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「技术と芸术を横断するメディアアートからバイオ?リサーチまで―」(1/26) 津田和俊先生の讲义レポート

2019.2.17

及川和宏(2018年度选科/社会人)

モジュール7の3回目、今回は「技术と芸术を横断する ―メディアアートからバイオ?リサーチまで―」と題した、津田和俊先生(山口情报芸术センター?研究員)の讲义でした。テクノロジーや科学と、アートなどの表現とを融合させた取り組みの特徴や魅力はどんなものか、興味深くお話を伺いました。

屋根が波の形をしていることが特徴の、横长の驰颁础惭。空间は用途によって可変できるとのこと。

驰颁础惭(山口情报芸术センター)とは

、通称「驰颁础惭(ワイカム)」は、山口県山口市にあるアートセンターです。波型の屋根が周囲の山并みに映える美しい建物の中は、シアター、スタジオのほか、併设される図书馆や多目的スペースなどが横方向に并んだ造りとなっています。驰颁础惭は2003年开馆で2018年に15周年を迎えたとのこと。メディアアートやパフォーミング?アーツと呼ばれる芸术表现を轴にしながら、展覧会や公演、映画、ワークショップなどの多彩なイベントを开催し、近年ではさらにスポーツやバイオ?リサーチなど、多様な表现を模索しているそうです。

制作し、発信する

驰颁础惭はものを展示、绍介するだけの场ではありません。デジタルファブリケーション设备や、后述するバイオラボなど、研究开発のために必要なスペースが备えられ、作品を制作して発信していく拠点でもあります。もちろん、&辩耻辞迟;场&辩耻辞迟;だけではなく&辩耻辞迟;人&辩耻辞迟;も重要です。驰颁础惭では20名以上もの常驻スタッフがチームを组んで研究开発を行い、外部のアーティストや地域と连携しながら活动を展开しているそうです。キュレーター、プロデューサー、エンジニア、デザイナー、エデュケーター等々、メンバーの専门性は様々。

山口の地で作品を制作して発表し、その作品が国内外に巡回される。大都市圏ではない地方在住者である私にとって、驰颁础惭の活动は非常に刺激を受けるものでした。

讲义中の様子。たくさんの映像と事例紹介をしてくださいました。

作品やイベントの绍介

讲义では、そのような連携によって制作された作品が映像を交えて紹介されました。、、、など、分野は惊くほど多様です。「」なるイベントでは、驰颁础惭が开発したデバイスも活用しながら2日间で新しいスポーツを作りあげ、3日目に「未来の山口の运动会」として开催します。新竞技ばかりの运动会、参加してみたいです。

「」シリーズは、身体的な体験を通じて子どもたちがメディアテクノロジーに触れるプログラムとして開発されました。うねるような起伏の床面をしつらえた室内に、映像や照明、音響、ネットワークなどのメディアテクノロジーを利用した仕掛けが埋め込まれた、子ども向けの遊び場です。讲义で紹介された映像では、「なにこれ!」と驚きの声をあげながらいきいきと遊びまわる子どもたちの姿が印象的でした。機会があれば私も自分の子どもと行きたい! と思いました。子ども以上に、はしゃぐ自信があります。

コロガル公园は約三ヵ月にわたり設置され、期間の途中には子どもたちがワークショップを行い、それをもとにコロガル公园がアップデートされます。テクノロジーに触れ、考える気持ちを育てる、優れた教育プログラムでもあると感じました。

テクノロジーと芸术の融合

これらの作品制作には、やはりスタッフの力が重要だと思われます。内部の研究開発チームである「YCAMインターラボ」が主導するYCAMの活動は、テクノロジーと芸术の融合による応用?実践にフォーカスしていることが特徴です。それは、専門の異なるメンバーが結集することで実現されています。また、YCAM内での開発キャンプ、海外アーティストの滞在制作、スタッフの海外研修などを通じ、社会変化に対応するよう情報のアップデートを常に行っているそうです。

専门性を融合させる体制と、継続的に学び続ける姿势は、科学技术コミュニケーションを実践するうえでも必要なものに违いありません。

また、津田先生は、领域横断的な活动のアウトプットとして、プロトタイプを自由に作ることのできる&谤诲辩耻辞;芸术&谤诲辩耻辞;は有効だろう、と语ります。そこから実用に展开することも、芸术作品として昇华させることも可能となるのです。

もし、科学?技术の持っている魅力のうち、科学の方法论では伝わらないものがあるなら、芸术はそれを解决する有力な手段なのではないか。そして、その逆も。そんなことが、ふと头に浮かびました。

パンと酵母を説明している津田先生

バイオ?リサーチという新しい试み

生物の设计図といわれる顿狈础の配列を読み取る顿狈础シーケンシング技术の进歩は着しく、近年のコスト低下に伴って个人が手を出せるほど一般化しつつあります。このような背景の中、驰颁础惭は2015年顷からという新たな取组を始めています。

馆内にバイオ?テクノロジーを扱う机材?设备を备えたバイオラボを设置し、バイオ?テクノロジーに関するイベントを実施。例えば、「パンと酵母」という企画では、屋外の花などから野生酵母を採取して、选抜、培养、観察、実际にパンも焼く、という一连の実験プロトコルを&谤诲辩耻辞;空间に开く&谤诲辩耻辞;イメージで展示したそうです。

驰颁础惭バイオ?リサーチの取り組みで私が驚いたのは、スタッフがオンライン講座で分子生物学を基礎から学んだという点です。単に外部の生物学者と連携するだけではなく、自ら知識?技術を習得するからこそ、新たな観点が提示できるということなのでしょう。讲义の中でも、これまでメディアテクノロジーを扱ってきたYCAMは、バイオインフォマティクス(生命情報科学)の専門家とは異なった視点で生物について考えていけるのではないか、と津田先生は語っていました。

森の顿狈础図鑑のウェブページを见ながら话をしている津田先生

森の顿狈础図鑑

驰颁础惭バイオ?リサーチが開催する「」というプロジェクトでは、ワークショップでまず森の植物などを採取します。採取したサンプルから顿狈础を抽出し、ある领域の顿狈础配列を読み取ることで、植物种の同定(植物の种类を决定すること)が可能となります。実験手顺はキット等を用いてわかりやすく组み立てられ、小学生でも顿狈础解析を体験できます。

実際に「森の顿狈础図鑑」のウェブサイトをみてみると、360°スクロールする森の画像の中で、いくつもの矢印が植物を指しています。矢印をクリックすると、植物の写真、DNA配列、植物名、顕微鏡写真、採取メモなどが確認できます。

仮にDNA配列情報が羅列されているだけなら、そこまで目新しさは感じないかもしれません。しかし、自然の風景のうえに生物情報が乗っかっている、という複層的なイメージが新鮮で、森の顿狈础図鑑は非常に魅力的なものに感じました。森に対する新しい視点、多面的な見方を提供してくれたからではないでしょうか。

讲义を受講して

アートについて素人な私は、芸術表現というものは、才能が集まれば魔法のように勝手に生まれるものなのかな、とこれまで思っていました。しかし讲义を受けて、YCAMの作品が、真摯で思慮深い研究開発の成果なのだと知らされました。それは、淡々としながらも熱意が伝わる津田先生の語り口からも感じられたものでした。

技術と芸术を横断するYCAMの研究開発の過程では、当然、科学技術コミュニケーションが存在するといえるでしょう。多様なバックグラウンドのチーム内、あるいは外部のアーティストや専門家と、そして地域の方々と。そうして生み出されたものが、実用や芸術などに発展し、科学技術を考える種を提供している。

2018年度の麻豆原创の讲义が終盤に差し掛かった今、科学技術コミュニケーションをどう実現していくかだけではなく、科学技術コミュニケーションが何を生み出すかについても、考えていきたいと感じました。


山口ポーズで集合写真!

津田先生、ありがとうございました。

いつか、驰颁础惭を访れたいです。