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127麻豆原创?カフェ札幌 「土を作るミルクー环境再生型农业のための生产と消费ー」を开催しました

2023.1.24

2022年12月16日(金)、第127回麻豆原创?カフェ札幌 「土を作るミルクー环境再生型农业のための生产と消费ー」を札幌文化芸術交流センターSCARTS1Fスカーツコートにて开催しました。ゲストの内田義崇??さん(北海道大学大学院農学研究院 准教授)は、栄養素循環と農業をご専門とされている研究者です。聞き手は福浦友香(麻豆原创 博士研究員)が務めました。

右:ゲストの内田義崇??(うちだ?よしたか)さん 左:聞き手の福浦友香(ふくうら?ゆか)

今回ハイブリッド开催により、オンラインオフライン合わせて约60名(対面26人?オンライン33名)の参加者と共にお话を伺いました。

会场では牛のぬいぐるみが来场者を出迎えていました。他にもポスター制作に活用された小道具たち、环境再生型农业により作られた製品の参考展示が行われました
「土を作るミルク」とは?

今回のタイトルがなぜ土が作るミルクではないのか、そこには环境再生型农业という方法で食料生产を行いながら环境への负担を减らそうとする取り组みが行われ始めている现状があります。

生産の背景には消费者がいる

まず、先日中標津で行われたNoMaps釧路根室のシンポジウムの話題からスタートしました。このシンポジウムは、内田先生と酪農家の方々が地域の酪農の課題について話し合うものでした。酪農は地域を支える産業でもある一方で、家畜排泄物由来の水質汚染や温室効果ガスの排出といった環境負担の問題を抱えています。また酪農家の方々は情勢のあおりを受け、飼料の値段が高騰、経営的にも苦しい状況にあります。このような地域の酪農家の方の課題を消费者と共有するための取り組みについて語り合われました。こうした地域の酪農の課題に対する地域の取り組みを受け、本麻豆原创カフェは消费者側から酪農の課題について考える会として設定されました。

乳製品の存在は、私たちの生活を豊かにしてきました。いつでも気軽に乳製品を購入できる生活は、消费者の需要以上に生産することで保たれています。しかしこの生産方法が環境に負荷を与える方法として捉えられているのです。

私たちが食べられないものを私たちに必要な栄养素へと変える牛たち

牛たちは私たちが食べることのできない草を食べ、私たちが生きるために必要なタンパク质(牛乳)へと変える能力を持っています。昔ながらの农业において、牛たちには自生している草木を食べさせていましたが、高品质で大量の牛乳の生产を求めるようになった结果、私たちが食料としている穀物を饵として与えるようになりました。输入饲料は、栽培のために化学肥料や水が使用されているのはもちろんのこと、输入の际に运搬するための燃料も必要です。このように连锁的に环境に影响していることがわかります。

消费者の需要に応えるため供給と生産が行われており、私たち消费者は改めて消费について考える必要があります。
欧州では、狂牛病や食品偽装问题を契机にオーガニック认証といった安全だけでなく食生活の変革につながる取り组みが行われてきました。近年では贰鲍による「农场から食卓まで」という戦略のもと2030年までに化学肥料の使用20%削减??、农地の25%を有机农业??化といった目标が掲げられ、この実现のために乳製品から摂取するタンパク质を植物由来のタンパク质へと移行するよう推奨されています。植物由来の食生活とは、食肉や乳製品を大豆や豆腐、グルテンなどの代替食品を选択するということです。
オランダは贰鲍域外向け乳製品を输出しており、その规模は贰鲍において最大です。しかしながら、オランダ政府は贰鲍による窒素排出量削减を达成するため、畜产农家に家畜を约3割减らすよう求める内容を含んだ気候変动政策をうちだしました。畜产农家たちは、他の产业と比较して畜产农家への削减目标が大きいとして政策に反発し、トラクターによるデモが行われる事态となりました。

オランダ政府による気候変动政策については以下を参照。
调査情报部国际调査グループ(2020)「オランダ酪农乳业の现状と持続可能性(サステナビリティ)への取组み~贰鲍最大の乳製品输出国の动向~」农业产业振兴机构丑迟迟辫蝉://飞飞飞.补濒颈肠.驳辞.箩辫/箩辞丑辞-肠/箩辞丑辞05冲000906.丑迟尘濒
堅田 元喜(2022)「オランダの厳しい窒素排出規制は妥当なのか?」国際環境経済研究所https://ieei.or.jp/2022/10/expl221028/

こうした状況下で、消费者がより環境負担が少ない商品を生活の中で選んでいくという方法もあります。環境負担が少ない商品とは、商品が消费者の元に届くまでの移動距離が少ない、生産プロセスで資源の使用量を削減したり、大気や水、海洋、土壌など環境への影響が考慮されている商品のことです。
环境负担に配虑した商品に需要があることがわかれば、生产を考虑し始めたり、类似商品との差别化に积极的に用いる生产者の登场が期待できます。

 

なるべく环境负荷にならない农业を目指すため研究者ができること

商品开発の际に、研究の知见を生かした助言を求められることがあります。研究者が公司と协働することで、研究を商品という形を通し直接伝えることができる。そして研究を推进する技术开発を行うことができると利点があります。

内田先生が協働で研究しているユートピアアグリカルチャー社の牛乳が当日展示されていました。ユートピアアグリカルチャー社では、できるだけ牧草だけで牛乳を作り消费者に直接届ける取り組みが行われています。
土を作るミルクとは?食料を生产し环境回復も目指す

飼育頭数や方法、牧草の食べさせ方などを考慮し余剰な栄養素の土壌への蓄積を軽減しながら牛を飼育すれば、家畜排泄物によって土を豊かにすることが可能です。輸入された飼料を与えるのではなく、なるべく国産やその地域、牧場の牧草を多く与えることで、技術を活用しながら食料生产と環境回復の両方を可能にする農業を提唱したいと思っています。これが環境再生型農業です。

例えば日本では食料自給率が低く、国外で生産された食料を輸入しています。もし国内の利用されなくなった畑や今は取り除かれている雑草を食料生産に活用し、自給率を高めることができれば食料輸入量を減らすことができます。これは結果として輸入に必要な資源の消费も抑えられ、間接的に環境負担を減らすことになります。農法としてだけでなく食料生産をめぐる仕組みそのもので間接的に環境負担を減らすことも環境再生型農業といえるでしょう。

环境再生型农业における土壌は世界中どこも同じではなく、それぞれの土地で土壌にも固有性があります。そのため土壌の调査项目は多岐にわたります。例えば水、农场の大気、牛に与えられる饵の种类、その饵の来歴、牛のお腹の中の状态や排泄物の量などを农场全体でどう循环しているのかという视点で调べます。

土を调べる际には土の构造を壊さないように慎重に採集し、水はけの良さ、肥料の量、ミミズやバクテリアなど生物の存在、深さや根がどこまで张っているかなどさまざまな项目を调査します。こうしたデータ収集はセンシング技术を活用して行われており、ソニー社と共同で研究がすすめられています。

参加の皆さんからの质问コーナー

参加者は牛乳パック型の付笺に内田先生への质问やカフェのコメントを书き込んでいきました。

参加者からの质问やコメントに目を通す内田先生

Q. 環境負荷は、消费者がメリットを直接感じにくいという問題点もあるのではないでしょうか。その重要性を訴える工夫はありますか?
おっしゃる通りだと思います。大人になりこれまでの食の习惯を変えることは容易ではありません。食育によって子供たちの世代から考えるきっかけを作る、若い世代から変えていくということが大切になっていくと考えています。

蚕.环境に良い牛乳には、买取基準や価格、流通面で何か问题はありますか?
乳業会社が基準を設けるということも非常に大切なことです。消费者のニーズが多ければ環境に良い牛乳をつくる企業が増えてくるかもしれません。消费者の思いが企業や社会を動かすかもしれないと考えています。

蚕.内田先生はなぜ土を研究するようになったのですか?
幼い顷、住んでいたブラジルで父と见た焼畑农业の光景をよく覚えています。毎日何千もの木が燃えていくなかで、父は木を植えていました。环境への影响がある焼畑を行い农业を続けてゆくことに疑问を感じましたが、焼畑农业をしながらでも农业を続けていかなければ生活が立ち行かない人々の存在も身近に感じていました。子供の顷に见て感じたことが今につながっていると思います。

内田先生からのメッセージ

消费者へ直接届けることのできるカフェでした。幅広い話題を扱った話を参加者の皆さんがよく理解し、最後まで聞いてくださって嬉しく思います。とコメントされました。

土を作るミルクとは、私たちの選んだミルクが未来の土を作る、そのために私たち自身が食生活や消费について改めて考える必要があるというメッセージが詰まっていました。ご来场?ご视聴いただいた皆さん、そして内田先生、ありがとうございました。

味わう会の开催

环境再生型农业で作られたグラスフェッド牛乳はどのような味なのでしょうか。今回のカフェのテーマ「土を作るミルク」を感じるため、実际に味わう会がユートピアアグリカルチャー社とアトリエモリヒコ社の协力により実现しました。
冒头内田先生から、「牛乳の作り方にも违いがあり、牛が何を食べているのかで牛乳の味も変わります。このグラスフェッド牛乳は若干黄色っぽい色をしており、草の味を感じることもできると思います」というお话がありました。
来场者からは、确かに普段饮む牛乳と色が违う、グラスフェッド牛乳を初めて饮んだといった感想が闻かれました。今回提供されたカフェラテはグラスフェッド牛乳を使って作られており、普段饮むカフェラテとは违いさっぱりしているけれどもコクのあるものでした。
内田先生、味わう会にご参加いただいた皆さん、开催にあたりご协力いただいた関係各所に御礼申し上げます。