取り調べの進化形とも言うべき「司法面接」について研究する仲真紀子さん(文学研究科 教授)に話をうかがいました。
どんな研究をしているのですか
子どもから、より信用度の高い証言を得るにはどうすればよいか、认知?発达心理学の観点から研究しています。また、そうした証言を得るための「司法面接」という方法について、研究开発を行なっています。
なぜ子どもに着目するのかというと、証言の信用性は子どもの発达と関係しているからです。子どもは脳が発达途上にあり、外部からの新たな情报によって记忆が书き换えられてしまう倾向性があります。また、语汇が少なく、表现力も乏しいという问题もあります。そのため、裁判で子どもの証言を用いる场合、その信用性が问题になりやすいのです。
以前、3歳の子どもが証人となったことがあります。このように,幼児であっても証言能力があるとされることはありますが、その証言は、信用性が无いという理由で却下されてしまいました。証言をしても、信用できないというのでは意味がありません。より信用性の高い証言を得ることが、求められています。
(司法面接を模拟的に行なうための部屋もあります)
取り调べと何が违うのですか
现在、証言を得るために一般に行われている方法は、最适とはいえません。例えば、「やったか、やっていないか」、「驰别蝉か狈辞か」など、选択肢で答えるような质问の仕方をすることが多いという问题があります。こうした闻き方では、答えの幅が限られてしまい、ありのままの体験を话しにくくなってしまいます。质问に含まれる情报によって记忆が変わってしまう恐れもあります。
こうした问题は、脳が発达途上にある子どもを相手にする场合には、特に、无视できなくなります。上记のような方法で得られた証言は、信用性が低いとされても仕方がないでしょう。
このような方法に代わる司法面接では、より信用度の高い証言を得ることを目指します。信用性の高い証言とは、「体験した出来事をよりよく反映し、外部の情报と合致する度合いの高い証言」です。そうした証言を得るには、被面接者の体験记忆に干渉することなく、できるだけありのままを话してもらうことが重要です。
(面接の様子は别室でモニタリングされます)
司法面接では、面接室などの环境や、面接官の质问の仕方(面接法)などに配虑し、ありのままに话してもらう体制を整えます。たとえば面接室は、あたたかい雰囲気を保ちつつも简素にし、おもちゃなど注意をそらすものを置かないのが一般的です。面接者も、あたたかいけれども中立的、客観的な态度で、たんたんと话を闻いていきます。
こういった方法は、子どもにできるだけ多くの情报をできるだけ正确に报告してもらうこと、繰り返し报告を求めることで精神的二次被害を与える、ということのないようにすること、を第一に考えて作られています。过去の事例で、适切な供述を得られなかった原因を调査し、そうした原因をできるだけ排除しようとすると、そのような面接法ができあがってくるのです。
(イギリスで作られた最初の司法面接ガイドライン)
司法面接は今后どうなっていくのでしょうか
司法面接の重要性は、ますます増していくのでは、と思います。児童虐待や子どもへの犯罪、供述弱者(知的障がいをもつ人など)への事情聴取などへの関心が高まり、正确な情报収集への需要が高まってきているからです。
顿狈础鑑定などの科学捜査技术が未熟だったころは、自白や証言が事件を决定づける特に重要な証拠だと考えられていました。しかし最近では、科学捜査技术の発达に加え、カードの利用履歴や颁颁罢痴(别室でのビデオを通しての寻问)などを调べることで、大量の客観的情报の収集ができるようになりました。その结果、自白や証言は、それらの物的証拠を时系列でつなぎ合わせるものとして用いられるようになってきています。
ですから最近は、「やったか、やってないか」のような短络的な証言でなく、「いつ、どこで、なにをしたか」といった、详しい説明的な証言が必要とされています。そしてこのような証言を得るには、従来型の取り调べよりも司法面接のほうが适しているのです。
司法面接はもともと子どもに対して行なわれていましたが、最近では子どもだけでなく大人に対しても使われ始めています。ありのままを话してもらうという姿势は、大人にも有効だからです。
研究の成果を积极的に社会に还元するため、司法面接の研修も行なっています。研修に来てくださるのは、これまでは主に児童相谈所の职员の方でした。でも最近では、検事さんや警察の方も司法面接に兴味を持ってくださり、研修に参加してくださいます。また、これらの専门家の面接の様子を见て、助言をさせていただくこともあります。そして、そこから様々なフィードバックをいただいて、研究に活かしています。
(模拟面接室で仲さんに取材する吉田一史さん(左))
この记事は、全学教育科目「北海道大学の今を知る」を受讲した、吉田一史さん(法学部1年生)の作品です。




