レポート:南波 美帆(2015年度 選科A/会社員)
みなさんは「科学技术コミュニケーションとは何か?」という問いにどのように答えるでしょうか。
科学技術コミュニケーションについて、研究者の間でも様々な目的や成果、考え方が存在します。この捉え方の「ズレ」について、また科学技術コミュニケーターにとって重要なツールであるデータについて、川本思心先生より『データから见る「科学技术コミュニケーション」の実际(と限界)』と題し、讲义を行っていただきました。
データとは
データとは主张?判断?意思决定を支える情报であり、客観的な素材です。数字は客観性があると思われがちですが、プロセスが明らかでないと客観的とは言えません。ある目的のために全体を把握するデータが必要になってきたこと、また科学技术の进歩によってデータを得る调査?分析の方法が発展し、そして市民社会の成熟によってデータの扱い方までが変化しているということを、国势调査(全数调査)や世论调査(标本调査)を例に、それぞれの歴史的背景や目的を通して绍介していただきました。
研究の结果が、研究者の认识とは违う解釈で世の中に伝わることがある例として、ネイチャーに掲载された、日本の研究者の科学技术コミュニケーション実施経験者の割合の表现方法を挙げられました。データは単纯に存在するだけでは意味がなく、目的?仮説?取得方法?取得结果?分析方法?分析结果?见せ方を适切にする必要があります。
データから见る科学技術コミュニケーション
科学技术コミュニケーションのためのデータとして、1)研究者间のずれ、2)研究者と市民のずれ、3)一般市民のリテラシーをテーマにした调査が绍介されました。
冒头の问いに関して、活动の実态および研究者间の意识や环境のズレを把握して、科学技术コミュニケーションの现状把握をしようという调査があります。质问纸调査によって得られた复数の回答を因子分析とクラスタ分析によって分类するもので、调査の结论は以下のようになりました。
?科学技术コミュニケーションに対する意识は多様である。
?科学技术コミュニケーションの意识は活动経験や支援体制の有无と関连している。
この调査では、未経験者は社会的意义と効果を高く见积もる倾向が出ました。この点については、サンプルバイアスの指摘があり、未経験でも回答する时点で期待がある可能性が高く、この点において経験者とのギャップがあるようです。
また、辫别飞リサーチセンターの调査结果から、科学技术政策に関する研究と市民のずれについては様々な文化的背景により、研究者(専门家)が市民にわかりやく説明しても受容できるとは限らず、いかに异なる知识や利益を调整するかという科学技术コミュニケーションの课题を指摘されました。一方で、科学技术リテラシーの多様さについては、知识量が多くても科学に対する価値意识を持つとは限りません。科学に対する直接的兴味や欲求は低くても、社会的な意识と科学の社会的役割については结びつきがあるということがわかりました。
データの限界
最后に、何のために调査を行うのか、达成を确かめるには谁をどのように调べたらよいのか、どのようなデータに注目したらよいのかを十分に検讨することが大切です。これまで绍介のあった质问纸调査のほかにも、事例研究やビッグデータのようなものからもデータをとることができます。一方で、存在しないデータこそが重要な场合もあります。
様々な調査?研究結果を示しながら、データの背景や扱い方、限界と科学技術コミュニケーションの実际について紹介してくださいました。なぜそういうことに至ったのか、背景を知る。そして解釈するための情報を複数の軸で持っていることがデータを使って考える時にとても大切になってきます。そのために私たちが意識すべきは背景や文化に対する理解、理論的フレームを身につけることです。そして、科学技術コミュニケーションを学ぶ身として研究者(情報の生産者)、マスコミ(情報の伝達者)、読者(情報の利用者)それぞれの立場にあっても、情報のバイアスを生み出し広めていることに注意をして適切にデータを扱い、便益を返せるように心がけていきたいと思いました。
川本先生、データを扱う上での心构えを教えてくださりありがとうございました。


