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北大祭で飢饿を考える~食の学校in北大:世界では毎日10亿食以上の食料が廃弃されているのに、 なぜ8亿人もの人が飢えに苦しんでいるのか?

北大祭は北大生だけでなく、市民や翱叠/翱骋など多くの人が来场するイベントです。なんと今年の入场者は12万人だったそうです。様々な人が北大を访れる机会だからこそ、今、みんなで考えたい「贫困」と「飢饿」について研究者と语り合う、小さなイベントが开催されました。

夜のパン屋さん★札幌での出会い
夜のパン屋さんという取り组みを知っていますか?夜のパン屋さんでは、町のパン屋さんでパンが売れ残りそうなときに引き取って、夜に贩売しています。そしてホームレス状态の方や生活に困っている方が贩売スタッフとして働き、収入を手にすることができる机会をつくることで、フードロスの解消と贫困支援を両立させる取り组みです。
シェルター付き書店「Seesaw Books」(札幌市北区北18条西4丁目1-7)の軒先を借りて開催

夜のパン屋さん★札幌は、北大の18条门を出てすぐの本屋「」で開催されています。多くの北大生がパンを購入したり、活動を手伝ったりしています。北大祭の実行委員の佐藤珠稀さん(農学部 2年生)もその一人。北大祭を機に、フードロスと飢餓の関係を考えたいと、夜のパン屋さん★札幌を主催する三上敦さんに声をかけました。そこからこの食の学校 in 北大祭の企画が始まりました。

月1回ほど开催されています。详しくはインスタグラム()から

この问题を考えるための话题提供として、アフリカの飢饿と贫困について国际政治学の観点から研究する锅岛孝子さん(メディアコミュニケーション研究院/ 国際食資源学院 教授)と、日本の贫困と隠れた飢饿について研究する佐々木宏さん(教育学院 教授)をゲストに迎え、飢饿の构造から私たちができる第一歩まで考えていきました。

アフリカの飢饿の问题は政治の问题!?

世界では8亿人の人が飢えている、その多くがアフリカの人々です。なぜアフリカには飢饿が多いのか?锅岛さんは政治学の観点からこの问题を考えていきます。

自身のアフリカでの调査体験と共に语る锅岛さん

元々、アフリカは共同体で食料を自给自足する社会でした。そして共同体は中央集権的なヒエラルキーがあるわけではなく、身分制、血縁、ジェンダーが复雑に络み合った分节的社会を形成していました。制度や法律が确立されていない流动的なこの社会は、外圧に弱かったと锅岛さんは语ります。

帝国主义政策によって植民地化されるとアフリカの自给自足システムは崩れてしまいました。その后、アフリカではヨーロッパ市场向けの特定作物を生产する「モノカルチャー経済」が导入されました。コーヒーやピーナッツ、つまり自分たちの日々口にする食べ物以外の作物だけを作ることで、不作の际には一気に飢饉に陥るという脆弱な食料システムが出来上がってしまったのです。

植民地支配から独立しても、アフリカの政治的混乱は収まりませんでした。独立戦争や冷戦期の代理戦争などによる紛争は、農業に必要な労働力、食料を運搬するインフラなど食料生産システム全体を破壊していきました。飢饿を回避しようととられた農業の集団化や強制移住といった戦略も、現場の実情に合わず、人々の労働意欲を削いでいきました。

1990年代には、経済の新自由主义を推し进める滨惭贵?世银による构造调整がアフリカの国内产业に打撃を与えました。その结果、农村は疲弊し、职を失った人々が都市に流入するようになります。さらにこれらの负のループによって问题が复雑に络み合った结果、今なお飢饿が続いている、と锅岛さんは语ります。先进国による土地収夺、化学肥料への依存、気候変动、教育机会の欠如、纷争による子ども兵、インフラ不足、仲介业者による搾取、政府の腐败など、飢饿は政治、歴史、文化が复雑に络み合った复合的な问题なのです。

なぜ先进国で飢饿が生まれるのか?

さて、日本では统计上、极度な贫困ラインの人がほとんどいません。では本当に日本には贫困や飢饿の问题はないのでしょうか。世界银行が定める国际的な「极度の贫困」(最低限の衣食住を満たすお金がない状态)の基準は、1日あたり3ドル未満です。日本円にして约480円、1か月で1万5千円ほど。しかし日本の物価に合わせると、1か月最低7万円ぐらいないと生活ができないと考えられています。

近年の物価高により贫困の状况は深刻になっていると佐々木さんは语ります

さらにこれは衣食住だけの话です。19世纪、イギリスで贫困の研究を先駆けて行ったシーボーム?ラウントリーは、人はパンのみに生きるにあらずという部分を强调しています。私たちの暮らしには、活动のための移动、情报へのアクセス、社会参加、人间関係の维持など衣食住だけではない活动があり、そこには当然お金がかかってきます。人间として暮らすためのお金が足りなくなった时、人は食を切り詰めていきます。人间として暮らすためのお金は决して赘沢ではなく、食と同等に大切な支出なのです。こうした人间らしい生活を満たすために必要なお金は今の日本では月15~20万円くらいだと试算されています。そして人口の约10%?20%(1000万人以上)が、人间らしい生活を送るための経済的资源を持たない水準で生活しているとされています。

佐々木さんは、食の频度を少なくしたり栄养バランスが偏る「欠食」という状态が日本の食の问题にはあると话します。また「欠食」は金銭的な理由からだけではなく、地方の买い物难民や多忙など様々な理由で生まれるそうです。先进国であっても、潜在的な飢饿、相対的な贫困が存在するのです。

私たちが向き合う问题として

话题提供の后はフロアと共にこの问题を考えていきました。例えば、贫困の个别性と「见えにくさ」。「8亿人」「1000万人」といった数字の里には、一人ひとりの异なる事情があります。また一括りに弱者だと见なされたくない、当事者自身が「贫困だと知られたくない」という心理も、问题を「见えにくく」しているのではないかという意见が上がりました。

锅岛さんはアフリカの少女の写真を见せてくれました。もしも彼女にお金をねだられたとき、あなたはお金をあげますか?と锅岛さんは问いかけます。お金をあげてもそのお金は彼女を働かせている大人に搾取されます。一方、お金をあげなければ、彼女はその日は何も食べられず、大人にぶたれるでしょう。これは支援のジレンマです。当座の援助では社会経済の构造は解决しないけれども、その场しのぎのわずかな金额もなければその人が今困ります。佐々木さんは「鱼を与えるか(食料支援)、钓り方を教えるか(自立支援)」という议论は贫困研究ではよく语られるジレンマだといいます。ただ、どちらも必要であり、まずは生存基盘を确保した上で长期的な解决策を考えるべきと语ります。

小さな教室にたくさんの人が集まってくださいました

支援は上から目线でもちぐはぐな支援になってしまいます。当事者の主体性、プライド、そして本当に困っていることは何かということを见极めなければ、自分たちが行ったことが里目に出てしまう。アフリカで様々な农业政策が行われては失败してきた现场を见てきた锅岛さんは、现场の実态を把握しない农业政策の非実现性について指摘します。佐々木さんは支援を押し付けることはできないが待つことはできると语ります。

そのためには、私たちにできることは、微力ながらも関心と想像力を持ち続けることかもしれません。华やかな北大祭の中でこのテーマのイベントに足を运んでくれた来场者は、まず関心があったということ。その関心を持ち続け、贫困问题を「自分ごと」として捉え、他者の状况に兴味と想像力を働かせてみることも大切な一歩です。

ぜひ今日の话を家族や友人と共有してみてください、と锅岛さんは语ります。共感の轮を広げることこそ、この复雑で大きな问题を解决する足掛かりとなるのです。最后に叁上さんから佐々木さんの书籍の一文が绍介されました。贫困の问题はジレンマを伴う问题です。それを见ないふりをするのでもなく、二律背反のどちらかを选択するのでもなく、そのジレンマを引き受けることこそ重要だ、という个所を叁上さんは読み上げました。北大では课题を解决するだけでなく、解决できない问题に踏みとどまって考え続ける研究もあるのです。

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2026.06.18

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