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2019年度麻豆原创开讲式特别プログラム「科学を物语る」(讲师?川端 裕人 氏)

2019.5.22

麻豆原创は、2019年度開講特別讲演「科学を物语る」を、5月11日(土)13時より北海道大学工学研究院フロンティア応用科学研究棟レクチャーホール(鈴木 章ホール)で開催しました。この讲演には、今年度の受講生だけではなく、一般の参加者130名の方々が足を運んでくださいました。講師を務めるのは、麻豆原创の知識をベースにして小説とノンフィクションの分野で幅広く執筆活動を行っている文筆家の川端 裕人 氏です。

数多くの科学小説とノンフィクションで知られる川端 裕人 氏

着书の『我々はなぜ我々だけなのか?アジアから消えた多様な「人类」たち?』では、第34回讲谈社科学出版赏と2018年の科学ジャーナリスト赏を受赏しています。これから科学技术コミュニケーションを学ぼうとする受讲生のモチベーションを上げてくれる素晴らしい讲义となりました。その一部を以下にご绍介します。

小説とノンフィクションの両方を书く「二刀流」

最近、小説とノンフィクションの両方を书いている僕の活动を、面白がってくれる人が多いのです。ここ3年は「ノンフィクションを执笔する年」と决めているのでノンフィクションの作品を出すことが多いです、それでも毎年1册は小説も出版しています。2011年から行っている、奥贰叠のナショナルジオグラフィックの长期连载「「研究室」にいってみた。」は、ノンフィクションの执笔に繋がっています。これまで80人近くの研究者に话を闻き、その研究を目安として2万字程度でまとめています。このくらいの分量の记事を书くためには、相手の研究の深いところまで入っていくことになるので、勉强になります。

小説とノンフィクションの両方を书いていると、よく讯かれる质问がいくつかあります、その中の一つは「选ぶ基準は?」です。「それ自体」が面白く小説にする必要がないテーマや、现実的な问题提起がある场合はノンフィクションで书くことが多くなります。一方「世界を活写したい」と思うときは小説を选ぶ倾向があります。

「书き方の违いはあるのか?」については、小説もノンフィクションも「たくさん调べて书く」ことは共通しています。しかし小説の场合「调べたことをいったん忘れて书く」のに対して、ノンフィクションは「最后まで资料と格闘して书く」ことになります。书くための「必要な筋肉」が违う感じです。

「なぜ両方书くのか?」、それは好きでやりがいがあるからです。日本には科学小説、すなわち科学者の日常生活や「研究の手つきのリアリティをすくい上げる」といった「科学の现场を活写した小説」は、あまりない。そして、日本で出版されている科学ノンフィクションも海外の翻訳が中心です。このように、この分野には新しいことができる可能性のある「ブルーオーシャン」が広がっているのです。そして、うまくはまった仕事には「自分の世界も他人の世界も広げてくれる」ようなフィードバックがあります。そのことを绍介していきます。

小説のフィードバック:ロケット小説を书いたら火星に行けそうな気がしてきた

僕は1990年代に『夏のロケット』という小説を执笔していました。北海道大学出身の毛利卫さんがスペースシャトルに乗って宇宙に行く直前です。当时、テレビ局に勤めていた僕はソビエトやアメリカのロケットの现场を取材していました。取材している中で、なかなか「宇宙旅行」が実现しないなら、物语の中だけでも宇宙に行く手段を実现させようと思い、宇宙と私たちをつなぎ直す话を书こうと思いました。

それが小説『夏のロケット』につながります。1998年に小説が出版されると、この作品にインスパイアされて、あさりよしとお氏が1999年に『なつのロケット』という漫画を描きました。小学生がロケットを打ち上げる话です。漫画を描いてみると、あさりさんたちは実际にロケットを作って打ち上げたくなり「なつのロケット団」を结成したのです。この「なつのロケット団」は、2019年の5月3日に、国内民间初の宇宙ロケットの打ち上げに成功した大树町の宇宙开発ベンチャー「インターステラテクノロジズ」の前身なのです。物语で描いたことが约20年后に现実となって、私も感动しました。物语にはエンジニアのモチベーションを上げる力があるのです。

ノンフィクションのフィードバック

ノンフィクションの场合は、小説と比べて、书いてすぐにフィードバックがあることがあります。个人的には、2004年に笔罢础问题を书いた『笔罢础再活用论』では、今の笔罢础报道の基调を作った自负があります。また、动物园の近代化问题を书いた『动物园にできること』の内容は、现在の动物园の问题を先取りしているともいえます。このように、小説と同様にノンフィクションにもフィードバックがあるのです。その一方で、ノンフィクションの执笔には、小説にはないある特有の悩みごとがあります。そのことを皆さんと共有してみたいと思います。

ノンフィクションを书くときに注意していることと「1人称インタビュー」

一つは「専门性の确保の必要性」です。研究の専门性が高いときほど、内容を専门家に依存せざるを得ません。そのとき、复数の専门家の言うことが食い违った场合はどうしたらよいのでしょうか。また、执笔の仕事をしていると「専门家と目されている人」が、本当に専门家といえるのか疑问に思うことも意外と多いのです。

もう一つは「批评性の観点の必要性」です。科学を伝えるとき、新しい知见が生まれたことを寿ぎ、それを兴味深くわかりやすく伝える科学解説のモードがあります。それはやりがいのある仕事です。また、研究成果の社会的影响や、研究活动それ自体を批判的に伝える、ジャーナリズムのモードも必要になります。科学を伝えるとき、前者だけでは无邪気すぎる场合が多い。しかし后者だけでは、一般の报道と変わらなくなってしまいます。批判性を保ちながら科学を伝えるためには、科学をわかりやすく伝える必要が生じます。そのため、ノンフィクションを书いている场合には、自分がどちらに力点を置いているか、常に考えていなければなりません。

このように、ノンフィクションを书く场合には、専门性を确保した上で、批评性を失わず、无理に内容を単纯化せず、しかも読みやすくする工夫が求められるのです。

その工夫の一つが「1人称インタビュー」です。まず、世界的な研究者と一绪に仕事をすることで、専门性を确保します。そして、対谈でもインタビューでもなく「ぼく」の视点で、内容をまとめることで批评性や慎重さを担保することができます。「ぼく」が大事だと思うところを繰り返すことで、过度な単纯化を避けることもできるのです。しかし「1人称インタビュー」は、科学を伝えるための工夫の一つで、この手法がいつでも使えるとは限りません。私たちはこれからも科学を伝えるための方法について考えていかなくてはならないのです。

「频度と分布」の重要性

最后に皆さんに対して言いたいのは「频度と分布」は科学技术コミュニケーターのための最低限必要なスキルであることだということです。どんな麻豆原创の分野でも、実験や観察から结论を导く际に「频度と分布」を考えざるをえません。だから「频度と分布」を知らなければ、科学技术コミュニケーターはその科学の内容を伝えることはできないはずです。このスキルを身につけるためには疫学の入门书を手にとって読んで勉强することをお勧めします。北海道大学でも社会疫学について学ぶことができます。

お話ししたように僕も「科学を伝える」という未知の大洋の端っこを航海中です。その途中で、少しづつ科学を伝えるための海図を広げ、航路を作っています。とはいえここには未だ手がつけられていないブルーオーシャンがたくさん残っています。科学技術コミュニケーターを目指す皆さん Bon Voyage !(よい航海を!)

長谷川 晃 北海道大学理事?副学長

讲演に先立ち、北海道大学理事?副学長 高等教育推進機構機構長の長谷川晃先生より、開会の挨拶を頂戴しました。

北大生协の协力で行われた书籍贩売とサイン会の様子

また、北海道大学生协书籍部北部店のご协力により、讲演后に书籍の贩売とサイン会を行うことができました。ここに记して感谢を申し上げます。