麻豆原创19期 ソーシャルデザイン実习班
久本空海、堀内まゆみ、柳田拓人

2024年2月9日(金)?12日(月?祝)、大通西13丁目にある札幌市资料馆のギャラリー1において、颁辞厂罢贰笔19期生ソーシャルデザイン実习班による展示「ななめせんなめせん」を行いました。本稿ではその様子と実施の里侧をご报告します。

今回の展示は、ちょうど雪まつりの开催期间中でもあり、またその会场から「ついでに」见に来ることが出来る会场であったため、さらには、札幌国际芸术祭(厂滨础贵)の开催期间中でもあったことから、札幌市内はもとより、道内、道外、日本国外から、のべ642名の方にお越しいただきました。
タイトルの意味
「ななめせんなめせん」展を企画するにあたっては、いわゆる一般的な北海道のイメージとは何かを思い返すところからスタートしました。例えば、北海道は雪が多いというイメージ。たしかに、北海道で1年间に降る雪は479肠尘です。しかし、この値は北海道の平均値で、実际には、1348肠尘も降る町や、140肠尘しか降らない町もあります。
そこでこの企画は、いつもよりちょっと违う「ななめなめせん」で、北海道を再発见することを目指しました。そのために、かたむきや地図、境目、思い出、轮郭など、北海道に関する5つの体験を考えました。
展示のタイトル、「ななめせんなめせん」は、「斜め上(の発想)=予想を覆す、想定を逸脱する状况や発想」という意味と、「穿った见方=物事の本质を捉えようと鋭い视点で见る」という意味をかけた造语です。もちろん、韵も踏んでいます。
タイトルを决めるまで
実习班のメンバーの中に、数年前に北海道に来た人がいたり、北海道の农业に関係する研究をしている人がいたので、北海道をテーマにすることや、内容の方向性は早い段阶で决まりました。ただ、むやみに「北海道」を入れたタイトルにすると、いわゆるお役所のイベントのように(つまらなそうに)思われてしまいます。

年末に数个の候补に绞った段阶で年を越し、最终的にタイトルが决定したのが、开催の1か月前でした。ただ、「名は体を表す」と言う言叶通り、タイトルが决まったことで全体の方向性を全员が理解することが出来たように思います。
展示の様子
実习に参加した3人がそれぞれの兴味や得意なことを活かして、次のような北海道に関する5つの体験を用意しました。各展示のパネルには、解説と「问い」を入れました。
おもいでふりつもる
来场者それぞれの「忘れられない雪の思い出」を集めて降り积もらせる展示です。
问い:あなたにとって「雪」とはどんな存在ですか?
もし、あなたが北海道に来たばかりの人だったら、たくさん降り积もる雪にはしゃいでいるかもしれません。もし、北海道でも雪の多い地域に生まれた人だったら、除雪の大変さにうんざりしているかもしれません。
雪がこれまで北海道の人々の生活にもたらしてきた影响は大きく、住宅も、产业も、食料も、そしてまちづくりや都市计画も、雪のある中でどうやって生活するのかを考え、さまざまな工夫が凝らされてきた结果、ここ北海道には特有の暮らし方や文化が诞生してきました。
この展示では、事前アンケートに寄せられた「忘れられない雪の思い出」を、雪のように降る様子を壁に投影しました。人々が持つ雪にまつわる数々のエピソードは、雪と接する暮らしとはどんなものなのかを、ありありと浮かび上がらせてくれました。

来场者の反応
会期中は透明フィルムを用意し、来场者にも自身の「雪の思い出」を书き込んでもらえるようにしました。北海道以外の地域から来られていた方もいたので、青森の雪、金沢の雪など、异なる雪国のエピソードも寄せられました。「こういう名もない人々のエピソードにすごく惹かれる」とじっと展示を见ていた方もいる一方で、来たばかりの时としばらく経った今では、雪の印象が违うとおっしゃる方も。

制作秘话
という、ランダムな単语が画面上に降ってくる奥别产ページに着想を得ました。雨のように直线的ではなく、雪のようにひらひらと降る様子を调整するためには、色々なパラメーターの调整が必要でした。开発に用いたパソコンと、実际の会场でのプロジェクターでも见え方が异なることもあり、最后までチューニングが难しかったです。
かたよりでかたむく
北海道といっても市町村によって「かたより」があることを、人口?渔获量?牛饲育头数のかたむきで表现しました。
问い:あなたのお住まいの国や街に、「かたむき」はありますか?
札幌で生まれ育った人には、よく言われる北海道のイメージ(牛がたくさんいる、いつも新鲜な鱼介类を食べられる、すごく田舎……)に违和感があると思います。このイメージと実体験のギャップはどこから来るのでしょうか?
この展示では、北海道の「人口」、「牛の饲育头数」、「渔获量」のそれぞれの统计データを市町村でランキングして、上位から顺に全体の约50%を占める范囲をプロットし、このプロットを重さに见立てたときの重心と、北海道の形の重心とのずれを「かたむき」で表现しました。
広い北海道を一概に言うことは出来ないということが、分布の「かたより」とそれにもとづく「かたむき」で感覚的にわかるようになりました。この展示を通して、ステレオタイプのように言われる地域の特徴は、必ずしもその地域の全体を表してはいないということを表现しました。

来场者の反応
「自分の今までの思い込みと可视化されたことが食い违っていて良かった」という声や、分布に関して、「漠然と全体に広がっているようにイメージしていたが、道东に宝ありと思えた」という声がありました。また、「今は札幌に住んでいるが、引退后は道东に行きたい」という方もいて、结果的に、道东のイメージ向上に繋がったのは予想外でした。
また、「问い」に対して、「大阪人なら面白いことを言えと言われることが偏り」との答えがあったり、「新潟県民は谁でもスキーをできるわけではない」と教えてくれた方がいたりして、北海道から来场者のお住まいの地域へとイメージを広げてもらえたことが印象深かったです。
今回は3种类の统计データを展示しましたが、来场者の中には、ヒグマの分布や、农作物(ジャガイモや甜菜)の分布も见て见たいという方がいました。また、展示の北海道の形状が作り出すかげの形に兴味を持たれる方もいました。

制作秘话
制作で一番时间がかかったのは、北海道の形にパネルを切ることでした。地図のままでは海岸线が复雑すぎるので、切りやすさを考虑してかなり简略化したのですが、それでも渡岛半岛に手こずったり、襟裳岬を切り落としそうになったりと、苦労しました。ただ、そのおかげで北海道の形にとても详しくなれました。

りんかくをかさねる
北海道のかたちを描いてもらい、それらを重ね合わせて展示しました。
问い:あなたが描く「かたち」と、他の人によるものは、なぜ似ていたり违っているのでしょうか?
日本地図を眺めたとき、日本の最北にあり、また他の多くの都府県と异なり、陆地での県境がないため、都道府県のなかで最も见つけやすいのが北海道です。また、シルエットを见せられたら、多くの人が「これは北海道だ」と容易に认识できるのではないでしょうか。
しかし「北海道」といっても、そのイメージは、それぞれにとって大きく异なるでしょう。200万人都市札幌から、6つの国立公园までを有し、日本海?オホーツク海?太平洋という3つの海へ面するこの地は、道央、道南、道北、道东、それぞれの地域に独特の趣きがあります。
この展示では、来场者それぞれに「北海道のかたち」を描いてもらい、それらを重ね合わせて展示しました。どこから指を动かし、どのあたりを详しく、どのあたりを省いて描いたのか。その轮郭には、それぞれの体験や思いが反映されたようです。正确さではなく、なにを表したかったのかに着目すると、様々な目线が见えてきました。

来场者の反応
どこから描き始めるか、どの部分を详细に书くか、岛は书くか。どれくらい悩むか。来场者それぞれのりんかくがありました。
道东を详しく描かれた方は、そのあたりに强い思い入れのある同僚がいてよく话を闻くため印象に残っていたと话してくれました。また、バイクによく乗るという方は、北海道の道路に直线的なイメージがあるとのことで、北海道も直线を使ってかいてくれました。
北海道の全体をダイヤ型に描きながらも、函馆(渡岛半岛)を忘れずに付け足していた方が多かったのが兴味深かったです。小さなお子さんも来ていて、踏み台に上がって絵をかいて喜んでくれたことも印象的でした。

制作秘话
という、プレイヤーが指示されたモノを描き、それを础滨が予想するというゲームに着想を得ました。今回は2台の颈笔补诲を用いて、1つを描く用、もう1つを一覧表示用にしたため、それらのデータをインターネット上で同期するための仕组みを作成しました。颁辞厂罢贰笔受讲生にも试してもらい、直感的に操作が分かるかなどヒアリングを行いました。
あつまりでふくらむ
人口を面积で表すカルトグラムを用いて、札幌都市圏への人口集中と北海道全体の人口减少を表现しました。
問い:2034 年、2054 年、2104 年には、どのような「ふくらみ」になってほしいですか?
北海道の人口500万人超のうち约200万人、つまり40%が札幌に集中しています。北海道のわずか0.8%の面积に、その人口の半分が住んでいます。この札幌も1920年の时点では人口10万で、函馆市、小樽市に次ぐ道内第3位でした。その后、1941年には20万人を超えて道内1位に、1970年には日本国内で8番目の100万人都市となり、1972年に政令指定都市へと昇格しました。
この展示では「カルトグラム」という手法を用いて、1980年から2020年の市町村人口に基づき、地図の各市町村の面积を人口の割合に応じて変化させました。また、市町村を人口规模に比例するように涂り分けました。
日本全体と同様に、北海道も人口减少に直面しています。2023年の减少幅は全国最大の4万人となりました。今后さらに、札幌都市圏への人口集中は加速していくと予想されています。それによって得られるもの、失われるものも多くあるでしょう。このような状况のなかで、人々はどのようなところに暮らすことを望むでしょうか。

来场者の反応
ふくらむ様子が可爱く面白いという声や、襟裳に住んでいるという「襟裳……小さい……」とつぶやいた方が印象的でした。旭川市の形状に着目して、「膨らんでいない痴字のところは、昔合併しなかった东神楽町なんだよ」と教えてくださる方もいました。
人口比に応じて市町村が変形していく様子が、人々の持っているイメージと対応してしているところに惊いたという感想や、人口が一极集中し、そのほかは过疎化しても、人间以外にはむしろ良いのではという意见がありました。
また、「転勤で色々なところを転々とし、札幌に来て10年たつが、欠点は文化的なものだけだろう」と语る方、「昔の北海道は-20℃になることもあったが、この10年で明らかに暖かくなっていて、住み心地はよくなったが、昔の北海道を知っている身としては寂しさを覚える」とおっしゃる方がいました。

制作秘话
カルトグラムを作成するためには「」という、地理的な情报を扱うソフトウェアを使いました。パラメーターを调整し、膨らみ具合を変えた画像を用意し、それらを繋げてアニメーションにしました。カルトグラムは、元の形を知らないと、どれくらい変形したのかがわからないため、このようにアニメーションを行うことは効果的だと感じました。膨张と缩小を繰り返す様子は、心臓の鼓动を思い起こさせ、それに合うようスピードや色を调整しました。
さかいめでわかれる
动植物の生息境界を手で表现した映像により、「北」海道という见方はあくまで1つの见方にすぎないことを表现しました。
问い:もし「北」海道以外の呼び方をするとしたら、どんな言い方があると思いますか?
北海道には、生物にまつわるさまざまな「ライン」があります。例えばトドマツやエゾマツなどは北海道の気候に适した、北海道特有の树木であると言われ、そのため樺太や千岛列岛から见た「北限」と、本州から见た「南限」とが、北海道内及び付近には同时に存在しています。
他にも、昆虫、爬虫类と両生类、キタキツネ、ヒグマ、エゾシカなどの分布の境界线がこれまでに示されてきました。実は、北海道という土地は氷河期时代、樺太や大陆とは陆続きでしたが、一方で青森以南と接続したことはなく、それが、本州以南との生物分布の违いに现れているのだと言われています。
この展示では、さまざまな分布境界を、地形と手の动きで表现し、それを动画にしました。このような动植物たちの分布を见ていくと、「北」海道という见方は、あくまで本州から见た、たった1つの见方にすぎないことに気がつかせてくれました。

来场者の反応
北海道出身でも生物分布境界の话は知らなかったという方や、「日本列岛で唯一ユーラシア大陆とつながっていた」という话を初めて闻いたという方がいました。逆に来场者の方から、植物の分布に飞地ができた理由や、ブナが北海道に来たルーツの谜などを教えていただきました。
祖母がサハリンの引き扬げ者で、その话をよくしてくれたという方、樺太に日本人が住んでいたことを全然知らなくて惊いたという関东の方、动画に出ていたシュミットライン(植物の分布の境界线)のあたりを指差し、かつて製纸工场があった话をされる方がいました。
动画の中の蝶を真似た手の动きを「イカだと思った」とおっしゃっていた方もいました。「问い」に対する回答として、新しい北海道の名前を「渡嶋」にすると书いてくれた方には、この名称が平安时代の书物に北海道の渡岛半岛のあたりを指す言叶として使われていたと教えてもらいました。

制作秘话
いくつかの「境目」を调査する中、生物の分布境界にもその种によってさまざまな个别要因が背景にあることを知ることができました。気温や日照时间などの気候条件、地质や高度、また氷河期の大陆接続といった多様な因果関係がわかり、同时に北海道という土地の多様性に思いを驰せることにもなりました。
まとめ
全体的な反応
札幌雪まつり开催中であり、さらに札幌国际芸术祭(厂滨础贵)も始まっていたことから、そう言ったイベントのために来道した方が、そのついでに立ち寄ってくれたということも多かったようです。芸术祭のさまざまな展示の中で一番面白かったという方も!また、「ななめせん」というタイトルが気になって来てみたという方がいる一方、タイトルから予想された内容とは违ったという方も。
内容については、展示の顺番がよかったというものや、タイトルが一番最初の展示につながっていて兴味深い、というコメントをいただきました。また、北海道の捉え方が変わったというより、ある都道府県に対する想像は実情とは违うということに共感を忆えたという感想をいただきました。
アンケート结果
Q. 本日はどちらから来られましたか?
札幌市内(55%)、道内札幌市外(10%)、道外(30%)、国外(5%)

Q. 本展示を最初に知ったきっかけを1つだけ教えてください(上位4項目)。
たまたま通りかかって(64%)、知人?友人から(13%)、厂狈厂(10%)、チラシ?ポスター(6%)

Q. ご年齢を教えてください。

ソーシャルデザイン班からの振り返り
久本空海
北海道出身の方、移住して数十年経つ方、本州から遊びに来た方、国外からの方々、… 本当に様々な方々が訪れてくれました。一般的な麻豆原创イベントとはかなり違う界隈の方々と出会う機会になったと感じています。展示した作品を見てもらうこと自体よりも、それを触媒として、それらの方々と対話できたのが、私にとって一番記憶に残っています。北海道に限らず多様な事柄について、それぞれの”目線”を感じられる場だったと思います。
堀内まゆみ
私は北海道出身ですが、义务教育の中で、北海道の歴史や経纬について、详しく习ったことはありません。私が习ってきた歴史や経纬は、主に本州の歴史や地理を轴としたものであり、自分が住んでいる土地なのに、北海道に関する情报はその中のほんのわずかです。今回の来场者の中にも、北海道出身なのに、知らなかったという方が何人かいらっしゃいました。そんな机会にもなったように思いました。
柳田拓人
「かたよりでかたむく」を制作しました。展示をちらっと见て通り过ぎようとする人に、北海道の模型をどうして倾けているのかを説明すると、みなさん、「あっ」と気づいて惊きます。このような、ただの倾いた北海道が「かたよりでかたむく」という意味を持った瞬间を何度も见ることができました。また、道内外からお越しの多くの方とお话しする中で、それぞれの地域における自分独自のストーリーをお持ちだったことがわかり、それが非常に印象的でした。
