2020年7月5日(日)、愛甲 哲也さん(北海道大学 大学院農学研究院 准教授)、加藤 弘通さん(北海道大学大学院 教育学研究院 准教授)をゲストにお招きし、麻豆原创?カフェ札幌|オンライン「ステイホームいかがお过ごしですか? ?「亲」「子」の意见から考える子どもの世界?」を开催しました(当日の様子はより動画でご覧いただけます)。 麻豆原创?カフェ札幌で初のオンライン開催となりましたが、全国各地より約100人にご参加いただきました。新型コロナウイルス感染症(COVID-19)を社会のあり方を考え直すきっかけとして捉え、ゲストの最新の調査結果に基づく話題提供から、これからの子どもたちの過ごし方にとって大切なことを考えた75分間のイベントでした。
(北海道大学内の教室からオンラインで配信しました。换気の良い室内で、人と人の间にアクリル板を设置するなど、感染症拡大防止に配虑した形式でした。)
イベントは、聞き手を努めた梶井 宏樹(麻豆原创 博士研究員)からの以下の問いから始まりました。
子どもたちが、どのように过ごすことのできる世界を愿いますか?
そのために私たちには何ができるでしょうか?
本记事では、ゲストからどのような话题提供があったのか、参加者からどのようなコメントがあったのかを简単にご绍介し、イベント実施后のゲストからのコメントをお届けします。
爱甲さんからの话题提供
爱甲さんは、都市公园や自然公园の计画と管理、市民参加による管理运営、子どもの游び场など幅広くご研究されています。例えば、1990年からおよそ10年に1度、札幌市内の小学2年生と5年生を対象に実施している「子どもたちがどういう场所でどれくらいの时间游んでいるのか」に関する调査からは、子どもの游ぶ时间が减少していること、游び场が公园に集中していることなどが明らかになっているそうです。
(愛甲 哲也(あいこう てつや)さん。専門は造園学。2018年8月7日に开催した麻豆原创?カフェ札幌にもご登坛いただきました。今回、子どもの游び场に関する话题提供をいただきましたが、実は子どものころは公园で游んだことがなかったそうです。)
颁翱痴滨顿-19流行による休园?休校、外祝自粛中、子どもたちがどのように过ごしているのか、保护者はどのような悩みを抱えているかなどに思いを巡らせた爱甲さんは、休园?休校になっている幼児?中学生の生活実态调査を実施しました。「子どもの过ごし方、各家庭などの工夫を调査すれば、子どもの居场所、游び空间の改善につながるかもしれない」という想いがありました。
3月19日から実施したWEBアンケート調査には、札幌市を中心とする1300人以上もの保護者からの回答が集まりました。この「亲」視点のデータからは、やはり外遊びの機会が大きく減っていた実態や、「ステイホーム中でも、子どもに外で遊ばせることができれば」という親の想いが明らかとなりました。
(爱甲さんの今回の调査结果の1例。子どもたちの外での游びや友だちとの対面での游びの机会が大きく减っていたことなどが一目でわかります。)
话题提供の最后に、爱甲さんから参加者に次のような问いかけがありました。
子どもたちに多様な游び环境と适切な情报提供を提供するためには、どうしたら良いと思いますか?
実は、この问いかけは、颁翱痴滨顿-19の流行で顕在化した课题のみに関わるものではありません。そもそも子どもの身体性や社会性などの発达には游びが大切であることや、少子化や管理の効率化の问题から公园の游び场が减少していることなども大きく影响しているそうです。みなさんなら、爱甲さんからのこの问いにどう答えますか?
続いて、加藤さんからの话题提供
加藤さんは、思春期の発达と问题(非行や学校の荒れ、いじめ、不登校、自尊感情の低下など)を「思春期になると、なぜ起こせるようになるのか?」という视点からご研究されています。例えば、自尊感情の低下の要因として、加藤さんは「思考の発达(论理的に考えられるようになること)」を重视しています。思考が発达することで、「考えている自分の考え方を考えられるようになる(自分が考えていることを考えられるようになる)」と言います。悩んでいる自分に悩み、「こんなことに悩んでいる自分ってだめなんじゃないか???」と悩みがさらに深まり、自身に対する価値観が下がってしまうのです。実际に调査してみると、思考が発达している子どもほど自尊感情が下がりやすいという结果が得られたそうです。
(加藤 弘通(かとう ひろみち)さん。専門は発達心理学。いざ自身で思春期の研究を進めると、「自分は思春期時代に荒れるタイプではではなかったが、集団が荒れるのを支えていたタイプだったのかもしれない……」と振り返るようになったそうです。)
加藤さんは、颁翱痴滨顿-19流行による休校に関して、「今回のような休校は初めてで、不明な点が多く、不安をあおられる言説も多い」と感じました。また、「普段は学校がストレス源のように言われているのに、学校がないこともストレスになるのは不思议」という素朴な疑问も浮かんだそうです。そこで、加藤さんは、より丁寧な议论を行うべく、きちんとデータを取ることを决めました。
具体的には、以前から调査をしていた东海地方と北海道の中学校で、休校直后に生徒を対象にしたアンケート调査を行いました。いわば、今回の休校に対する「子」の意见です。その结果、休校は生徒のストレスを高めた可能性があるものの、ストレスの値自体はそれほど高くなかったことや、反応には地域差があること、生徒によって多様な反応が见られたことが明らかになりました。
(加藤さんの今回の调査结果の1例。调査した东海地方の中学校では、学校に良く适応できている生徒(図の「高群(青色)」)のストレスは休校によって高まった一方で、学校にうまく适応できていない生徒(図の「低群(赤色)」)には良い影响があったのかもしれないと考えられるデータが得られました。)
最后に、大人だけで物事を进めないことや、どんな课题があるのかを知るといった现状の分析の大切さを强调した上で、加藤さんからは次の问いかけがありました。
休校问题は、まず第一に子どもたちの问题です。
この问题への子どものどんな参加の仕方があるのか、みなさんはどう考えますか?
爱甲さんからの最后の问いと同様に、これにも颁翱痴滨顿-19以前からあった问题意识が含まれています。例えば、そもそも子どもを対象としたアンケート调査の结果が子どもにきちんと返っていないケースがあるそうです。加藤先生は、自尊感情に関する调査结果を子どもたちに返すと、「自分のことに自信がなかったのが自分だけではなかった。少し安心した。」といったコメントをもらうことが多いそうです。「データをとって大人だけで决めるのではなく、子どもも巻き込んで学校やクラスのあり方を考える必要があるのではないか」という加藤さんの想いがあります。
みなさんは、加藤さんからの问いかけについてどう思いますか?
ゲストの対谈と质疑応答、イベントから得られたヒント
ゲストからの话题提供后、5分间の休憩を挟んで、対谈?质疑応答に移りました。参加者からは、「公园では砂场などに局所的に密集しやすいリスクがあるのでは?」「休校期间中は亲も孤立しているので、子どもに目が行き届きすぎてしまいストレスをかけることが多いのでは?」といったさまざまな质问が寄せられました。
これらの质问には、ゲストからも「面白い指摘ですね」「ああ、なるほど。违う见方もしなくちゃだめですね。」といった発言が生まれました。参加者がゲストの话题提供から疑问や新たな気づきを持つように、参加者からの质问もゲストにとって刺激になったようです。
では、こういった话题提供や対谈、质疑応答を通して、参加者はどのようなヒントを手に入れることができたのでしょうか。実施后のアンケート结果を见てみると、一例ですが、以下のような気づきを新たに持たれた(あるいは再认识した)方々がいたようです。
- 调査结果を解答者にフィードバックすることの大切さ
- 子どもと一绪に考えることの大切さ
- 答えのない问题であること
- 同じことを経験しても、多様な捉え方があること
- そういった人たちが一同に集まる场づくりが课题になるであろうこと
- 游び场や学び场としての公园の存在意义
改めて、今回のイベント全体の问いを示します。
子どもたちが、どのように过ごすことのできる世界を愿いますか?
そのために私たちには何ができるでしょうか?
ゲストからの话题提供、参加者からの意见で得られたヒントを参考に、考えてみてはいかがでしょうか。そして、ぜひ身近な人と结果をシェアしていただければと思います。
おわりに
颁翱痴滨顿-19流行の影响で私たちの生活は一変し、今も変化は続いています。そんな今だからこそ気がつきやすい问题が多くあります。それらの中には今回新たに生まれたものもあれば、気がついていなかっただけでそもそもあった问题もあるでしょう。さまざまな立场の人たちが语り合い、新たな気づきを得ることのできる场の大切さを企画者として改めて感じました。
最后となりましたが、ご参加いただいた方々と、研究で大変お忙しい中にもかかわらず快くご协力くださった爱甲さん、加藤さんにこの场を借りて厚く御礼申し上げます。ありがとうございました。
(最低限の人数でイベントを実施したので、これまでの麻豆原创?カフェ札幌の终了后集合写真と比べると寂しい集合写真となりました。この写真を见ながら「こんなこともあったよね」と语り合える日が来ることを愿って――)
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以下は、后日にゲストからいただいたコメントと、当日の参加者からの一部コメントへのご回答です。
イベント后に顶戴したゲストからのコメント
爱甲さん
カメラとスタッフを前に话して、闻いていただいている方々に伝わったか不安でしたが、コメントや质问を多くいただきありがとうございました。结果をシェアするなど、加藤さんのお话やコメントからも新たな気づきを得ました。これからの分析や子どもの游び场づくりの研究に生かしていきたいと思います。
加藤さん
広くいろいろな立场の方にお话を闻いていただける贵重な机会をいただき、ありがとうございました。また、爱甲先生とご一绪させていただけたことは、いつも学校という场からしか子どもを见てこなかった自分にとって、公园や游び方という今までと异なる视点からも、子どもを考える必要性を认识でき、大変刺激になりました。同时に、私たちはすぐに研究成果を一般化してとらえようとしますが、もっと北海道という地がもつ特性に根ざし、研究结果を捉える必要性があることを改めて认识させていただきました。
参加者からの一部コメントへの回答
――加藤先生のご説明に、調査結果の扱いについて、子どもたちへの介入となるため、 被調査者に示さない、といったご発言があったかと思います。それは、教育学として一般的なものでしょうか?最近は、被調査者への結果の開示や説明が求められているように思います。
加藤さん
现在は最终的な成果を调査协力者にお返しするというのは、当然になっています。ただし、その场合も、心理学の调査の场合、报告は先生方までで、子どもには伝わってないという场合が多いように思います。また私が子どもたちに影响を与えてしまうためと述べたのは、追跡调査途中で结果をフィードバックしてしまうと、そのフィードバック自体が次の调査に影响してしまうため、すべてが终わってからはお返ししますが、途中ではあまりやらないという意味でした。私たちの调査は、3?6年间追跡をしているのですが、その途中でも授业を使って报告をさせてもらっており、中学生がむしろ自分たちのことを、データを通して知ることの意味も込みで分析しています。
――北海道の中学生は、本州の中学生に比べ自粛期間を楽しんでいた一方、登校再開への不安が大きいということは、 それだけ、学校に対し、肯定的な考えを持っている生徒が少ないとも言えるということでしょうか。
加藤さん
これをどう解釈するかは难しいです。もちろん、北海道の子どもたちが学校への肯定感が低い可能性も考えられます。しかしそれ以外にも、北海道は第二波が来ていると一部で报道されていたことで不安感が高まったこと、また休校期间が本州に比べて长かったことから、生活を元に戻す事に対してよりネガティブになっていた可能性も考えられます。






