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#147 人间の活动が止まった。そのとき、野生动物は…?

2020年7月30日の深夜。私は北大のメインストリートを、いつものように淡々と走っていた。だが文系栋にさしかかったその瞬间、度肝を抜かれた。闇の中、左前方からすらりと长い脚をもった大きな动物が走り出てきた。私は躓きそうなところを何とかこらえて颜を上げ、その影を目で追った。それは軽やかな足取りで农学部のほうへ走っていった。正体は、シカだった。

(北大に现れたシカ。2020年9月24日撮影)〈写真提供:白岩颯さん〉

2020年7月ごろから約3か月にわたり、北海道大学の札幌キャンパス内でシカが度々目撃され話題になった。札幌のシカのように人间のそばで生活する野生动物は、往々にして人間活動の影響を受けている。コロナ禍で私たちの生活は大きく変化したが、野生動物の生活は変化しただろうか。文献調査や研究者インタビューを通して、私はこの疑問を解消しようと試みた。

【五藤花?颁辞厂罢贰笔修了生/环境科学院修士1年】

人间活动の停止「アンソロポーズ」

昨年からの新型コロナ流行は人间社会に大きな影响を及ぼしている。対策として海外ではロックダウンとよばれる人々の外出や移动の规制が各地で行われてきた。日本でも外出自粛が呼びかけられ、旅行や出张を控えたり、リモートワークが推进されたりして家の中で过ごす时间が増えた(,。こうして、人间の活動の規模が大幅に縮小した(。

このような人间活动の低下を表す言叶として、昨年6月に「アンソロポーズ(础苍迟丑谤辞辫补耻蝉别)」という言叶が生态学者らによって提唱された(。础苍迟丑谤辞は「人间」を表す接头辞、笔补耻蝉别は「停止」を意味する。

そして、アンソロポーズは野生动物の行动にも影响を及ぼしたと考えられている。町を阔歩するヤギの群れ(、普段は観光客が多く行き交う道路上でくつろいでいるライオン…(。今までには见られなかった様子が厂狈厂で拡散される事例が世界中で见られた。こういった事例を出発点に、世界ではアンソロポーズと野生动物に関する研究がいま、注目を浴びつつある。

In the town near me (Llandudno) the mountain goats have moved further down out of hills and have started wandering around the town more to graze !!

— sarah ?? (@VampireGhuleh)

(イギリスの町に现れたヤギの群れ)〈蔼痴补尘辫颈谤别骋丑耻濒别丑〉

Kruger visitors that tourists do not normally see. This lion pride are usually resident on Kempiana Contractual Park, an area Kruger tourists do not see. This afternoon they were lying on the tar road just outside of Orpen Rest Camp.
?Section Ranger Richard Sowry

— Kruger National Park (@SANParksKNP)

(南アフリカの国立公园。ライオンが路上でのんびりと昼寝している)〈蔼厂础狈笔补谤办蝉碍狈笔〉

北大のシカ出现はアンソロポーズが原因?

では、昨夏の北大のシカ出现もアンソロポーズによるものなのだろうか。私が知りたいのはそれだ。北海道でも昨年2月28日に初めての独自の紧急事态宣言が発令されてから5月31日まで、感染拡大防止措置のため外出自粛が要请され(、人の流动が减少した。例えば、札幌駅周辺における2020年の滞在人口をみてみると、5月第1週の道内?市内の移动は前年同期に比べそれぞれ62%?55%减少した。道外から来る人はさらに减少が着しく、99%も减少し、その后も9月まで前年の5割を下回ったままだった(。

(札幌駅における滞在人口の动向。特に道外との移动が大きく减少していた)〈出典:痴-搁贰厂础厂北海道(〉

しかし、シカの生態研究をしている立澤史郎さん(文学研究院 助教)によると、北大に現れたシカと人間活動低下の関係は、はっきりしないという。実は2000年代はじめごろから、毎年のように学内でシカの足跡が発見されていたというのだ。

(立泽さんはフィールドワークをベースに、野生动物の生态や、人间社会との関係について研究している)

若いオスジカたちは新たな生息地や配偶相手を求めて、初夏から秋の発情期にかけて、もといた场所から离れていく。これまで北大で见つかった足跡も、近くの山から来たオスのものだろうと考えられている。昨年の夏に目撃されたシカも一歳と推定される若いオスだった。

アンソロポーズによってシカが北大に现れる频度が増したという确かな証拠は今のところない。そもそも长期的かつ系统的な调査データがないのだ。若干肩透かしを食らった私だったが、立泽さんは、アンソロポーズによって野生动物の行动が変化した确かな事例がある、と言う。それは奈良公园のシカだ。

人と関わって生きてきた奈良公园のシカ

奈良公园のシカは野生だが、人间とのかかわりが强い。その歴史は古く、鎌仓时代から神の使いとして大切にされており、さらに江戸时代以降は、人がシカに饵を与えるという関係が构筑されてきた(。

(春日大社の茶屋に集まる人々と鹿。江戸时代の名所案内记に描かれたひとコマ)〈出典:〉

その関係は2010年代末にはさらに强まり、人间への依存度が非常に高い状态になっていた。原因は観光客の増加だ。奈良市へ観光に访れた人は2009年からの10年间で约300万人も増加し、2019年には1700万人を超えた(。

大势の観光客が饵をあげることで、冬の厳しい时期を多くのシカが生き残れるようになった。そして高密度になったシカたちは植物を食べ尽くし、饵不足が起きる。するとシカたちは、さらに観光客に饵をねだるようになる、というループができていた。

(アンソロポーズ以前の奈良公园のシカ。2019年12月撮影)〈写真提供:明石凉さん〉
観光客の减少によって人间を「见限った」シカ

ところがアンソロポーズによってそのループが切れたことを、立泽さんらの研究グループが明らかにした。その証拠は奈良公园のシカの1日の行动パターンの変化だ。普通、野生のシカは朝、森林から草原に出てきて草を食べ、その后安全な场所で休息し反芻する。そして夕方にはまた草原に出て採食しながら森林に戻る、という生活を送る。一方、以前の奈良のシカは、昼间も観光客に饵をねだって奈良公园の开けた场所、とくに煎饼屋の周囲をうろついていた。また、夜に森林へ帰らない个体が増えていた。

しかし行动自粛が始まった2020年3月ごろから、こうした行动パターンが変化しはじめた。そして7月には奈良公园のシカも野生のシカと同じように、昼间は草地でゆっくり反芻?休息し、夜には森林に戻るようになったという(。立泽さんは「饵をもらえないのでシカの行动が野生の状态に戻ったのです。野生动物が人间に依存しなくなったとも言えます」と语った。

(アンソロポーズ以后の奈良公园のシカ。2021年4月撮影)〈写真提供:明石凉さん〉
粪からわかるシカの変化

さらに、観光客の数の変化は奈良公園のシカの健康状態にも影響を及ぼしていることが、明石涼さん(理学部 生物科学科 高分子 4年)の調査から示唆されている。明石さんは2019年から奈良公園のシカの糞をつかった研究を行っていた。調査のきっかけを彼はこう語ってくれた。

「去年の3月に奈良公园でいつも通り调査で粪を集めていました。観光客がものすごく少ないのは火をみるよりも明らかでした。そしてその时から漠然と、シカの振る舞いが変わったなぁとか、下痢状だったりゆるかったりする状态の悪い粪が以前より少ないなぁと感じていました。でも奈良公园のシカが快肠になったというニュース(を6月に见て、もやもやしていたものが言叶になりました。まだ粪の良い状态が続いているのか? だったら、调査を継続して确実な変化か注视しなければならない。それに肠内の环境も変化しているんじゃないか? そう思いました」

(奈良公园でシカの粪を集める明石さん。粪は肠内细菌を调べる材料となる。2021年4月撮影)〈写真提供:明石凉さん〉

そこで明石さんは、アンソロポーズ前、つまり2019年末までに採取した粪と、アンソロポーズ后の2020年3月以降の粪について、その状态と中に含まれる细菌を比较した。するとアンソロポーズ前では、块の状态や下痢の状态になっている粪が4割以上を占めた。シカの健康的な粪である「黒豆」とよばれるころころとした粪は6割に満たなかった。一方でアンソロポーズ后では、「黒豆」の割合は増加し8割になった。また、食生活や健康状态と密接にかかわっている肠内细菌の种の构成にも変化があった。

今后、明石さんは季节性や雌雄を考虑した解析に取り组む予定だ。それらの解析によって、シカの粪の変化はアンソロポーズの影响を反映しているのか、それともほかの要因の影响を强く受けているのか、よりはっきりしてくるだろう。いずれにせよ、継続的なデータ収集と、日々の観察での気づきがこのようなアンソロポーズ研究を可能にしたのは间违いない。

野生動物の行動も人间の意識も変化

奈良公园の事例は、アンソロポーズによって起こる野生动物の行动の変化には、人间社会との接触の増加だけではなく、减少もあることを示している。

しかし野生動物の行動変化の他に、もう一つ別の変化もあるかもしれない、と私は思った。それは私たち人间の意識の変化だ。北大のシカの例にあるとおり、これまでもシカは北大構内に出現していた。もしかしたら、アンソロポーズで私たち自身の行動が変化したことで、今まで単に見逃していたシカに対して、目を向けやすくなったのかもしれない。アンソロポーズによる変化には、野生動物の行動の変化と、私たち人间の視点の変化が混ざり合っているのだ。

アンソロポーズによって人间の移動レベルは数十年前と同等になったともいわれている(。この状況は経済面への打撃を見れば危機的ではあるが、ある面では好機と捉えることもできるのではないだろうか。今回、人间の行動と野生動物の行動、そして人间の視点が変わることによって、奇しくも人間と野生動物が与え合う影響に焦点があてられることになった。実は野生动物は、私たちにとって隣人だ。未だ途上ではあるが、アンソロポーズ研究は人間活动が野生動物に与えてきた影響についての重要な知見をもたらしてくれるだろう。

そしてそこから、私たち人间と野生动物との共存を可能にする社会の在り方が见えてくるはずだ。アンソロポーズ研究は研究者によるものだけではない。厂狈厂で拡散された多くの事例がそれを示している。共存を可能にする未来のタネは、一人一人の気づきにあるに违いない。そしてそれは、やがて私たちの生活に花を添えてくれるだろう。

気づいたら、色づいていた世界

シカと出会った夜から10ヶ月あまり。コロナは収束することなく、そしてまた私は深夜のランニングを楽しんでいる。いつも通り文系栋を通り过ぎ、中央ローンがあるメインストリートの折り返し地点に来た。

と、视界の端で何かが动いた。だが今回はシカではない、鸟、オシドリだ。彼らは渡り鸟で、春になると札幌にやってくる。彼らの到来に、季节を感じる。

そういえば、最近鸟のさえずりをよく闻くようになった。昼间通りがかった水たまりには黒くうごめくオタマジャクシたちもいた。生命で満ち溢れたキャンパスには不思议な力がある。生き物の存在に気づく度、まるで妖精の国に连れ去られるかのように、私の意识はその世界に吸い込まれ、溶け込んでゆく。

札幌キャンパスの自然は、テレビに流れる热帯雨林の宝库の如き多様性や、写真集に载っている极地の荘厳な光景に比べると、ちっぽけなものだろう。それでも、确かにこの傍らにある自然は、私が気づきさえすれば私を魔法にかけてくれる。そして、私の世界をちょっとだけ色づけてくれる気がする。

 

参考文献?取材协力:

  1. (2021年4月19日 閲覧).
  2. (2021年4月19日 閲覧).
  3. (2021年4月19日 閲覧).
  4. ,(2021年4月19日 閲覧).
  5. ,? (2021年4月19日 閲覧).
  6. (2021年4月19日 閲覧).
  7. , (2021年4月19日 閲覧).
  8. (2020年4月13日 閲覧).
  9. (2020年4月13日 閲覧).
  10. (2020年4月13日 閲覧).
  11. (2020年5月6日 閲覧).
  • 明石涼さん 北海道大学 理学部 生物科学科 高分子機能学 / ? 4年

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Update

2021.05.14

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