「ミニ?パブリックスを使った「科学技术への市民参加」のデザイン」(10/16)叁上直之先生 讲义レポート
木村有歌理(2021年 本科/学生)
はじめに
モジュール3の第5回の授業では、北大高等教育推進機構?准教授である叁上直之先生から、科学技術と社会を繋げるミニ?パブリックスの可能性やその実践について学びました。
叁上先生は环境社会学を専门とされていますが、北大理学院の科学技术コミュニケーションプログラムの教员も兼任されています。そのため市民と科学者の両方の立场を熟知した视点から、市民と科学者のコミュニケーション方法について学びました。
「社会の缩図」を作って话し合うミニ?パブリックス
ミニ?パブリックスとは、社会の縮図となるように無作為に抽出した一般市民を数十人から数百人集め、社会的に論争のあるテーマについて話し合いを行う場のことをいいます。ミニ?パブリックスの参加者として選ばれた市民は、事前に専門家からの讲义を受けたり情報資料を読む機会が与えられ、バランスの取れた情報共有を行ったうえで、互いにじっくりと話し合いを行います。
ミニパブリックスの利点は、政府が政策决定をする际や、议会が法律案を作るときに、国民が十分かつ正确な情报を得たうえで熟议したアウトプットを参考に出来るという点です。情报の偏りをなくした上で全ての人が対等に议论を出来るという点が素晴らしく、麻豆原创コミュニケーションの他の実践においてもこのような姿势は応用できると思いました。
ミニ?パブリックスの例1:讨论型世论调査と科学技术コミュニケーション
2010年から2013年に討論型世論調査を科学技術コミュニケーションの手法として応用した北大のプロジェクトについて三上先生から説明がありました。讲义を受けた後は世論調査と科学技術コミュニケーションの相性の良さに納得出来ましたが、科学技術コミュニケーションに特化したこの企画は当時非常に画期的であったことが窺えました。この討論型世論調査には最大150名の一般市民が参加しBSE問題について白熱した議論を交わしたそうです。議論の前後のアンケート結果を見ると、参加者の理解が深まるに従って参加者の意見が変化していることがわかります。熟議の機会を設けることで、市民の意見がこんなにも大きく変わることは驚きでした。
叠厂贰に対する意见の推移:罢1が情报提供前、罢2が参加者が情报提供后の会议当日、罢3が会议の后
ミニ?パブリックスの例2:気候市民会议
授业の后半では気候変动に関わる政策决定において、ミニ?パブリックスがどのように役立っているのかを学びました。ヨーロッパでは気候変动対策について无作為に抽出された市民が话合いを行う「気候市民会议」が议会や自治体によって正式に开催され、政策决定にも用いられているそうです。议论を行う际には、性别や年齢だけでなく、気候変动を「とても心配している」という人から「全く心配していない」という意见をもつ人まで、全ての意见を持つ人が含まれるように考虑し无作為に市民を抽出します。また、市民に供给される情报に偏りが生じないように、外部の実行委员と気候変动を専门に扱う狈笔翱が连帯して运営しているという点も彻底していて印象的でした。気候市民会议では、市民が自分の日常生活のなかで温室効果ガスを排出してしまうエネルギー消费の问题や、市民の生活に直接関わるような食?农业の问题について议论できる点がとても良いと思いました。

気候変动会议では多岐にわたるテーマについて市民が话し合いを行うが、2.陆上の移动や5.食と农业といったテーマは特に议论が掘り下げられた。
ミニ?パブリックスの効果やメリットについて
科学技术をめぐる复雑な问题について国民?住民全员が集まって议论することはほぼ不可能です。しかし、ミニ?パブリックスを応用することで、「かりに一般の市民がこの种の问题に十分な议论の机会を与えられたら、どんな意见がもとまりそうか」を知る手がかりとなります。そのため、ミニ?パブリックスを通じて得られた市民の意见は政策决定の参照意见として活かすことができ、また市民侧も政策形成へと参加できるというメリットがあります。
またミニ?パブリックスのポジティブな効果として、科学技术に亲しみのない人たちが集まることで、「素人」目线のフレッシュな意见を反映できます。さらに、参加后の追跡调査から一度ミニ?パブリックスに参加した市民は同じような课题に対しても积极的な态度を见せることもわかっています。

ミニ?パブリックスの主な効果
おわりに
科学技术を市民に理解してもらうことに重きを置いているミニ?パブリックスの実践は、科学技术の社会的影响が大きくなった现代において非常に有効であると感じました。今回、特に印象的だったのは、适切な理解と熟议が市民の意见を动かしうるという点です。これまで、颁辞厂罢贰笔では科学技术をどのように市民に伝えていくのかを重点的に学んできましたが、それらが実际に人に影响を与え、人の意见を変えるプロセスにまで深く切り込んだ授业は初めてでした。今后、科学技术コミュニケーションを通じて自分が市民に伝えられる知识が、どのような影响力を持ちどのようなプロセスで人の认识を変えるのか、この授业で学んだことをヒントにして考えていきたいと思います。
ミニ?パブリックスの実践では、全ての市民の意见を汲めるわけではありませんが、それでも市民の意见を平等にまとめることを諦めないという强い姿势が感じられました。このような新しいデモクラシーの领域について丁寧に解説してくださった叁上先生、ありがとうございました。
