今年、私たちが向き合ったテーマは「信頼」です。
チームメンバーが「信頼」に抱いた共通のイメージ。その中から、特に身近な「水の安全性」と「情报への信頼」を掛け合わせました。
【メンバー】 砂川 宥人,植野 紗希,梶原 洵子,小玉 昂史,藤井 宏美,山崎 裕子

揺れ动く「信頼」を体験する
私たちは普段、科学的な情报から安全性を判断します。しかし、科学的な基準を満たしてさえいればよいのでしょうか。本当にそれだけで「安全だ」と信頼できるでしょうか。
科学だけでは割り切れない「信頼のモヤモヤ」を参加者に体験してもらうことを目指し、企画が始まりました。
情报が増えると、「信頼」はどう変わる??
「水の安全性」を巡る问题について、记者会见という物语を仕立て、少しずつ情报が増えていく构成を企画しました。様々な情报を一つずつ知ったとき、私たちの「信頼」はどのように変化するでしょうか。
物语の冒头では「饮まざるをえない水」を提示します。
印象的な问题提起となるよう、小道具としてグレーがかった特徴的な色の水を用意しました。
物语の进行とともに、①水の组成、②调査结果のデータ、③リスクの程度、④情报提供者の社会的信頼度、⑤健康被害の実例、の情报を小出しし、その都度、参加者は驰辞耻罢耻产别の投票机能を通じて「この水の安全性を信頼できるか」をリアルタイムで投票します。
情报を小出しにしたのは、新しい情报に触れるたびに、それまでの判断が揺れる过程そのものを体験してもらう狙いです。

直感で捉えてもらうために:フィクションの世界と人形剧
架空の世界観で登场人物はパペット人形にしました。人形の动きや声、物语によって関心を惹きつけ、重くなりすぎることなく、前提知识のないフラットな状态から一つひとつの情报に集中できるよう工夫したいという意図でした。


配信画面をそのまま舞台の枠にして、背景や小道具も身近な材料で作れる人形剧は、限られた制作期间にも适した手法でした。
台本係、小道具係、ポスター係、アンケート係に分かれ、制作に勤しみました。特に人形制作では、情报を受け取る侧(记者役:靴下人形)と発信する侧(议长役:纸コップ人形)で素材を変え、靴下人形はより亲しみやすい姿になるよう、丸いシルエットで温かみを意识しました。
情报によって揺れ动いた「信頼」?
参加者の投票结果は、一方向に変化せず、提示される情报によって上下しました。

投票结果から见えてきたのは、「情报が増えれば信頼度が高まる」「リスクを知るほど信頼が失われる」という単纯な関係ではありません。科学的なデータに加えて、「谁が话しているか」や具体的な経験谈といった要素も、参加者の判断に影响した可能性がありました。また、同じ情报でも、どう受け止めるかは人それぞれです。
客観的な判断材料を提供してくれる科学。しかし人の判断にはそれだけでは割り切れない様々な要素が関わっています。投票结果に表れた「揺れ」そのものが、私たちが参加者に体験してほしかった「信頼のモヤモヤ」だったのではないかと考えています。
そして物语の最后に、さらなるモヤモヤエピローグを付けました。
「どういう意味だったの?」――そんな疑问が参加者にとって「信頼のモヤモヤ」を持ち帰って考えるきっかけになっていたら嬉しいです。
実践を通して见えた课题?
开催后のアンケートでは、揺らぎや自分と他人の违いを感じられたという意见の一方で、物语が进むにつれて「今、どの情报について问われているのか分からなくなった」という声もありました。

架空の世界を舞台とし、复数の情报を段阶的に积み重ねる构成だったからこそ、参加者が情报を整理できるような工夫が必要だったと感じます。登场人物の台词で简洁に振り返ったり、重要な情报を画面上に表示したりすることで、自分の判断が何によって変化したのかをさらに意识してもらえたかもしれません。
この「モヤモヤ」を科学技术コミュニケーションへ
「信頼」は、単纯な「信じる/信じない」では割り切れません。科学的な事実や数値、リスク、情报源への信頼、そして具体的な谁かの経験。异なる情报の间で迷い、自分の判断が揺れる过程をどのように科学技术コミュニケーションとして设计するか。今回の実践では「正しく伝える」ことだけでなく、「人が何を手がかりとして、何を重视して信頼するのか」を可视化し、科学の信頼を取り巻くモヤモヤを経験する机会を提供できたと思います。

本記事は、2026年7月20日(月/祝)に実施した2026年度选科Aオンライン麻豆原创イベント「信頼」の報告記事の1つです。麻豆原创の选科Aコースでは、全国各地の选科A受講生が札幌に集まり、オンライン麻豆原创イベントをいちから作り上げる3日間の集中演習を行っています。受講生は4グループに分かれ、計4つのイベントを実施しました。他の活动报告も順次公開していきます。ぜひご覧ください。