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#169 小さくて大きな开拓地で新たな材料を!

いきなりクイズです!
ヒント①:しばしばお祭りで展示される彫刻作品の材料として使われる。それらの祭りは北海道で多い。
ヒント②:人が生きるために欠かせないもの。それは自由に形を変え、人が中に入ることもある。
ヒント③:见えない。产业革命で重要な役割を担った。现在、火力発电や原子力発电のタービンを回す。
これら叁つのヒントを満たす物质は何でしょうか?同じ物质でも「相」が违えば异なる性质を示します。私はとある化合物にて「相」の性质を変化させる「サイズ効果」を见つけました。この「サイズ効果」に注目することで「材料」を探すフィールドの拡大が実现するかもしれません。

【棚桥慧太?工学院博士1年】

(皆さんは「材料」と闻いて何を思い浮かべますか?)
そもそも「材料」って……なんだろう?

小学校の科目の1つ、図画工作(図工)。懐かしい方も多いでしょう。どのような印象が残っていますか?作品を作るために準备したものがあったはずです。道具?确かに间违いありません。しかしもっと大事なものがあったはずです。そう、「材料」です。材料とは、作品や製品を构成する物质のことを指します。図工では、加工しやすく軽い「纸」、顽丈で暖かみのある「木材」、光沢を持ち重厚感のある「金属」など、様々な材料を扱ったのではないでしょうか。用いる材料が异なれば、同じ形の作品でも质感や特徴に违いがでますよね。

良い食材を使えば美味しい料理ができるように(异论は认めます)、高性能?高机能な材料の発见は我々の生活を豊かにするだけではなく、将来の问题解决にも役立ちます。例えば地球温暖化を技术的に解决するためには、今まで以上に高性能?高机能な材料が不可欠です。また、特殊な机能を持つ材料が见つかれば、新たなエネルギーの入手法が生み出されるかもしれません。このように、まだ见ぬ新しい材料を探索することは今后の人类の行く末を决めるほど大切なことなのです。

宝(材料)を求めて

これまでにない性质を持った新しい材料を创造することを「材料开拓」といいます。その手法として新しい物质の発见や新しい化合物の合成があります。组み合わされた元素の种类や结合の仕方が変われば、异なる性质が生まれます。しかしこれまでの研究で数え切れないほどの化合物が创られています。単に化合物を合成するだけでは「材料开拓」は头打ちになってしまいます。実は、材料开拓には化合物の合成以外にも方法があるのです! 皆さんも絶対目にしたことがある身近な「あの现象」を利用することです。

それでは冒头のクイズの答え合わせをしましょう。私が想定した答えは「水(贬2翱)」です。水は温度によって形を変えます。ヒント①は氷、すなわち固体の水のことを説明しています。ヒント②は液体の水、そしてヒント③は水蒸気(気体の水)です。このように一つの物质において异なる形态ひとつひとつを、「相」と呼びます。そして「水(液体)から氷(固体)」や「水(液体)から水蒸気(気体)」のように相が変化することを「相転移」と呼び(他の呼び方もあります)、転移する温度を「転移温度」と呼びます。相転移には固体?液体?気体间の目に见える変化だけでなく、固体から固体への変化も存在します(下図を参照)。固体は原子が密に并んだものですが、固体から固体への相転移では原子の并び方が変化し、それに伴い性质が変わります。そうです、「あの现象」は「相転移」のことでした。

(相転移の例)

3つのヒントで示したように、相が异なれば物质の性质が変わり、材料としての用途も异なります。水という物质だけでも、雪像や氷像といった美术作品になったりソーメンを流す手段として使われたりと、各相の各性质を利用した多岐にわたる活跃があります。すなわち新しい材料は新しい化合物の合成だけでなく、温度変化や圧力変化に伴う相転移で性质を変えるという手法でも开拓できるのです!

「サイズ効果」の発见

それでは私の研究の话に移りましょう。私の研究は、ある化合物の合成を依頼された形でスタートしました。その化合物は固体间の相転移が起こり、ここではその転移温度を挟んで高温侧の结晶相を贬相、低温侧の结晶相を尝相と呼ぶことにします。私がその化合物を合成して扱う中で得られた知见と、これまでにその化合物で报告された振る舞いを総合して、私は「结晶を小さくすると低温域でも贬相が出现する」と考えました。これを実験的に确かめるためには小さい结晶を作製すればよいのです。小さい纸よりも大きい纸の方がツルを折りやすいように大きい结晶の方が扱いやすいため、普通は大きな结晶を作って特性の调査が行われます。そのため「あえて小さく作る」ことは、私の扱う化合物では今まで行われてきませんでした。

この化合物の合成にはおよそ1400°颁の高温が必要でした。高温の结晶は周囲の粒と合体し成长しやすいため、加热时间が长いとあっという间に大きい结晶ができてしまいます。だからといって加热が足りないと、低温で生成する他の化合物が残ってしまいます。そのため小さい结晶を作製することは、パラパラを目指しつつも焦がしてはいけない炒饭のような絶妙な加热加减が求められ、非常に困难を极めました。そこで、この问题解决のために私が行った工夫の1つは加热前の物质の结晶を小さくすることです。私は液相燃焼法と呼ばれる方法を用いて、原子同士が良く混ざり合った小さい前駆体をつくることにしました。原料の液体を加热すると自动的に着火し、燃え広がり、そして灰が残ります。この灰こそが目的の化合物を得るための前駆体です。この反応は时に軽い爆発することがあり、小さい顷マンガなどから思い描いていた「実験」を実现しているような感慨深さが得られます。ワクワクしませんか?(笑)

(液相燃焼法の様子、安全には最大の配虑をしています)

私は液相燃焼法で得た前駆体と相棒の合成装置(最終図参照)とともに手法の工夫とトライ&エラーを繰り返し、小さい結晶の作製に成功しました。この結晶のサイズは1μmを下回ります。マイクロメートル(μm)はミリメートル(mm)の1000分の1、野球のグラウンドを10 cm大に描いたときの野球ボールの程度の大きさにあたります。

(大きさ比べ)

小さい结晶ができたので、どのような相であるかを调査しました。なんと予想通り、小さい结晶は尝相へ転移するはずの温度(転移温度)を下回っても贬相の结晶构造のままだったのです!さらにこの小さい结晶を冷やしていくと、强磁性(磁石の性质)が出现することを発见しました。普通サイズの尝相の结晶を冷やしても强磁性は出现しないので、これは新たな発见でした。このように、新たな视点からの挑戦によって新しい発见があることが研究の面白さ?醍醐味であると私は考えます。そして私自身が立てた仮説が実証されたことや、自らこれらの発见をしたことは、私の研究への自信となっています。

(発见した「サイズ効果」)
小さくて大きな开拓地

先ほどの研究はどのようなことを示唆しているのでしょうか。高温でH相だったものを冷やすと、普通はL相へ相転移します。しかし小さくすることでH相が低温まで維持されました。低温まで普通と異なる相が維持されると磁性や超伝導など、低温特有の特性の出現が新しく期待できるため、今まで発見された物質においても新たな材料としての価値が見出される可能性があります。このようにサイズを小さくすると普通とは異なる相が出現するという報告はいくつかの物質にて報告されているものの数は少なく、その詳細なメカニズムはわかっていません。私はこの「サイズ効果」がより一般的なものであり、これが材料開拓の大きなフィールドとなり得ると考えています。そして現在、私はこの「小さくて大きな开拓地」を切り開く先駆者を目指し、日々研究に取り組んでいます。

(光り辉く相棒の合成装置と)

この记事は、棚桥慧太さん(工学院博士1年)が、大学院共通授业科目「大学院生のためのセルフプロモーションⅠ」の履修を通して制作した作品です。

棚桥さんの所属研究室はこちら

エネルギーメディア変换材料研究室(能村贵宏准教授)

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2021.07.12

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