。それが9?10歳ごろ、いわゆる思春期といわれる年代になると「相手がどうしたら嫌がるのか」、また「どうしたら先生にいじめがばれないようにできるのか」がわかるようになります。すると、悪口を书いた小さな纸を回したりして「お前は嫌われているんだよ」ということを本人、そして先生に手が出せない范囲内で臭わせたりすることができるようになります。このようにして、先生の目の届かないところでいじめがおこなわれ、子どもたちの中で深刻化していきます。
そう、子どもの発达がうまくいっていないからいじめが起きるのではないのです。むしろ子どもの発达は、良い方向に进めば人の気持ちを考え、相手に対して优しくできるようになる反面、その人の気持ちを考える力が悪い方向に进めば、『どうすれば相手がダメージを受けるのか』ということも考えられるようになり、いじめにも利用されるようになるのです。
加藤さんは言います。「発达心理学の観点からすれば、「问题が起こせるようになる力」の発达がいじめの原因の一つです。「问题が起こせるようになる力」それ自体は否定しません。むしろ、そのことを前提とした上で、その力を良い方向で活かすために、子どもたちにどういった教育を组むのがよいのか、教师に対しては、どういった授业を展开していくのかを一绪に考えていきます」と。
「発达」という言叶がよいものでも悪いものでもないということを认识したうえで、子供たちと向かいあうこと。ここから现代の社会问题であるいじめを解决するための方法が见えてくるように感じました。
(インタビュー风景)
加藤さんが考えるいじめ解决への手段
では、いじめを食い止める方法とはいったいどのようなものでしょうか。加藤さんが目をつけたポイントは二つあります。
第一のポイントは、いじめの加害者と教师の関係を良くすることです。アンケート调査によると、多くの加害者は、「先生は困っている时に励ましてくれない」、「公平に接してくれない」と答える倾向があるといいます。つまり、いじめの加害者は、教师との関係が非常に良くないのです。
第二のポイントは、「いじめが起きている时间を减らす」というのではなく、「いじめが起きていない时间を増やす」ことを考えるということです。教师がいるところで堂々といじめをする加害者はそういません。逆に、加害者は自分のいじめが教师に见つかっていないと感じると、いじめの频度が増すそうです。加藤さんは、教师が加害者を&濒诲辩耻辞;モニタリング&谤诲辩耻辞;する时间を増やすことができれば「いじめが起きていない时间を増やす」ことができると考えています。
したがって、この二つのポイントから加藤さんが导き出すいじめの具体的な解决方法とは「教师が加害者に一日1回はあいさつをする」ことです。今まで教师と関係が悪くほとんど接しなかった子が教师からあいさつをされるようになると「先生は自分を気にかけてくれているのではないか」と思うようになります。そして「自分は先生から见られている」と感じます。そうすることで「いじめが起きていない时间を増やす」ことができるのです。
「あいさつすることでいじめの时间を减らすこと」について、加藤さんは「しょうもない结论かもしれないけど」と笑いながらおっしゃいました。しかし次の瞬间「だけどすごく効くと思うんです」と、真剣な眼差しに変わって语っていました。
加藤さんが着目した加害者へのアプローチ。いじめの解决は一见难しそうに见えますが、その一歩は案外简単に踏み出せるのかもしれません。
これからの研究
加藤さんにこれからの研究についてうかがうと「今考えているのは基础的な発达についての研究」と答えてくれました。基础的な発达の研究とは、子どもたちが悩んだり自意识に缚られたりする思春期に子どもたちのなかで何が起きているのかを明らかにすることだそうです。つまり、思春期の思考の変化を探るのです。加藤さんは、自分が亲になって子どもを育てているうちに、思春期の现象の根本となるこの研究をすることの意味、そしてしなければいけない理由に気がついたと言います。これからは、思考の変化の研究と、なぜ思春期にはたくさん问题行动を起こせるようになるのかという、今までの研究をリンクさせていきたいと思っているそうです。
(インタビュー后、研究室にて)
インタビューを终えてみて
研究者の方からご自身の研究内容を直接闻くという初めての体験。研究に対する関心の大きさ、研究についてどれほど真剣に考えているか、热い思いが伝わってきて圧倒されてしました。直接受け取った思いを、読者のみなさんにしっかりと伝えることができていれば幸いです。
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この记事は、阿久泽玲奈さん(教育学部1年)と野末修平さん(教育学部1年)が、学部授业「北海道大学の「今」を知る」の履修を通して制作した作品です。
次回はを掲载予定です。


