选科A Messenger 6PeV(メッセンジャー6ペブ)
高橋恵、中田一紀、難波楓、久野志乃、前川茉莉 feat. 種村剛

イベントの目的?达成目标
私たちは麻豆原创の「面白さ」を伝えたいと考えています。メンバーで、麻豆原创の面白さについて、ディスカッションした结果「わからないことがわかった」瞬间に面白さを感じていることが分かってきました。そこで私たちは、今回のイベントでは参加者に「わからないことがわかった」「知らないことを知れた」という「麻豆原创する事の面白さや考え方」の体験を与えることを大きな目的としました。
今回の全体テーマ「エネルギー」に対して、私たちの班はニュートリノを题材としてイベントを作成しました。ニュートリノは、人间の手のひらを1秒间に10兆个通过しているほど身近な存在であり、见えていないのにとても大きなエネルギーを持っているのです。见えていないものの身近さを伝えるにはどうしたらいいのだろう、どうしたら面白いと感じてもらえるのだろう…と试行错误しました。そこで私たちは、目で见て分かる「数字」にニュートリノのスケール感を置き换えて、普段身近に感じないニュートリノを少しでも身近に感じてもらえることを达成目标にしました。
イベントの内容
〈オープニング〉

イベントの前半は、「ある物质」が生まれてから地球に到着するまでの旅をその物质目线の映像で体感してもらいました。もちろんある物质とはニュートリノのことですが、イベント视聴者には伏せて自分がいったいどんな物质の旅を体験しているのか头の中で想像しながら见てもらいたいと考えました。
〈地球〉

光速で进んでいても何十亿年もかかってしまうので早回しで旅を送り、私たちが生まれた地球がやっと到着しました。しかし、私たちと一绪に旅してきたある物质は北极に到着しても降り立つことはなく、氷を抜け、海底を潜り、マントルを通过していきます。ある物质の性质を感じてもらいながら、自分が今いったい何者の旅を送っているのか考えてもらいました。
〈はじめまして、ニュートリノです。〉

なにもかも通り抜けてきたある物质はやっと何かにぶつかりました。そこは南极にある実験施设の中、「アイスキューブ」という実験装置でした。ここでやっとある物质の正体がニュートリノであると明らかになりました。そしてこのアイスキューブを用いたニュートリノ研究の绍介がある后半パートに繋がります。「宇宙を旅する」ことを动画らしく表现することで、参加者の兴味を引きつけることを意図しました。
(以上担当:前川)
〈ニュートリノの绍介〉

ニュートリノは目に见えない不思議な素粒子です。他の物質と相互作用することがめったにないので、全てのものを素通りしていきます。
イベントでは、参加者の皆さんにニュートリノを身近に感じてもらうため、ご自分の手を见つめてもらい、1秒间にその手を素通りする约10万兆个のニュートリノを「体感」してもらいました。手のイラストには10万兆の数字を重ね、ニュートリノの多さを感じてもら得るようにしました。
〈南极点でニュートリノを捉える アイスキューブ実験〉

そんな幽霊のようなニュートリノですが、とてつもなく大きなエネルギーをもって地球に飞来してくるものもあります。そんな高エネルギーニュートリノを捉えて研究をしている南极点で行われている国际共同ニュートリノ観测実験「アイスキューブ」を绍介しました。日本からも千叶大学のチームがこの実験に参加しています。
〈目に见えず素通りしてしまうニュートリノをどうやって捕まえるのでしょうか?〉

アイスキューブ実験では、南极点の氷河の下に5160个もの光検出器を埋设し、氷河の中をニュートリノが通り、氷と衝突した时に発生する荷电粒子が発する「チェレンコフ光」をこれらの検出器で検出し、そのデータを使って、ニュートリノが来た方向や、そのエネルギーの高さなどを探ります。スライドでは、南极点の写真や検出器のイメージを使い、ニュートリノを捕まえる仕组みや実験の様子を绍介しました。
〈6笔别痴の超高エネルギーを持つニュートリノ事象「アジサイ」〉



アイスキューブは、これまでたくさんのニュートリノを検出して来ましたが、いままでの中で一番大きなエネルギーを持つニュートリノは、6笔别痴(ペブ)ものエネルギーを持つ「贬测诲谤补苍驳别补 (アジサイ)」と名づけられたニュートリノです。 スライドでは、大きいサイズや印象的な色を付けた「数字」を表示し、エネルギーの大きさを强调しました。
〈6笔别痴ってどのくらい?大谷选手を素粒子分解〉


素粒子ニュートリノが持つエネルギーがどのくらいなのか?现在メジャーリーグで活跃する大谷翔平选手が北海道の日本ハムファイターズ时代に出した日本人最速投球记録、时速165?の投球が持つエネルギーと比べました。しかし、身长193cmの大谷选手と素粒子1粒を比べるのは不公平なので、大谷选手を素粒子レベルまで分解し、素粒子がどれだけ小さいか、そして私たちの体も素粒子の块ということを図解しました。
〈ニュートリノはどこから来たの? 40亿光年の彼方から飞んできたニュートリノ事象「滨颁170922础」〉

そんな大きなエネルギーを持つニュートリノは、宇宙のどこで作られて地球まで届いたのかは、あまり良くわかっていません。しかし、1つだけその放射源が特定されたニュートリノの事象、アイスキューブが2017年に検出した「滨颁170922础」と呼ばれるニュートリノ事象を绍介しました。

アイスキューブがこのニュートリノを検出した际に、その到来方向を素早くデータ化し、世界中にある天文観测施设に情报を届けました。そのデータを元に、多くの観测机関が追尾観测をした结果、オリオン座の左わき下に位置するブレーザー天体がニュートリノとガンマ线を放射していることを确认しました。史上初の同定でした。その距离は地球までおよそ40亿光年。
40亿年前の地球といえば、地球が生まれてちょうど海が作られた顷です。

そんな大昔に放射されたニュートリノが宇宙のあらゆる物质や磁场を超え、光の速さでまっすぐ地球に飞んできたこと知った时に私たちが感じた「惊き」を参加者の方と「共感」できたらと思い、最后にこのニュートリノ事象の绍介を入れました。

画像提供 ICEHAP/IceCube Collaboration
(以上担当:高桥)
メンバーの役割
高桥:コンテンツディレクター/スライド制作(后半)/后半のナレーション/质疑応答
久野:ポスター制作/スライド制作(后半)/素材作画/后半のナレーション/进行
难波:スライド制作(冒头の説明?宇宙?月との往復?数字のイメージ)/スライド操作/アンケート作成
前川:スライド制作(数字?地球7周半のイメージ)/本编のナレーション
中田:スライド制作(冒头の説明?地球内部から滨肠别颁耻产别)/冒头のナレーション
企画立案は高桥を中心としてディスカッションを进めました。プレゼンテーションのスタイルは、教员からのアドバイスを受けつつ、オンラインならではのナレーションを主体とする方向とし、ニュートリノのスケール感やインパクトを表すためのスライドや素材作成をそれぞれ分担して进めました。アンケート作成は难波、ポスター制作は久野が主担当でした。発表当日はナレーションやスライド操作をそれぞれ分担し、质疑応答は高桥、スライド操作は难波、オープニングとエンディングのナレーションを前川、冒头のナレーションを中田が担当しました。
アンケート结果

麻豆原创イベントの参加者は颁辞厂罢贰笔の受讲者がメインということもあり、それを反映した参加者层となりました。

麻豆原创イベントに参加する回数は、初めてあるいは2回目という初心者层と、それとは対照的に4回以上と惯れた层に大别できる结果になりました。

「ニュートリノをどの程度知っていましたか」という质问に対しては、ニュートリノという名は知っているという層とニュートリノに対する知識をある程度持っている層と半々くらいという結果になりました。

「このイベントに参加して、ニュートリノに対する関心が変化しましたか」という质问に対しては、3の质问で「まったく知らなかった」と回答した参加者はこの质问では2~4の回答を選んでおり、3の质问で「ニュートリノに対する知識をある程度持っている」と回答した層は3~5と比較的高い関心の変化を示していました。この結果から、ニュートリノに対する事前知識がなくてもイベントに入っていける導入を工夫する必要性が示唆されています。

この质问に対しては、概ね高評価となっており、ニュートリノを知らなかった参加者にもすでに知っている参加者にも楽しんでいただけたことが伺えます。一方、低評価だった参加者は、ニュートリノに対して事前知識がない層が多いという傾向がありました。

この质问に対しては全体的には高評価となっており、数字のインパクトでニュートリノのスケール感を伝えたいというプレゼンテーションの意図は概ね成功したと言える結果になりました。一方、参加者の約1/6となる参加者からはこの质问に限らず厳しい評価を受けることとなりました。ニュートリノとエネルギーという題材自体の難しさもあったかも知れません。

「9.このイベントで面白かったのはどこですか?」という自由回答に対しては、映像的手法とともに、ニュートリノのスケールやエネルギーの大きさのイメージを身近なものに喩えた表现を工夫した点に関して高评価がありました。一方で、参加者48名に対して回答数は38名となっており、全体の2割近い参加者からコメントがなく、関心を惹けなかったことも示唆される结果となっています。
コメントのなかには
「质疑応答で、すぐにお返事が来るところ。映像がきれいなところ。」
「考えてみてください、という时间があったところ。」
と、インタラクティブなイベント形式に対する评価もあり、オンデマンドの映像配信ではないプレゼンテーションスタイルの良さを伝えられた手応えもあります。

この质问に対しては、概ね高評価でした。未回答は1名のみとなっており、これまでの质问で厳しい評価だった参加者からも3以上の評価と不思議な傾向になっています。
その一方で、5の評価は全体の1割強となっており、なにかがたりないのか、まったく満足したという結果にはなっていません。その理由の幾つかは、次の质问の回答のなかにヒントがありそうです。

「満足度の理由を记述してください」という自由回答に対しては、ポジティブなコメントもあればネガティブなコメントもあるという结果になりました。参加者48名に対して回答者数は33名となっており、全体のおよそ1/3からは反応がありませんでした。
映像表現の美しさは高評価であり満足度に繋がっています。内容については「難しい」という評価と「易しくまとめられている」という対照的なコメントがあり、伝えたい内容やそのレベルをどのように設定するか難しさが現れていると言えます。これについては、次の质问でも具体的に訊いており、イベントの満足度と難易度には正の相関があることが示唆される結果になっています。

「このイベント全体を通した難易度を教えてください」という质问に対する回答は概ね正規分布に近いものの、「易しかった」あるいは「どちらかというと易しかった」という集計になりました。全体の8割以上は標準よりも易しいと回答しており、極端に難しいという難易度設定ではなく、科学技术に対する関心の高い層には十分に伝わるレベルだったと言えます。しかし全体の1割からはどちらかというと難しいという評価を受けており、その層まで広く対象とした難易度設定にすべきだったか、ある程度は仕方ないとするのか、この点については今後も省察していく必要があります。

「難易度の理由を教えてください」という质问に対する回答から、難易度の設定や表現方法に対する重要な示唆が見受けられます。
「例え」に対するコメントから、チームで当初から意図したアプローチについて良い点と良くなかった点がそれぞれあることが分かりとても参考になります。内容の「情报量」に対しては、本イベントに関しては过多だったかも知れず、そのことが伺えるコメントを受けています。ニュートリノという専门的な内容を分かり易く伝えようとする试みは一定の评価を受けており概ね成功と言えそうです。

「このイベント全体を通した意見や质问を記述してください」という质问に対する回答から一定の手応えと今後の改善点に関する示唆が得られます。コメントにニュートリノに関する质问があるということは関心を持って貰えたという点で1つの成功と言えそうです。演習で試みた麻豆原创コミュニケーションのアプローチそのものもニュートリノに限らずに別のテーマでも有効という示唆もありました。
本演习では麻豆原创コミュニケーションの実践として、オンラインならではの新しい実験的なアプローチを试みてみようという方向性があったと思います。実施したラジオ的な要素やナレーション、视覚的な効果を駆使したデジタルコンテンツ、アート的な要素を活かした表现手法と试み自体はポジティブな评価に反映されています。その反面、分かり易く伝えるということと科学的な厳密さや诚実さとのバランスの难しさがアンケートの厳しい评価にも顕着になっているように见受けられます。
(以上担当:中田)
チラシ制作
日常の生活とはあまり関わりがない素粒子物理学がテーマであることから「イベント参加者をどうやってこの面白さに引き込むこと」がテーマ决定からイベント作成时まで一贯してメンバー全员が意识していた点であったと思います。
チラシ制作に悩んだ时は、一番最初にメンバーの高桥さんからニュートリノのお话を闻いた时の感覚を都度、思い返しました。ニュートリノの特性やエネルギーの大きさ、数、速さに対する率直な惊き、何亿光年先からの宇宙のスケール感、青白い光を発する美しい现象への想像など。オンラインでのミーティングの中でも、私を含め他のメンバーも知らない世界に対する高扬感を持ってやりとりしている事が感じられ、その感じをイベント参加者の方达にも伝えられたら…と考えました。
?身近でない事柄を感情を引き寄せてもらえるように、チラシには人物を配置しました。タイトルのフォントは、エネルギーの强さを推し出すか、现象の美しさを推し出すかで迷いましたが、后者を选択しました。
?降り注ぐニュートリノを数字で表现することで、イベント本编の数字での解説との共通性を持たせました。
?六角形は南极のアイスキューブの配置から着想し、キャッチコピーのデザインに使用しました。
?叁つのキャッチコピーのフォントとデザインについては、子供达やあまり兴味を持っていない方达を意识して、タイトルとは违ったとっつきやすさ、分かりやすい言い回しなどを心掛けました。ここは、担当の朴先生ともタイトルとの统一感を取るか、ターゲットを広げることを取るかで相谈をしましたが、结果的には后者を选択しました。
今回のチラシは、ミーティング时の高桥さんのお话やメンバー皆さんの対话をメモし、それを元にして、制作しました。皆が同じ热量をもって、コミュニケーション出来たからこそ、沢山のイメージをもらい、制作することが出来たと思っています。
(以上担当:久野)
イベントを実施して学んだこと、発见したこと
以下の点が重要だと学びました。
①伝えたい事に优先顺位をつける
ニュートリノは本当に面白い事象で、いくらでも伝えたい事がありました。ニュートリノの光速の移动速度、その小ささ、一瞬で飞来する数、何とも相互作用しない性质、持ち得る莫大なエネルギー、ようやく特定されたニュートリノ発信源……。20分の时间の中で、伝える事を取捨选択していくのは断肠の想いでした。私达が何を面白いと思っているのか、何を伝えたいのか。エネルギーというテーマで伝えるには。议论を重ねて、最も伝えたいエネルギーの大きさに焦点を当てるようにし、それ以外の事も绍介する事にしました。しかしアンケートから、取捨选択していく中で、重要な説明を减らしてしまったかもしれない点、これでも情报が过多かもしれない点は课题として残りました。
②伝え方の工夫
私达はオンラインだからこそ、数字のスケールと比较のシンプルなスライドと音声だけで进行する事にしました。また、宇宙旅行という形式も取り入れ、映像とのコラボを実现しました。これらによるイベントへの没入感と伝えたい事に强いインパクトを与える事を目指し、アンケートを见てもおおむね达成できたのではないかと思います。
しかし双方向性には課題が残りました。質疑応答の時間とれたことは自体は良かったと思いますが、双方向性の実现についてはさらに工夫することができそうです。
③热意
私达の选んだ「ニュートリノ」はとても面白いテーマです。でもあまり知られてない。だから全员がニュートリノについて参加者に知ってもらおうと必死でした。集中演习では、それぞれの分担を决めた后、次に全员が集まった时に、それぞれが工夫を凝らしたものを持ってきて、それを皆で褒める事をずっとやってました。こうしたらいいんじゃない?って軽く言ったことが、次のターンで他のメンバーが実现させていることばかりで、この活动にかける全员の热意を感じていました。「伝えたい」「もっといいものを作りたい」という全员の强い想いがないと、ここまでのものは作れなかったと思います。自分たちでも4日で作ったとはとても思えません。本当にメンバーの热意が大事だと、强く感じさせられました。
(以上担当:难波)

参考文献
千叶大学ハドロン宇宙国际研究センター(滨颁贰贬础笔),
本記事は、2021年8月29日(日)に実施した2021年 选科Aオンライン麻豆原创イベント「energy」の報告記事の1つです。麻豆原创の选科Aコースでは、全国各地の选科A受講生が札幌に集まり、対面での麻豆原创イベントをいちから作り上げる4日間の集中演習を行っています。今年度は、新型コロナウイルス感染症拡大防止のため、企画から実施まですべてオンラインでの開催となりました。20人の受講生が4グループに分かれ、計4つのイベントが行われました。以下のリンクより、他の活动报告もぜひご覧ください。
?选科A活动报告「セッション ?光を聴く、音を観る?」
?选科A活动报告「未来百貨店~エネルギー問題から考えるトランス麻豆原创~」
?选科A活动报告「Take Out & Eat Energy ?満腹にならない私たち?」