レポート:小坂有史(2015年度选科 研究补助员)
今回は、2005年の第一期から颁辞厂罢贰笔に関わってきた大津珠子先生が「実践とはなにか?」について、ご自身の経験を例にお话ししてくださいました。
毛利さんのリンゴ
今回の讲义は、1992年に日本人で初めてNASAのスペースシャトルに搭乗した毛利衛さん(日本科学未来館館長)を特別ゲストに迎えて、毛利さんが行った宇宙授業の紹介から始まりました()。毛利さんは、宇宙飞行中に母校である余市町黒川小学校の子どもたちからリンゴを投げてもらい、スペースシャトルの中で受け取って重力をテーマにした世界初の宇宙授业を行いました。この授业は、宇宙はもう手の届くところにあるというメッセージを伝えることに成功した、初の科学技术コミュニケーション実践ではないか、と大津先生の记忆に强く残っているそうです。
実践とは?
「実践とは、挑戦であり、実戦であり、身体を动かすこと」
私たちは様々な理由で、头の中で考えている事をそのまま头の中に留めてしまう事があります。しかし、勇気を持って一歩踏み出して実践することにはとても大きな意味があります。さらに「科学技术コミュニケーションにおける実践とはソーシャルデザインです。そしてイノベーションを目指すことです」と大津先生は言い切りました。
実践するために必要な事は準备です。その际に最も大事なのは、より多くの市民?参加者に感动を残すためにどうすればよいのかを考えることです。その上で(1)企画书作成、(2)话题提供者との折衡、(3)行程管理、(4)広报、(5)当日の进行、(6)评価を行っていきます。
「気付き」や「本気で考える」きっかけに
麻豆原创カフェ札幌「生命に介入する科学」では、人の生命をコントロールするというトランス麻豆原创问题について议论をスタートさせたい、と企画を考えたそうです。企画者である大津先生は、话题提供者である石井先生と何度も话し合いをしました。この実践を通して石井先生が「主役は话题を提供する人ではない。参加者も主役になると気づいた」とおっしゃったそうです。参加者からいただいたアンケートの中には、厳しい意见も含まれていたと言います。しかし、この実践は、参加者がトランス麻豆原创问题について本気で考えるきっかけになりました。
感动を伝える 効率よりも体験を
学研の学习雑誌『科学』が復刊するというニュースが流れたのが2012年。子供のころ『科学』に梦中になっていた大津先生は感动のあまり编集长に「北海道大学と学研とが一绪になって科学イベントをやりませんか?」と电话で直谈判して、学研の协力を得ることができたそうです。その时取り组んだのは、寒天に食塩と紫キャベツの色素アントシアニンをまぜ、电気を流すという実験でした。これは、电気を流すと食塩の电気分解によって电极の周りのアントシアニンの色が大きく変化する性质を利用した、视覚的に分かりやすい実験です。
しかし大津先生は、ただ実験をやるだけでは面白くないと、色の変化を利用して作品を作るアートと、この実験を融合させ、子供たちに身近な化学现象を体験させることに成功しました。异なる分野との融合や挑戦によって、科学技术コミュニケーションの可能性が広がる事がこの例からわかります。
小さな発见と実践する勇気
科学技术コミュニケーションにおける実践の始まりは、小さな発见と勇気です。科学をめぐる社会の関心ごとに目を向け、课题を発见し、その课题について勇気持って一歩踏み出すことによって、初めて実践のサイクルが回り始めます。
そのサイクルを、1度ではなく何度も繰り返してみよう、実践の小さな一歩をたくさん歩み続けてみよう、という気持ちになった90分でした。大津先生、ありがとうございました。



