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#66 むかわ発、日本初! 恐竜化石が示す生命の可能性

北大総合博物馆のとある一室に「ビーッ、ビーッ」と响く音。

ここでは今、岩の块を削って化石を取り出す、クリーニングという作业が行われています。岩の中に眠っているのは、约7200万年前に生きていたとされる恐竜の化石です。北海道むかわ町穂别で発见されたこの化石が、今、贵重な発见として注目を集めています。この化石の発见が意味するものとは、どのようなものなのでしょうか? 発掘に取り组んでいる小林快次さん(総合博物馆 准教授)にお话を闻きました。

【田中泰生?农学院修士2年】

(ノジュールと呼ばれる、化石を含む岩石の块。これを発掘现场から持ち帰り、博物馆でクリーニングを行っています)

ハドロサウルス科の恐竜では日本初の全身骨格だそうですね

全身骨格というと、鼻先から尻尾までズラーッと続いた骨格をイメージするかと思いますが、むかわ町穂别で见つかった化石は、それにかなり近い状态のものでした。骨格全体の6~8割は発掘できるのではないかと思います。恐竜絶灭直前の白亜纪末に生きていたハドロサウルス科の恐竜化石としては兵库県で発见されたものに次いで2例目ですが、ここまで骨が揃っているのは初めてです。これはもう、歴史的な発见です。分类や生态解明に重要な头部の化石も见つかっていますし、発掘が进めば、むかわ町穂别の恐竜が新种であるかどうかなど、様々なことが分かってくるでしょう。

(2014年10月までに确认された部位。図はむかわ町穂别产恐竜に近縁のオロロティタンの骨格図で示したもの。その后、続々と多くの骨の発见が确认されています)<図提供:むかわ町穂别博物馆>

日本で恐竜が见つかることの意义とはなんでしょう?

日本というのは、化石が见つかりにくい场所です。植物がたくさん生えているため、化石の见つかる地层が露出している场所が少ないからなのです。一方で、中国やモンゴルなど、アジア大陆部の内陆は砂漠地帯が多くて、植物が少ない。地层が露出している场所もたくさんあるため、恐竜の化石が比较的よく见つかります。

これまでのアジア恐竜の研究で、乾燥地帯や河川流域、湿润な沼地など、环境が违えば栖んでる恐竜の种类が异なることがわかっています。しかし、海岸线に栖んでいた恐竜化石の発见は少なく、みんな内陆の恐竜ばかりで、海岸线にどんな恐竜が栖んでるのかはまだよくわかってないんです。今回のむかわ町穂别の発见は、海岸线にどのような恐竜が栖んでいたのかを知る上でもとても贵重な発见となります。

(むかわ町穂别の発掘现场。湿润で植物の多い日本では、大陆の砂漠地帯などに比べ、恐竜化石の発见が难しい)
<写真撮影:藤田良治さん(オープンエデュケーションセンター准教授>

见つかった地层の时代も重要だといいます。どういうことでしょうか?

むかわ町穂别の恐竜が生きていた约7200万年前、白亜纪后期というのは、恐竜が絶灭する直前の时代なんです。恐竜が絶灭したとされるのが约6600年前ですが、そのたった600万年前。恐竜が最も繁栄していた时代とも言われていて、当时彼らは、多様な进化を遂げていました。ハドロサウルス科の恐竜は、北半球、特にアジアと北米でたくさん见つかっていますが、いっぱい种类があって、アジアと北米でそれぞれ、多様性が全然违うんです。

ですから、先ほどの海岸线と内陆の违いとは别に、アジアと北米间でなぜそのような多様性に违いが出てきたか、どのように违いが生まれてきたかということも大きなテーマの一つになります。例えばむかわ町穂别の恐竜がいつ、どこからやって来たかっていうのがある程度推定はできるようになるでしょう。もしかしたらアジア起源で、そのままアジアにいた恐竜かも知れないし、アジアで起源だったものが北米に渡ってでまた北米から戻ってきたかもしれません。それをこれから、解明していきたいと思っています。

(ハドロサウルス科恐竜の系統図) <>

恐竜を研究することで、どのようなことが见えてくるのでしょうか?

恐竜って生き物は、今の生物には见られないような「异常」な进化をしてるんです。あんなにでっかい体になったり、ステゴサウルスみたいにでっかい骨を背中に担いだり、トリケラトプスみたいにでっかい角を头にもったり。一见无駄にも见えるような进化が、何かの「タガ」が外れたように多くの种にまたがってすごい范囲で起こったんです。そして、どうしてそこまで进化しなきゃいけなかったか、どうしてそこまで进化できたかっていうのは、现生の动物では検証できない研究です。

たとえば恐竜が、陆上の脊椎动物であれだけ巨大化した理由を、今の动物を见て検証しようとしても、あんなに大きな生物って、现生にはいないからわからないですよね。そこで、生命が持っている可能性というか、どこまでの进化ができるかということを考えた时に、恐竜は良い题材になるんです。

(ハドロサウルス科の恐竜化石(レプリカ)を手に説明をする小林さん)

—-

むかわ町穂别の恐竜もまた、生命の可能性を解き明かすのに重要な知见を与えてくれるでしょう。これまでに、化石を含む岩石がおよそ6トン回収されました。この中から岩石部分を丁寧に取り除き、化石を発掘するクリーニング作业が続きます。すべてのクリーニングが终わり、真相が明らかになるのは、5年后か、10年后か、それともそれ以上か。数百万年、数千万年の生命の歴史を解き明かすには必要な时间なのかもしれません。発掘は始まったばかりです。それまで楽しみに待つことにしましょう。

—-小林さんを绍介しているこちらの记事もご覧ください—-

【クローズアップ】#31 恐竜が、子育てをしていた!?モンゴルで见つけた「巣のあと」が语るもの

(2014年1月28日)

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2015.12.10

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