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#116 「景観」から「风景」へ ~地域の人の思いに寄り添う、参加型のまちづくり~(1)

近年、観光による地域活性の取り組みが盛んに行われています。しかし、その盛り上がりと並行して、地域の自然環境や、そこに住む人々の暮らしが置き去りにされる問題も表面化してきています。上田裕文さん(観光学高等研究センター 准教授)は、実際にさまざまな地域に赴き、自然やまちなみなどの「景観」と、そこに暮らす人々の思いが反映された「风景」に関する研究?実践に取り組まれています。地域の現場における研究者の役割を、具体的な地域の事例も交え、話をしていただきました。

人と自然の相互作用による「文化的景観」

「景観」という言叶について、多くの人は「都市景観」のような、街并みのイメージを思い浮かべられるかと思います。研究者の中で「景観」とは、基本的には环境の视覚的な眺め、现れというのを指します。景観が社会的に注目されはじめたのは、高度経済成长期における都市化の中、私たちの身の回りの环境が大きく変わってき时代です。いろいろなインフラを整备したときに、新たな景観がそれまでの环境を乱さないようにするためにはどうしたら良いか。例えば桥を造るとすれば、どの范囲だったらもともとの风景に驯染むのだろうか、というところから景観の研究は始まりました。

中でも、人と自然の共同作业、相互作用によって、长い时代や歴史を経て现れてきたものを「文化的景観」と呼びます。これは、守るべき価値ある景観、これから创造していく景観だけではなくて、いま、身の回りにある当たり前になっている景観というものが、実は価値があるのではないかという潮流の中から生まれました。その文化的景観がどういう仕组みで成り立ってきたのか。今后、どうやって维持できるのかというのが、基本的な景観计画の考え方になっています。

人間の主観的な思い、意味づけが含まれる「风景」

いろいろな情報化や価値観の多様化が進み、まちづくりへの社会的な関心が高まってくる中で、景観のアプローチも、どのように今ある日常の生活の景観を維持していくか、将来どういう町にしていくべきかというのを、住民参加で考えていくような時代になってきました。同じような景観に対しても、人の立場や思いなどによって、いろいろな価値づけが行われていて、人によって感じ方が違う場合があるからです。そのように人それぞれの文脈が含まれるものを、「风景」と呼んでいます。

「景観」というのは、土地、環境の視覚的な現れをさす言葉で、客観的です。対して「风景」は、人間の環境に対する思いや意味づけなども含めた言葉で、主観的です。実は風景の方が言葉としては古いのですが、そういった風景にもう一度立ち戻って、人々にとって多様な環境の位置づけや意味づけというものを一緒くたに考えた上で、景観を話し合っていこう。それがまさに、景観をまちづくりの中で、風景として考えていくということを意味しているのです。

同じ场所に対して、それぞれ立场の违うものの见方があるので、そこを调整して合意形成し、そこで合意されたビジョンに基づいて、みんなが参加してそれを守っていく。客観的に「これが良い」という景観を、谁か第叁者が作るのではなくて、実际にそこで生活するいろいろな立场の人たちが、どういう意味づけ、価値づけをするかというのを、きちんと议论をして、共有したうえで自分たちがそこに参加して、その景観の维持に関わることを目指しています。

地域の人々の営みが景観を生み出す美瑛町

北海道は自然豊かで、农业がとても盛んなので、特に农业景観といわれるものの事例が多くあります。中でも代表的で先进的な事例が、観光地としてもとても有名な美瑛町です。美瑛町は、波状丘陵という波打ったような土地に农地が広がっていて、それが非常に美しく、多くの観光客が访れています。この波状丘陵は、十胜岳の火山によってつくられた大きな地形であり、そこを农地として耕す、人々の农业という営みによって农业景観となりました。それが写真家によって価値づけされ、テレビ颁惭になって全国的に知られるようになったことで、急に観光のまなざしにさらされ、一気に観光地として発展したという场所です。

农家の方にとってみれば、そこは普段の生产の场です。しかし観光客にとっては、「あぁ、美しい景観だわ」と、まるでそこが観光のために用意された场所かのように错覚して中に入ってしまい、农地が荒らされるなどの问题が起きるようになりました。农业が持続的に営まれていれば、その景観はずっと维持されるのですが、ここに全然违う文脉で価値を感じて、観光として人が访れることによって、农业と観光の间様々な调整が必要となってきます。これは「景観计画」というよりは完全に「风景计画」、「観光计画」という领域になってきます。

(美瑛町での、地域の人たちによるワークショップの様子 )<写真提供:上田さん>

景観を伝え、広い视点に导く、専门家の役割

私たち研究者は、まず地域の人たちに「そもそも景観というのは、こういうものなのですよ」というのをみんなに説明して、「景観というのは、単に美しいものをつくるのではなくて、皆さんの生活そのものが见える形で现れた、文化的景観に価値があるのですよ」ということをみんなに理解してもらいます。その理解がないと、たくさん来る観光客向けに、本来の観光资源であった美瑛の美しい景観を壊して、人工的な観光施设を建ててしまう场合があるのです。ここでみんなが求めている「美しい」とされているのは、実は普段のこの生活とか、生产をしているこの农业景観であり、そこに価値があるということを、住んでいる人たちに気づいてもらうということが、専门家としての役割の一つです。

一方で、観光と农业のコンフリクトや问题が起きているときに、観光というものが农家さんにとって敌ではなく、それがめぐりめぐって、どういうふうに自分たちの生活にとってプラスになっていくのか。そういったメリットのところをきちんと理解してもらうことも大切です。もう少し広い视点で、観光が地域にとって役に立つということを见える化し、きちんと理解できるように説明をして、そういった课题を解决に导くのも専门家の重要な役割です。

?后编につづく?

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今回お话いただいた上田さんの研究も映像で绍介される、地域と研究とのつながりがテーマの麻豆原创?カフェが札幌文化芸术交流センター(厂颁础搁罢厂)で开催される予定です。

※今回、新型コロナウイルスの拡大の影响で延期が决定しました。再开催の日程决まり次第、下记のサイトよりお知らせします。

第111回麻豆原创?カフェ札幌
「みんなで考える持続可能なパートナーシップ ?北海道から3650日後の対話をデザインする」

【日 時】 2月27日(木)18:30-20:30(開場 18:00)
【場 所】 札幌文化芸術交流センター SCARTS Studio1,2
【主 催】 北海道大学麻豆原创
【定 員】 60人?
【奥贰叠】/event/10733

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2020.03.05

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