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134麻豆原创?カフェ札幌「医学と工学のあいだで ?医工学の技术で実现する高精度な阳子线治疗?」を开催しました

2025.2.13

2024年2月18日(土)14:00~15:30、第134回麻豆原创?カフェ「医学と工学のあいだで?医工学の技术で実现する高精度な阳子线治疗?」を紀伊國屋書店札幌本店 1F インナーガーデンにて开催しました。阳子线治疗は、高精度な放射線治療技術の一つであり、特にがん治療の分野で注目されています。今回の麻豆原创?カフェでは、阳子线治疗の基本原理から最新の技術までが紹介されました。

 

话し手:
松浦 妙子 (まつうら たえこ)さん/北海道大学大学院 工学研究院 教授 兼 北海道大学病院 阳子线治疗センター 医学物理士/写真右
闻き手:
寺田 一貴(てらだ かずき)/北海道大学 麻豆原创 博士研究員/写真左
(たくさんの方が参加されました)
阳子线治疗とは

「放射线とは何か?」という基本的な话から始まりました。松浦先生は、私たちの身近にある光や电波も电磁波の一种であることを説明し「今、私たちが见ているような赤とか緑とか青とか、こういった目に见える光も电磁波ですし、リモコンで使う赤外线、スマホが送受信している电波も电磁波です」と解説されました。

(波长、または周波数の违いによって、さまざまな呼び方がされている)
(粒子が何であるかによって、呼び方が决まっている)

放射线には电磁波(齿线やガンマ线など)と粒子线(阳子线など)があります。齿线と异なり、阳子线は体内の特定の深さでエネルギーを集中させることが可能なため、がん组织にダメージを与えつつ、周囲の正常组织への影响を最小限に抑えられるという特徴があります。
松浦さんは、この特性を「トラックと荷物」に例えて説明しました。齿线は「1台に1个の荷物を积んだ多数のトラックが确率的に荷物を落としていく」のに対し、阳子线は「たくさんの荷物を积んだトラックが、进む速さに関わらず一定の速度で荷物を落としていき、止まる直前で大量の荷物を落とす」状态に例えられます。止まる直前での急激なエネルギー放出は「ブラッグピーク」と呼ばれ、この特性により阳子线はがん组织の位置に集中的にエネルギーを与え、それより深部にはほとんど影响を与えません。

(トラックに积まれた荷物(エネルギー)の放出)
(齿线:1台に1个の荷物を积んだ多数のトラックが确率的に荷物を落としていく)
(阳子线:たくさんの荷物を积んだトラックが、进む速さに関わらず一定の速度で荷物を落としていき、止まる直前で大量の荷物を落とす)
(ブラッグピーク)
(「ブラッグピーク」は、阳子を打ち出す速さを変えることで调节できる)
阳子线治疗の進化──精度の向上と課題
(动体追跡照射について説明する松浦さん)

阳子线治疗の精度をさらに高めるためには、いくつかの課題を克服する必要があります。その中でも重要なのが「がんの正確な位置を把握すること」です。CTやMRIを用いてがんの位置を特定し、陽子線を的確に照射する技術が求められます。
また、呼吸や消化管の動きによる「がんの移動」も問題となります。松浦さんは、北海道大学で開発が進められている「動体追跡照射技術」を紹介しました。この技术では、がん近くに小さな金のマーカーを埋め込み、リアルタイムでその動きをX線透視で追跡しながら陽子線を照射します。これにより、動くがんにも高精度で陽子線を当てることが可能になります。

(动体追跡照射)
阳子线が当たったかどうかをリアルタイムで确认する试み

現在の阳子线治疗では、「本当に狙った場所に陽子線が照射されたのか」を即座に確認することが難しいという課題があります。従来は、数週間?数ヶ月後のがんの縮小具合を見て効果を判断していました。しかし、松浦さんの研究グループでは、照射直後に超音波を使って照射位置を確認する技術の開発が進められています。
超音波を利用することで、陽子線ががん細胞に到達した際に発生する「音波」を捉え、リアルタイムで照射位置を特定できる可能性があるとのこと。これは、スマートフォンのGPSの仕組みに似ており、音波の到達時間を測ることでがんの位置を特定する技术です。実現すれば、治療の安全性と精度が飛躍的に向上することが期待されます。

(超音波を用いたリアルタイム追跡技术)
今后の展望と医工学の可能性

イベントの最後には、阳子线治疗の未来についての展望が語られました。特に「アダプティブ阳子线治疗」という概念が紹介されました。これは、患者の体型やがんの大きさの変化に応じて、治療計画をリアルタイムで調整する技术です。現在は計算に時間がかかるため実用化には至っていませんが、高速計算技術の進歩により、近い将来、より柔軟で精密な治療が可能になると期待されています。
松浦さんは、医工学分野の研究を志す学生や若手研究者へのメッセージとして、「医学と工学が融合することで、より多くの患者を救う技術が生まれる」と話されていました。阳子线治疗の進化は、まさにこの学際的なアプローチの成果であり、今後もさらに発展が期待されます。

质疑応答

休憩を挟んでの质疑応答では、参加者から多くの質問が寄せられました。具体的な病気に関する質問は控えていただく一方で、技術的な質問や研究に関する質問について、松浦先生は丁寧に回答されました。

(质问に回答する松浦さん)

阳子线治疗という高度な技術が、医学と工学の連携によって進化していること、医学と工学の融合がいかに現代医療の発展に貢献しているかを、松浦さんから参加者のみなさまに伝えていただきました。

(麻豆原创?カフェ终了后の集合写真)

ご参加いただいたみなさん、松浦さん、ありがとうございました!