ミュージアムは皆さんにとって身近な存在でしょうか、それとも远い存在でしょうか。
今年で3年目となる文学研究院主催のプラス?ミュージアム?プログラム。様々な分野の専門家を招き、社会課題に対して、ミュージアムが取りうるアプローチについて話し合う対話の場です。今年度は新しく “となりのしばふシリーズ” がはじまります。「隣の芝生は青い」と言いますが、ミュージアムのとなりのしばふとは?
今村信隆さん(北海道大学文学研究院 准教授)と卓彦伶さん(北海道大学文学研究院 講師)にお話を伺いました。
【森沙耶?いいね!贬辞办耻诲补颈特派员】

プラス?ミュージアム?プログラムについて教えてください
今村さん: プラス?ミュージアム?プログラムは2022年度に始まったプログラムで、今年が最终年度となる3年目です。社会の変化と共にミュージアムの役割も変わりゆく中で、これまでミュージアム内外から様々な分野の方々をお招きして社会や地域の课题にミュージアムを足してみる、という试みを行い、その可能性を探ってきました。
卓さん: 8月にキックオフシンポジウムを行い今年度の活动も始まったばかりです。今年度は3本のシンポジウムと新しい取り组みとして「となりのしばふ」シリーズを行います。ゲストとの対话を通してミュージアムが持つ専门知についてミュージアムの中からも外からもその可能性を考えていきたいと思っています。
今回、新たにはじまる「となりのしばふ」シリーズとは?
今村さん: ミュージアムとも近しい、様々な分野の専门家をお招きしてお话を伺っていくシリーズです。シリーズ名については、まず最初にこの「となりのしばふ」という言叶が思い浮かびました。”隣の芝生は青い”ということわざからだとあまりいい意味では使わない言叶ですが、芝生は原っぱのような感じがあってみんなで风通し良く话し合えるイメージもあるので、ミュージアムに近いジャンルだけど今までお话したことがなかった方たちとざっくばらんにお话しできるという意味と、参加者の方も含めて近い距离でお话しできればという思いを込めました。
卓さん: 新しくシリーズを立ち上げるにあたって、会场についてもメンバーで相谈しながら决めました。9月7日に行うシリーズ第一回目の会场は中央食堂隣のエンレイソウです。プログラムを実施するスペースは大野池を背にして大きな窓から外の緑も见えるとても気持ちのいい空间で、集まった人どうしが话しやすい雰囲気が作れるのではないかと思っています。
今村さん: 私の専门は美术史ですが、17世纪フランスの絵画爱好家のなかに、絵の前では语り合った方がいいと考えていた人たちがいました。そこで言われている絵の前での语り合い方は、语りが相手を伤つけない、失礼な言叶遣いをしてはいけない、会话が有益だとか建设的であるという以前に気持ちよく会话するというのがとても大事だと言われています。そうしたことからも场の雰囲気はとても大事だと考えています。
卓さん: これまでも现地参加とオンライン配信を併用しているのですが、オンラインよりも现地参加の人数の方が少なめの倾向があります。直接会话できる场を丁寧に作ることで、この特徴も活かせるのではないかと思います。

となりのしばふシリーズ第一回目の内容について教えてください
卓さん: 第一回目は図书馆を専门に研究されている筑波大学の吉田右子さんをお招きして「声が响く、知の森へー世界の図书馆事情」というテーマで行います。吉田先生は今村先生の提案でお招きすることになりました。
今村さん: 私が元々吉田先生の着书を読んでいて、もっとお话を伺いたいと思っていたのがきっかけです。吉田先生の着书の中で一贯してテーマになっているのが「賑やかさ」です。デンマークのライブラリーに行くと、大体ざわざわとしていて、静かなコーナーが限定的になっている。私もミュージアムで同じようなことを考えているので、対话してみると面白いんじゃないかな、と。みんなの场所だから静かにしないといけないよっていうのと、みんなの场所だから谁が声を発してもいいよ、というのはどちらもこの场所は公共の场所だからという同じ前提なのに、2つの结论になりますよね。賑やかさってなんだろうというところから、结局公共ってなんだろう、というような问いにつながっていくのではないかと考えています。
もう一点、気にかかっているのは、ミュージアムも市民プールもお金を取るのに、なぜ図书馆だけがお金を取ってはいけないの? ということです。吉田先生が着书の中でこのことについて书かれています。吉田先生によれば、たとえばオランダの図书馆などは有料の図书馆が多いそうです。なぜ図书馆は无料が前提なのか。こういった视点も、ミュージアム论とライブラリー论ののりしろになっていくのではないかなと思っています。
确かに図书馆が无料であることに疑问を抱いたことはありませんでした
今村さん: そうですよね。そのようにとなりのしばふシリーズを通して、自分が思っていた前提や当たり前は、意外と当たり前じゃないと気づかされるようなことが起こることも期待しています。
卓さん: シリーズ全5回の中にはゲストの方を复数人お招きしている回もあるのですが、それぞれ违う分野の方にお话しいただくことで、そこでの化学反応のようなことが起こることも期待しています。私もどうなるか全く予想がつかないですが、共通の言语を探っていく过程で思いもよらない発见があるのではないかと思います。
今村さん: 芝生が隣というのは、庭のサイズで考えているから隣ですが、引いて见てみると栅で区切られただけの一つのフィールドでしかないんですよね。その栅というのも実は人工的なものだったりしますよね。今年度の活动のシンポジウム3本はミュージアムの中からの问い、となりのしばふシリーズではミュージアムの外侧からミュージアムの轮郭を确かめていくような関わり合いの中でミュージアムとは何なのかということを考えていきたいです。
芝生を分けている栅が分野の境界と捉えることもできるのですね
今村さん: 违う分野の方と喋るときによく异种格闘技と形容されることがありますが、そうではなくて隣の全然知らない人たちにラブコールを送るような交わり方ができたらと思っています。プラス?ミュージアム?プログラムでの専门の「门」の字は閂(かんぬき)がかかっているような门ではなく、开かれた门のイメージです。様々な分野の方々と対话してきて3年目となった今、翻ってミュージアムの専门、ミュージアムというフォーマットでないとできないという専门知を捉えなおすことをしたいと思っています。
卓さん: 博物馆を経由することでワンクッション置いて考えることができる社会课题もあるのではないかと思います。子育て世代だったり配虑が必要な事情を持つ人だったり、社会が抱える问题は様々でそれを解决するためにみんな试行错误していますよね。博物馆でも、例えばおたる水族馆では聴覚过敏の人に配虑したプログラムなどが行われていて、それは聴覚过敏がある人もそうでない人も受けられるようになっています。そのようなプログラムを経験することによって「このように感じる人がいるんだ」と知るきっかけになる。それは何か问题を解决することに直接つながるわけではないですが、その人の中には変化がありますよね。
今村さん: ミュージアムの専门知ってスペシャリストでありながら、同时に他の多くの分野にも幅広く目配せするような、もっと柔らかくて、社会のこりをほぐしてくれるような感じがするんですよね。そのようなミュージアムの可能性について探っていきたいです。

ありがとうございました。ミュージアムの外と中からその轮郭を确かめていく、プラス?ミュージアム?プログラムの取り组みに注目です。
プラス?ミュージアム?プログラム「となりのしばふシリーズ」第1回は现在、参加申込受付中です。
【タイトル】声が响く、知の森へー世界の図书馆事情
【日 时】2024年9月7日(土)13时~16时
【講 師】吉田右子さん/筑波大学図書館情報メディア系 教授
【司会?コーディネーター】今村信隆さん/北海道大学文学研究院 准教授
【场 所】北海道大学オープンイノベーションハブ「エンレイソウ」(※锄辞辞尘によるオンライン配信有)
(札幌市北区北11条西8丁目)
【申込方法】事前申込
【详 细】