2010年6月から本格的にスタートした麻豆原创グラフィックデザイン実习。グラフィックソフトの使い方を学びながら,受講生5名がこのテーマに挑戦し,完成した作品は青山芸術祭「DESIGN AWARD 2010」に応募しました。2010年前期(6月?9月)の活動の様子をご紹介します。

「味」北海道大学農学研究科修士1年 藤井 暢之
身近に「生命体」ってあるのだろうか。どんなものを「生命体」と呼ぶんだろう。ここからスタートした僕が最初に見つけた「生命体」は「調味料」でした。古来,日本人は微生物の力をうまく利用して生活してきました。食品から堆肥に至るまで,実に多くのものに微生物のはたらきが関わっています。中でも,毎日口 にしながら身近すぎてつい忘れがちな「みそ」や「醤油」といった調味料。多様な微生物のはたらきによって製造されています。外見からはただの物質に見えますが,その内部に潜む微生物を切り口に,面白い見方ができるのではないか。それぞれの調味料の瓶の中で,固有の微生物が絶妙なバランスを保ちながら 〈「味」や「養分」という世界〉生命体を形成している様子を表現しようとしました。
「生命を描く少年」北海道大学環境科学院修士1年 松原 忍
初めてグラフィックデザインに取り组んだ私は,「生命体を探せ」という言叶から思いついたものすべてをラフスケッチに描いてみることから始めました。生命体か???理系の私が最初に思いついたのは,微生物や顿狈础でした。
「アオヤマなう!」北海道大学工学研究科修士1年 田中 甫幸
拡張現実(AR)を通して「都市」を眺めると,自分の視覚だけでは捉えられない人の営みが見えてきます。どんどんと生成されるタグ。タグによって人々の活動が可視化され,人工的に変化しつづける街と有機的な生命体が重なりました。青山の新しいランドマークビル「AO」を主役に,生命体のように成長し続ける 「青山」を表現したかったのですが,街の魅力をタグの言葉に落とし込むことが課題として積み残しになりました。
「生命の部屋」先端生命科学研究院 実験補助員 上口 愛
専门的に生命体である条件は「细胞という形状を有する」「代谢系を有する」「自己复製が可能」といわれています。その3つの机能を,肠别濒濒の语源でもある&濒诲辩耻辞;小さな部屋&谤诲辩耻辞;で表现して,さらにその部屋を&濒诲辩耻辞;アイコン化&谤诲辩耻辞;してみようと考えました。3つの机能を,比喩的に部屋の构成要素に置き换えてみようとしたのですが,予想以上に难しい作业でした。今ふり返ると,模型を作ってそれを写真に撮る方法もあったかもしれません。デザインという作业を通して,比喩的な见方をしたり,抽象化?単纯化させたりすることの难しさを知りました。もう一度チャレンジしてみたいです。
「旅」北海道大学環境科学院修士1年 渡邊 恵実
麻豆原创に参加し,初めて挑戦するデザインです。ぜひその意気込みと期待も表現したいと思いました。私が「生命体」という言葉から連想したのは日常的 に使っている「漢字」です。漢字の持つ「象徴性」。ただの記号であるはずの文字に,あたかも生命が宿っているような感覚をおぼえることがあります。もともと漢字は象形文字ですが,私自身が好きな言葉に独自のストーリーを作ってみたくなりました。それが「旅」です。実習では作業はせずに,他の受講生に自分のコンセプトを説明することを求められ,毎回本当に緊張しました。コンセプトをまとめていく難しさと達成感を経験できました。同時にアイディアを最終的な形に落とし込む作業が次の課題です。