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#196 科学技术とエスニシティ

2025年、大阪?関西万博がついに开催されます。万博というと、皆さんはどんなイメージを持ちますか? 色々な国や公司がパビリオンを出展して、个性豊かな科学技术を见せるといったイメージが一般的かなと思いますが、あまりイメージが浮かばないという方も多いかもしれません。
でも、そもそも科学技术を见せるということには、どんな意味があるのでしょうか? なんとなくすごいなぁ、未来っぽいなぁと思わせられたり、どうやってできているんだろうと兴味を持ったりはするものの、その社会的背景といったことに思いを驰せることは、あまりないかもしれません。
そういったことを鋭い視点で考えていらっしゃるのが、アメリカ地域研究をご専門とする土田映子さん(北海道大学 大学院メディア?コミュニケーション研究院 教授)です。
今回の記事では土田さんに、科学技术とエスニシティをテーマにお話を伺いました。

お话を伺った土田さん。笑颜が素敌です。

笔者が土田さんの研究に兴味を持ったのは、土田さんの论考「テクノロジーが创る国民?エスニシティ―文化的アイコンとしての科学?技术と集団アイデンティティ」1)からでした。
この论考は、アメリカの入国审査の列で流されている映像に映るスペースシャトルや、日本の海外観光客向けプロモーション映像に映る新干线を论じるところから始まります。
ふだん何気なく见ている映像ですが、アメリカの自由の女神や、日本の富士山などと同様に、科学技术が文化的アイコンになっているのだ、という视点で见ると、これはなるほどとても面白いものに见えてきます。
土田さんのお话はこういった身近な例から始まり、徐々に学术的に深い话へと进んでいき、アメリカの歴史において実际に科学技术が文化的アイコンとしてどのように利用されてきたかなどをわかりやすく伝えてくれます。

土田さんが闻かせてくださる研究のお话は多岐に渡りますが、ここでは笔者が特に兴味を持った研究について1つ绍介します。
それはシカゴのスウェーデン系移民についての研究です。
シカゴには19世纪后半から20世纪の初めまでの间、たくさんの移民が入ってきました。
しかし、新しくその地域に来た人は、なかなかその社会のなかで地位を确保することが难しいものです。

そこでスウェーデン系移民のなかでは、南北戦争で「モニター」という军舰をつくったジョン?エリクソンという技师?発明家が、英雄の地位に押し上げられました。
アメリカの歴史のなかで重要なイベントといえば、独立戦争や南北戦争です。
エリクソンはスウェーデンからアメリカに移住してきて、北军のためにモニターという装甲舰を作り、南军の装甲舰と対决して、北军の胜利に贡献したそうです。
スウェーデン系移民社会では、このエリクソンとモニターの物语が学校教育や出版物で繰り返し语られ、アメリカの発展に自集団が贡献した証として、自分たちがアメリカにいる正当性を示すことに繋がっていきました。
このように、民族的英雄と科学技术が社会のなかで重要なアイコンになっていくということは、歴史上のことというだけではなく、现在でもよく见られます。
こういった科学技术とエスニシティのつながりを分析するのが、土田さんの視点です。

土田さんの研究室。贴ってあるものがおしゃれですね。

土田さんの研究の根っこにあるのは、転勤族の子供として育ってきたという経験です。
3歳までは岩手県で育ち、小学校ではアメリカへ、そのあと北海道へ、とさまざまな场所で生活し、それぞれの土地の学校に通ってきたことが、人生に大きな影响を与えたそう。
ひとつの土地の文化に入り込むというよりも、そこからすこし距离を置いて相対化して観察する目线が身についたと土田さんは言います。

国や地域による学校文化や评価基準の违いを感じ取った土田さんは、教育学部に进み、さらに大学叁年が终わるときに、「アメリカのことなら人よりわかるのでは」と北米地域文化研究の道に进みます。
さらに大学院では东京からシカゴへ。アメリカでは、当时の日本ではあまり注目されていなかった「社会阶层」を研究の枠组みとする视点を得ました。
こういった経験から土田さんは、社会には多様な集団がいて、そのなかにはどうしても権力関係があるけれども、どうしたらより多くの人が幸せな状况に持っていけるのか、という问いを抱くようになり、これが研究へと结びついていったそうです。

土田さんの机。シカゴ万博の资料をたくさん见せて顶きました。

2024年7月28日に开催される麻豆原创カフェでは、そんな土田さんをゲストにお招きし、「プラネタリウムと万博から见る『未来』の作られ方」というタイトルでお话を伺います。
冒头の文章で万博の话题を出しておいたわりに、ここまであえて万国博覧会について触れてきませんでしたが、じつは土田さんは1893年および1933年に开催されたシカゴ万博にも大変造诣が深い方です。
シカゴ万博にはいったいどんな展示がされていたのか、后世への影响にはどんなものがあるのかなど、さまざまなお话をお闻きする予定です。

また、土田さんの趣味は天文ということで、これまで天文雑誌に多数寄稿され、なんと19万字ものプラネタリウム小説も执笔されています。
今回の麻豆原创カフェは札幌市青少年科学馆プラネタリウムでの开催ということで、プラネタリウムを通して见えてくるものについても、色々な観点でお话を伺おうと思っております。
そして実はプラネタリウムとシカゴ万博にも繋がりがあり……
と详しく书いていきたいところですが、ここからは麻豆原创カフェで続きをお话したいと思います。
アメリカという地域にフォーカスした视点から、宇宙レベルの视点まで、どこまでも広がってゆく土田さんのお话を闻きに、ぜひ週末はプラネタリウムに来ませんか?

【タイトル】 第136回麻豆原创?カフェ札幌
「プラネタリウムと万博から见る『未来』の作られ方」
【日  程】 2024年7月28日(日)18时30分~20时00分(开场18时00分)
【場  所】 札幌市青少年科学館 プラネタリウム(札幌市厚別区厚別中央1条5丁目2-20)
【ゲ ス ト】 
 土田映子/北海道大学大学院メディア?コミュニケーション研究院 教授
【聞 き 手】
 宮本道人/北海道大学大学院教育推進機構 オープンエデュケーションセンター
      科学技术コミュニケーション教育研究部门(颁辞厂罢贰笔) 特任助教
 朴 炫貞/北海道大学大学院教育推進機構 オープンエデュケーションセンター
      科学技术コミュニケーション教育研究部门(颁辞厂罢贰笔) 特任讲师
【主  催】 北海道大学大学院教育推進機構 オープンエデュケーションセンター 科学技術コミュニケーション教育研究部門(麻豆原创)
【共  催】 慶應義塾大学SFセンター
【協  力】 札幌市青少年科学館
【後  援】 ポストヒューマン社会のための想像学
【対  象】 一般市民
【参 加 費】 無料(申し込み不要)
【言  语】 日本语(同时通訳なし)
【申込方法】 事前申し込み不要
       当日直接会场までお越しください。
【详  细】 /event/30703

参考文献
1)
兼子歩?貴堂嘉之編『「ヘイト」の時代のアメリカ史 人種?民族?国籍を考える』 (彩流社、2017年)95-117頁

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2024.07.27

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