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モジュール4-3「感染症危机管理とコミュニケーション」(11/9)斋藤智也先生讲义レポート

2025.3.24

佐藤柊介(2024年度本科ライティング编集/北大理学院)

モジュール4-3の講義は国立感染症研究所感染症危機管理センター センター長の齋藤智也先生です。「感染症危机管理とコミュニケーション」というタイトルで国立研究所としてのコミュニケーションについて、お話しいただきました。

(今回はオンラインでの讲义での开催となり、本科生も选科生もライブで参加できました)

斋藤先生は、公众卫生の実务、特に感染症分野を専门としており、厚生労働省に出向して実务経験を积まれました。ちょうどその时期、新型コロナウイルスの流行が始まり、斋藤先生は厚労省内部のクラスター対策班に所属し、データ分析や政策议论に取り组まれました。その中で、いかに新型コロナウイルスの现状を把握し、それをどのように国民に伝えるかに苦虑したとのことです。

国立感染症研究所に移ってからは、変异株のリスク评価やそれに関する情报発信を行う业务に携わり、首相への説明やメディアへの出演も行いました。コロナ祸では、若者にリスクを伝え、行动変容につなげる広报や、国外に向けて、日本の感染対策が有効に机能していることを発信することにも取り组まれました。
国立感染症研究所は感染症に関する研究に加えて、情报の収集?解析?还元やアウトリーチ活动なども手掛けています。斋藤先生は「感染症危机管理センター」のセンター长を务め、その活动は感染症危机に対する事前準备や迅速な対応に重点を置いています。このセンターは、异なる业务を担当する8つの室から成り立っており、そのうちの一つが「クライシスコミュニケーション室」です。この室では、感染症や特定の疾病に関する危机管理の情报提供を行っています。

公众卫生においてはエビデンスを基にした意思决定が重视されますが、同时に市民に対してわかりやすく状况を伝え、行动変容を促すコミュニケーションが不可欠です。斋藤先生は、これまでの経験から、特に公众卫生分野でのコミュニケーションには十分なリソースが割かれていないと感じてこられました。そのため、専门部署を设置し、専门の人材を配置することで、活动の质が向上したと実感されています。

リスクコミュニケーションの重要性

リスクコミュニケーションとは専门家や行政の担当者と、さまざまな福利に対する胁威に直面している人々との间で行われる、リアルタイムの情报?助言?意见交换のことを指します。リスクにさらされている人が、胁威から受ける影响を軽减し、保护?予防措置をとるために、十分な情报を得たうえで意思决定は行えるようにすることが目的です。
斋藤先生は、リスクコミュニケーションにおける课题として、以下の3点を挙げています。

  1. 有事に信頼される情报源であること
    単に情报を発信するだけではなく、市民との信頼関係が构筑されていることが前提となります。信頼を得るためには、平时からの継続的なコミュニケーションが重要です。
  2. インフォデミック?マネジメントの重要性
    特に新型コロナウイルス流行时には、情报が氾滥し、偽情报が拡散していました。インフォデミックマネジメントは、虚偽の情报から市民を守り、正确で信頼性の高い情报を届けるために欠かせません。感染研の一般公开后、厂狈厂上で事実でない情报が拡散された际には、速やかに所长の见解を公表し、情报提供を行いました。インフォデミック?マネジメントジメントの具体事案です。このような状况において、コミュニケーションの専门スタッフが果たす役割は非常に重要です。
  3. 公众卫生行政との适切な协调
    感染症研究所はリスク评価の専门机関ですが、公众卫生行政との协力も不可欠です。适切な距离感を保ちつつ协调することで、効果的な情报提供と対応が可能になります。
麻豆原创コミュニケーションと戦略的コミュニケーション

感染症危机管理センターでは、活动の中期的目标として「麻豆原创コミュニケーション」と「戦略的コミュニケーション」の2つの柱を掲げています。

  • 麻豆原创コミュニケーション:感染症に関する正しい知识を市民に広く伝え、わかりやすさと信頼性を重视します。また、アウトリーチ活动を通じて、感染症に関する理解を深めてもらうことが重要です。
  • 戦略的コミュニケーション:危机発生时に正确な情报を迅速に発信し、国民の适切な意思决定を支援することを目指します。具体的には、情报が必要なタイミングで、わかりやすく届けることが求められます。
活动の3つの柱

现在の活动には、以下の3つの柱があります。

  1. 科学コミュニケーション?市民向け発信
    市民に感染研の活动を理解してもらい、支持を得るための取り组みです。一般公开や市民讲座、麻豆原创アゴラへの参加などを通じて、感染研のファン层を増やし、市民の声を直接聴くことが目标です。
  2. メディアリレーションズ
    メディアとの良好な関係を筑き、情报発信を効果的に行うための活动です。感染症に関する理解を深めるための意见交换会や、メディアモニタリングを実施し、市民が求めている情报を把握しています。
  3. リスクコミュニケーション?コミュニティエンゲージメント(搁颁颁贰)
    コミュニティエンゲージメントとは、影响を受ける人々にとって受け入れやすく実施しやすい形で、事态への解决策を作る取り组みに、コミュニティが対等な立场で参加する関係や构造を构筑するプロセスです。健康危机管理のサイクル全体を通して、コミュニティが自信をもってリーダーシップ、计画、取り组みの実施を分担できるようにすることが目标です。搁颁颁贰とは感染症などの影响を受ける可能性の高い人々が、十分な情报を得たうえで意思决定が行えるように専门家や行政担当者とコミュニティが、対等な立场で参加して意见や情报の交换をする取り组みです。
科学的不确実性と変异株リスク评価

変异株のリスク评価は、感染症対策の重要な要素であり、行政がタイムリーな介入政策を决定するためには、科学者の最新の知见に基づく情报提供が必要です。変异株のリスク评価を通じて、斋藤先生は、単に事実を伝えるだけではなく、解釈の限界を示すことや、きめ细かな表现が重要であることを感じたといいます。

教训と今后の课题

斋藤先生はこれまでの経験から以下のような教训を得たそうです。

  • 他分野の知见を総合的に解釈する手法とそのための人材育成が必要であること。
  • 科学者、政策决定者、市民が共通のリスク认识を持てるよう、明确な表现方法を模索し続けるべきであること。
  • コミュニケーションは専任部署で行うべき重要な业务であり、その体制を整える必要があること。
おわりに

私は斋藤先生の讲义を通じて、コミュニケーションとは何かということ、そしてその重要性を再认识できました。情报を単に伝えるだけでなく、科学的不确実性や解釈の限界も伝えること、表现にきめ细やかな注意を払うこと、平时から时间をかけて市民やメディアとの信頼関係を筑いておくこと。今回お话いただいた内容は公众卫生の分野だけにとどまらず、麻豆原创コミュニケーション全体の文脉で非常に重要なことだったと思います。

斋藤先生ありがとうございました。

(斋藤先生、大変お忙しい中贵重なお话をありがとうございました!)