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#175 小さな生物の胁威から消费者を守る方法を求めて!

食中毒-それは我々の安全な食生活を胁かすもの。原因は様々ですが、毎年食中毒によって苦しむ人々が后を絶ちません。

この食中毒の原因となるのが食中毒细菌であり、その中でもカンピロバクターや大肠菌をはじめとするグラム阴性菌による食中毒が最も多いです。このグラム阴性菌は外膜という「鎧」を持っているため、抗菌物质という「攻撃」に耐えることができます。

我々の身の回りにあるもので「鎧」を破り、「攻撃」が効くようになるにはどうすれば良いのだろうか。

国民の安全な食生活を守るため、私の研究は始まりました。

【植村綾?水产科学院修士1年】

食中毒の研究を意识したきっかけ

私が小学校1年生の时、学校内で宿泊行事がありました。みんなで游んだ后、作ってもらったカレーを食べ、眠りにつきました。しかし、朝起きると、隣で寝ていた友达がどこにもいませんでした。実は、カレーを食べた人たちが深夜に体调不良となり、次々と帰宅していたことを后から知りました。いわゆる「集団食中毒」というものでした。楽しみだったはずの宿泊行事は、この一件で中止となり、この日以来、食中毒は私にとって楽しい思い出を夺った憎むべき相手だと思うようになりました。そして同时にどうすれば食中毒を防止することができるようになるのか、考えるようになりました。

どうすれば被害を减らせる?

そもそも食中毒とは何が原因で起こるでしょうか?例として、自然に存在する植物や动物が持つ毒によるもの、混入した化学物质によるものなどが挙げられますが、食中毒の事件数としては圧倒的に食中毒细菌によるものが多いです。

食中毒细菌が食品に付着すると、食中毒细菌は食品内の栄养分を使って増殖します。そして细菌特有の代谢によって食品はどんどん腐っていきます。これを食べてしまうことでおなかが痛くなったり、発热の症状などが现れます。

また、このような食中毒细菌はグラム阳性菌とグラム阴性菌の大きく2种类に大别されます。このうち、グラム阴性菌は外膜という外からの「攻撃」に耐えるための「鎧」を持っています。

(グラム阳性菌とグラム阴性菌の膜构造図)

グラム阳性菌は外膜を持たないため、「攻撃」が効きやすいですが、グラム阴性菌は外膜を有しているため、「攻撃」は跳ね返ってしまいます。私はこの外膜に着目し、この外膜を破壊し、细胞の外から与えた「攻撃」を细胞内へ届きやすくすれば、グラム阴性菌もたちまち死灭し、食中毒を大幅に减らすことができると考えました。

(ペプチドグリカン层は「攻撃」が届きやすく、グラム阳性菌には「攻撃」が効く。)
(グラム陰性菌の細胞膜に効く「攻撃」が届くようになるイメージ図、① 抗菌物質は「鎧」によって跳ね返る、② 様々な処理によって外膜が壊れる、③ 抗菌物質が細胞膜に攻撃可能となる。)

そこで、さまざま化学物质や物理的な処理の外膜を壊す効果を调べました。その结果、効果の高い「攻撃」として「冻结処理」と「ポリリジン」が有望であることがわかりました。

微生物のような小さな生き物も、冻结によって生じる「氷」によって押しつぶされてしまいます。すなわち微生物の细胞の中にある液体が冻ると细胞膜にも障害が起こってしまいます。

では、もうひとつの「ポリリジン」とは何なのか?ポリリジンは微生物によって作られる物质で、食品添加物の一つとして使用されているものです。食品添加物と闻くとからだに害を及ぼすのではないかと考えがちですが、ポリリジンは天然にも存在しており、使用制限のない食品添加物として利用されています。ポリリジンは食中毒细菌の细胞膜に作用して抗菌性を示すため、同じ外〈膜〉である「鎧」に対しても効果を発挥することがわかっています1)。

これまでに、それぞれの「攻撃」により「鎧」が壊れることはわかっていましたが、私はこの2つを组み合わせれば、各々の効果をより増大させられると考え、その方法や効果が増大するメカニズムの解析に取り组んでいます。

さらに「鎧」がなくなったグラム阴性菌はさらなる「攻撃」に対して弱くなっているはずです。この「鎧」を失ってしまった细胞に、普通は抗菌効果を示さない物质、例えば乳酸菌の产生する抗菌性ペプチドで攻撃すると、グラム阴性菌でも容易に死灭することがわかっています2)。また、このようにいくつかの异なる攻撃を利用すると、各々の攻撃の强さを弱くできるため、食品の品质の向上、すなわち美味しい食品の提供にも贡献できると考えられます。

(グラム陰性菌が「攻撃」により死滅するイメージ図。① 通常は外膜があるため、抗菌物質は透過できない、② 凍結とポリリジンによって外膜が損傷する、③ 外膜を失ったグラム陰性菌に抗菌物質が細胞膜へ作用する。)
食品微生物を扱う実験で行なうことって?

食中毒细菌は食品に関连する微生物という位置づけであるため、一般的に食品微生物というカテゴリーに分类されます。

周りに微生物を扱っている学友がいるならともかく、いない人は微生物に関する実験がどんなものなのか想像しにくいと思います。

微生物実験の手法は多岐にわたります。例えば、私の行っている微生物に対する影响を确认する実験であれば、採取した微生物をポリリジンと共に冷冻库に入れ、その后どれだけ外膜が损伤しているのか分かる特别な物质を加えて蛍光分光光度计で测定します。また、これを蛍光顕微镜で観察して研究者の目で直接确かめることも重要です。

さらに食品微生物を取り扱う実験で欠かせないのが「生菌数测定」。採取した菌液を寒天培地の上に载せ、コンラージ棒という特殊な器具を使って涂り広げ、微生物を寒天培地上で培养させます。この生えてきた菌数を数えれば初期の菌数からどのくらい生きている菌が减ったのかが分かるようになります。

微生物は繊细な生物です。昨日まで元気だったのに、今日は元気がないってことはざらにあります。また、実験に使用していない他の菌が操作中に入り込まないように细心の注意を払わなければなりません。そのため、実験を始める前に消毒、一つの工程が终わったら消毒、新しい作业に入る前に消毒…と、コロナ感染予防のように消毒は欠かせません。

人间みんなに个性があるように、微生物も个性があります。そのため、微生物によっては培养するのに1週间かかるもの、あるいはあっという间に増殖してしまうものもいます。「今日はどんな感じ?」なんて、微生物とお话しできるようになれば実験もいささか楽になるのですが、そんなことはできません。日々微生物と触れ合うことで、「勘」によるものも含めて、微生物の状态を察して実験しています。

ゆくゆくはさらに実験で冻结やポリリジンとその他の物质の効果を调べて、新しい食品の保蔵技术を提案する论文を発表したいと思っています。

(実験は地道で成功するとは限りませんが、一生悬命行なっています。消毒は入念に。)
腐败を减らすために

このようにグラム阴性菌の外膜を损伤させれば、さらなる「攻撃」により、细菌が死灭することが分かりました。

生鲜鱼介类は皆様がご存知の通りとても腐败しやすい食品です。この鱼介类の腐败に関与する微生物も多くはグラム阴性菌です。したがって、私が研究している内容は水产食品の腐败防止にも応用できると考えられます。

颁翱痴滨顿-19と食中毒细菌防止のために

食品を扱う现场では食中毒?腐败防止の3原则として「付けない、増やさない、杀す」がよく唱えられます。いくら食中毒防止の技术が进歩したとは言え、我々は日常生活で菌を食品に付着させないことが食中毒防止では最も重要です。

コロナ祸で消毒する习惯が国民に定着しつつありますが、コロナが终息したその后も食品による健康被害を防止するために消毒习惯は継続してほしいものです。

参考文献:

  1. 小磯博昭 2014:「主要な保存料?日持向上剤の抗菌メカニズム-どこまで解明されているか?」『 日本食品微生物学会雑誌』 31 (2), 70?75.
  2. 益田時光?善藤威史?園元謙ニ 2010:「ナイシン-稀有な抗菌物質-」『Milk Science』 59, 59-65.

この记事は、植村綾さん(水产科学院修士1年)が、大学院共通授业科目「大学院生のためのセルフプロモーションⅠ」の履修を通して制作した作品です。

植村さんの所属研究室はこちら
北海道大学水産科学院 海洋応用生命科学専攻 水産食品科学講座
食品卫生学研究室(川合祐史教授)

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2021.08.02

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