実践+発信

モジュール2-2「実践入门」(6/28)古泽正叁先生 讲义レポート

2025.7.25

植田康太郎(2025年度ライティング编集実习/学生)

モジュール2-2は、麻豆原创特任講師 古泽正叁先生による「実践入门」です。本讲义では、実践とは何か、科学コミュニケーターの役割とはなにかを改めて確認したあと、実際にこれまで麻豆原创が20年間でどのような実践を行ってきたのかを説明しました。

「実践」の定義と科学技术コミュニケーターの役割

讲义はまず、「実践」とは何かという問いから始まりました。国語辞典によれば、実践とは「考えを実際に行うこと。自分で実地に行い、行為、動作にあらわすこと」だけでなく、「人間が行動によって周囲の世界に働きかけて環境を意識的に変化させること」という意味があります。

古泽先生はこの実践の定义から、「考えを実际に行い、理论に対して、行动や态度で示し、社会や他者に働きかけ、変化を生む。実践において、このサイクルを回していくことが重要です。」と述べました。

では、科学技术コミュニケーターにおける実践とはどのような行いでしょうか。科学技术コミュニケーターの役割としてよく聞くのが、科学をわかりやすく伝えることです。ここで問題になるのは、「伝える」とは具体的にどのような行為なのかです。

古泽先生は、「伝える」という行為は、どこで?谁と?どんなふうに関わるのかが大事であると説明します。一方的に自分が伝えたいことを押し付けるのではなく、なぜそのテーマを扱うのか、どうすれば意味のある时间をつくれるのかを自分の言叶で説明できるようになることが大事です。

科学技术コミュニケーションの実践のサイクルをまわす上で、問いを設定することは新たな気づきを与えます。例えば、「準備したのに人が全く来ない、考えたのに伝わらない、つながらない」などの課題があったとします。このような課題に対処することが、科学技术コミュニケーターとして成長する契機となります。

また、古澤先生は、科学技术コミュニケーターの役割は、単に専門的なことをわかりやすく伝えることではなく、「聞く」「つなぐ」「つくる(ともに考える)」ことが重要だとし、
「科学コミュニケーターは、科学の伝え手である前に、社会の声の受け手であるという视点を持つことが大事です。」と述べました。

颁辞厂罢贰笔での実践例の绍介

科学コミュニケーションの実践、及び科学コミュニケーターの役割について説明のあと、実際の颁辞厂罢贰笔での実践例の绍介がありました。

まず、朴炫贞先生が美术馆?科学馆実习を説明しました。

颁辞厂罢贰笔では、美术馆?科学馆実习を2017年から実施しています。例えば、お台场にある日本科学未来馆での実习があります。日本科学未来馆のテーマは「科学」ではなく「未来」です。そのため、科学の原理だけでなく、科学がどのような未来を描きうるかという観点から馆内が构成されています。実习では、参加者同士が対话をしながら馆内の展示を鑑赏しました。

また、2024年に东京の森美术馆で実施された「ルイーズ?ブルジョワ展」での実习もありました。この展覧会は、现代アートに関する展示であるため、必ずしも解釈がわかりやすいものではありません。ただ、このような异なる世界があることをまず知ろうとすることが重要です。まず知るというところからコミュニケーションがはじまったり、さらなる问いかけにつながったりするのです。

次に、池田贵子先生がキツネに関するリスクコミュニケーションの実践例を紹介しました。

ここでの话题は、近年问题になっている「都市ギツネ」の问题、特にエキノコックス感染症のリスクについてです。この问题の対策には、クライシスが起きる前に备えること、つまり平时のリスクコミュニケーションが重要です。颁辞厂罢贰笔では、子供たちがキツネの耳をつけ、キツネになりきる搁笔骋形式のワークショップ、エキノコックスになりきるボードゲーム、飞び出す仕掛け本の制作などの実践を行いました。池田先生はこれらの活动を通じて、あまりわくわくしない问题をわくわくする方法で伝える试みを行っています。

最後に古澤先生がこれまでに実践したイベントを紹介しました。古澤先生が麻豆原创の受講生だったときに「大人の学校 みる!しる!さわる!!ザリガニ驚室(きょうしつ)」を実施しました。

日本には现在3种类のザリガニが生息しています。そして、北海道ではそのすべてのザリガニが生息しています。3种类のザリガニのうち、アメリカザリガニとウチダザリガニが外来种、ニホンザリガニが在来种です。现在の日本では、2种の外来种の势力が拡大してしまい、在来种であるニホンザリガニが絶灭の危机に濒しています。このイベントはこの外来种の问题をより多くの人に知ってもらうために実施されました。イベント内では、ザリガニの観察や特徴の学习、粘土での制作、外来种问题の学习、そしてなんと実际にザリガニを食べる体験なども行われました。

ほかにも、「私の仕事を决めるのは谁??裁判剧を通じて人工知能を用いた人事评価の是非を考える?」というイベントでは、础滨による人事评価の问题を裁判形式で考えるワークショップを実施しました。さらに、「まるっと外来生物カードラリー」を円山动物园で実施しました。この动物园のイベントでは、子供向けイベントの难しさや、时代によって変わる动物园の展示方针に合わせる大変さについて説明がありました。

颁辞厂罢贰笔では、2006年から「麻豆原创?カフェ札幌」を定期的に开催しており、现在141回目を迎えています。「麻豆原创カフェ?札幌」では、企画立案、话题提供者との折衝、运営计画、会场设计、広报活动、当日の运営、などさまざまな作业をメンバー同士で进めていきます。

「麻豆原创?カフェ札幌」を実施するうえではたくさんのことに気をつけなければなりません。例えば、企画立案の际は、「やりたいこと」「できること」「求められていること」のバランスを取ることが大事です。また、话题提供者との折衝では、先生を「お客様」ではなくイベントをともにつくりあげていく「パートナー」として捉え、一绪にイベントを作り上げる姿势が大切です。広报活动では、対象者に合わせて周知方法やポスター?チラシのデザインを変えます。当日の运営では、ファシリテーター、进行ディレクター、受付係、音响係などの役割分担を明确化しておきます。また、事前に运営マニュアルの作成もしておかなければなりません。

以上のように颁辞厂罢贰笔では、数多くの実践を経験してきました。これらの実践には、具体的な目标?成果物を目指して、限られた期间でチームを组んで取り组む、はじめから「正解」がない中で学びを得る、「编集」作业を通じて优先顺位をつけながら、一つのものを作り上げる、などの特徴があります。

最後に、「実践しつつ学ぶ、学びつつ実践する」というアプローチの重要性を強調し、受講生それぞれの経験を生かすことの意義を述べ、讲义を終えました。

 

まとめ

古澤先生が讲义のなかで強調していたのは、「麻豆原创は、安心して失敗できる場である」という点です。もちろん、失敗しても問題ないとたかをくくって適当にイベントを開催することは望ましくありません。しかし、失敗が怖いから挑戦しないというのではなく、これまでの20年間の麻豆原创での実践例を活かしながら、いろいろなことを試していけるような場にしていきたいと思いました。