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#117 「景観」から「风景」へ ~地域の人の思いに寄り添う、参加型のまちづくり~(2)

地域の現場に赴き、その土地の景観、そこに暮らす人々の風景をテーマに研究と実践を重ねている上田裕文さん(観光学高等研究センター 准教授)。前编では、美瑛町を事例として、景観と暮らしの関りについて绍介していただきました。后编では、冲縄県の竹富町を事例に、景観とまちづくりの関りを通じて、地域の人の思いをサポートする研究者の役割についてお话しいただきます。

竹富岛の美しい景観、失われてしまった人の営み

美瑛町は生产の场の农地が観光资源で、そこに多くの人が来るからコンフリクトが起きるという话でしたが、次に逆のパターンの事例として、冲縄県の竹富岛という有名な観光地を绍介します。竹富岛は、伝统的建造物群である赤瓦の街并みが有名で、自分たちの住んでいる生活领域が観光地になっている地域です。なので、観光客はみんな、自分たちの住んでいる集落に入ってきます。つまり、农业を主要产业としている美瑛町とは违い、竹富岛の岛民の人たちは全员、完全に観光を主要产业として生きていくことを选択したのです。

みんなが観光に携わる一方で、まちの周りにあった农地などがほとんど利用されなくなり、今では完全にジャングルのような状态になってしまいました。岛の中で人が生活しているのも、観光客が访れたりするのも、ほぼジャングルに囲まれた集落の中だけになってしまったという、逆の极端な例だったりします。

竹富岛は2019年9月から入岛料として、岛を访れる人から协力金という形でお金をいただき、それを岛の景観、特に自然环境の保全を、环境省の地域自然资产法という法律に基づいて整备するという仕组みを导入しました。これまでは集落の中の街并みだけが観光资源だったのですが、もう一度、岛全体をきちんと、魅力的な景観として取り戻そうという动きが始まったのです。生产の営みの部分が観光资源になっている美瑛町とまったく逆で、一度失われてしまった岛の景観を支えてきた営みを、もう一回见直してその一部を復活させようという试みです。

(竹富岛の入岛料を支払う自动贩売机)<写真提供:上田さん>

共通のビジョンに向かって、みんなが関わる风景计画

しかし一度断絶した営みを復活させるのは、すごく困难なことです。そこがいまの竹富町での课题であり、议论の中心になっています。まずみんなで共通のビジョン、目标像を见つけるところからスタートします。それをいかに具体的にするかが难しいところです。将来、町をどのようにしたいかと问われると、みんな无いものねだりで、すごく総花的な美しい未来を描きたくなります。実际に、现実的に将来、自分たちが本当に向かうべき将来像をどこに设定するかというのを、今の现実的な条件の延长と结びつけて考えていくのは、そんなに简単ではありません。

もう一つは、みんなで描いて共有したビジョンを「じゃあ、谁がやる?」「どこからやる?」というところの难しさです。ビジョンについては、いろいろなワークショップなどを重ねて见い出したり共有したりしていくことはできます。それを実现化するために、现実的なロードマップをどう描いていくか。谁が动けるのかというような、人が动ける仕掛けやデザインみたいなところが结构重要だと感じています。结局、私たち研究者がよそから行っても、それをやるのは私たちではなくて、住んでいる方自身です。地域の方々に「それならやってみようかな」と思ってもらえるような材料を用意できるよう、地域のさまざまな情报を调査などで掘り起こしていきます。

(竹富町の美しいまちなみ)<写真提供:上田さん>

地域の人の素直な思いが、まちづくり成功への最大のヒント

地域の人たちと関わるときには、思いを素直に語ってもらうというのが大切です。やっぱり北大の先生が来るとなると、事前に予習とか準備されたりとかして、「正しいこと」を情報提供しなきゃと一所懸命調べておいてくださる方がいらっしゃいます。でもそれは自分の言葉ではなくて、調べて、どこかから持ってきた情報です。「风景」という意味においては、その人がどういう思いを持って関わっているのか、これからどのように関わっていきたいのかなどの、本当にその人が思っていること、感じていることの情報が貴重です。

过去の思い出だったりとか、将来の不安だったりとかというのを语ってもらうことが、実は、みんなの议论をまとめていくうえでも大切だと思います。やはり热い思いがないと、まちづくりって前に进みません。自分の住んでいるところが「こういうふうに良くなってほしいな」とか、「良くしたいな」という思いがないと、结局、人任せになってしまいますよね。なので、一人ひとりの自分の関心あるところ、自分が関われる部分などを、どうつなぎ合わせていけるかというのを、私たちはすごく考えているところはあります。

(ワークショップも、地域の人々の情热を引き出し、形にするプロセス)<写真提供:上田さん>

景観は、まちの人相。毎日チェックしましょう!

景観を维持するとか、景観を整备するとか育てるという部分は、一方では目的、目标であるかもしれません。しかしもう一方で、景観は地域というシステムの结果の现れなので、今のシステムが健全に回っているかということの指标でもあるのです。景観を目的としてだけでなく指标として见るということで、ある意味、情报化の中でいろいろな指标に细分化されて、结局何が正しいのか、何が最适な状态なのかが分からなくなったときに、目に见えるからこそ直観的に分かる适切な状态がきっとあると思うのです。「いま、まちの仕组みがうまく回っているな」という指标として见ることも、景観の捉え方としてあるのではないのかと考えています。

よく授业で「景観は、まちの人相です」と话しています。要は、镜に映った自分の颜を见れば、自分が健康かとか疲れているかとか分かりますよね。いま自分がどういう状态かというのを镜でチェックするということが、実は自分の気づいていない异変に気づくのにも役立ちます。一方で、化粧である程度美しく见せることはできますが、表情などにその人の内面的な美しさや魅力が现れてもきます。そういう意味で、景観は町の人相と一绪だというような话をします。

だからこそ、毎日チェックするということが大切です。ヨーロッパの町には、たいていその地域を见下ろせる展望台が整备されています。それは観光のためだけでなくて、みんなが散歩して、町の様子を常に全体で把握するということができる场所にもなっているのです。自分の状态を镜でチェックするように、自分の町は今、状态が良いのかな、悪いのかなということを确认できる、町の様子がパッと一望して分かるような场所を、空间的に整备するということも、その町への意识、関心を常に持ち続けるために効果的な仕掛けではと考えています。

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今回お话いただいた上田さんの研究も映像で绍介される、地域と研究とのつながりがテーマの麻豆原创?カフェが札幌文化芸术交流センター(厂颁础搁罢厂)で开催される予定です。

※今回、新型コロナウイルスの拡大の影响で延期が决定しました。再开催の日程决まり次第、下记のサイトよりお知らせします。

第111回麻豆原创?カフェ札幌
「みんなで考える持続可能なパートナーシップ ?北海道から3650日後の対話をデザインする」

【日 時】 2月27日(木)18:30-20:30(開場 18:00)
【場 所】 札幌文化芸術交流センター SCARTS Studio1,2
【主 催】 北海道大学麻豆原创
【定 員】 60人?
【奥贰叠】/event/10733

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2020.03.13

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