七戸长生さんの『北大の学风を寻ねて』は、3つの章からなっています。
第1章 学風の源流を求めて
「フロンティア精神」「少年よ、大志を抱け」「都ぞ弥生」など
第2章 学風を育むもの
恵迪寮での生活や、予科や部活动が、学风をどのように育んだか
第3章 学風を担った人々
北大の12の学部の学风について

この本を书くにあたって、どんなことに気を配りましたか
学生のころから、北大のいいところや、学风だ、伝统だというものを、たくさん闻かされてきました。でも书いていくうちに、それらは本当なのかなあ、と思うようになりました。人によって、言っていることが违うんです。
たとえば、クラーク博士が “Be gentleman!” と言ったという。だけど、誰が、いつ、どういうときに言ったのかとなると、バラバラなんですね。とりわけ札幌農学校の頃のことについては、誤って伝えられていることがたくさんあります。
恵迪寮や、部活动、研究室などで言い伝えられ、増幅されてきたんです。そういうプロセスをたどり、系谱にまとめる必要があると思いました。いろいろ调べながら书いていき、あしかけ3年かかりました。

この本を书こうと思ったきっかけは
私は、戦后まもない1948(昭和23)年に、北大の予科に入りました。不遇だったと思っていたけど、今の人たちに比べ、恵まれていた点もあったんだなと思うようになりました。それで、自分が学んだころの大学について、特色や特徴を书いてみようと思ったのです。
最初は、感想文みたいで、どうも迫力がでない。「学术的に」とまではいかなくても、根拠がしっかりしていなければと思い、4?5回书き直したでしょうか。娘や息子たちから、「谁に読んでもらうつもり?」などと野次もきました。
「自分たちの学んだ北海道大学には、こういう特色があったのか。」 読んだ人たちからそんな感想が届いて、嬉しく思っています。“Be gentleman”なんてのは、そうかっこいい話じゃなかった。そういうことがあからさまに書いてあるのも、かえってよかったのかなあ。

いまの北海道大学にも、かつての「学风」が受け継がれていますか
表纸の里に、いまの北海道大学が掲げる教育目标を、学部ごとに示しておきました。どの学部もそれぞれに、学风を受け継いでいるなあと思います。
私は、理系だと思って勉強しているうちに、農業経済という文系的なものがたいへん面白くなって、それを専門にするようになりました。人は勉強してい く過程で、情報が増え、学問の特色もわかってくる。だから、文系から理系へ、理系から文系への「振れ」が許され、敗者復活もできる仕組みは、温存したいな あと思いますね。
いまでも北大では、入学したら卒业するまで、専门が鋳型のように决まっているわけではない。それが、良きにつけ悪しきにつけ、北大の特色なんだろうな。そういう可塑性を追究したい人にとって、北大はいい大学だと思います。
水泳部で活跃されたそうですね
部员が少なくて、大学院の修士课程まで続けました。400メートルの选手だったんだけど、800メートルと1500メートルもやらされて、毎日3000メートルぐらい泳いでいたかな、鱼でもあるまいに。
その経験があってだと思いますが、意志の强さというか、やると决めたときにはやる、というところがあります。40代の半ばだったでしょうか、1日に40本ほど吸っていたタバコをバッサリやめました。かみさんも、あらためて尊敬するようなそぶりを见せました。
この本を书こうと思ったときと同じで、急に思い立って。気まぐれなんですね。

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七戸長生(しちのへ ちょうせい)さんの略歴
1930年 青森県十和田市に生れる
1958年 北海道大学大学院農学研究科 博士課程を修了
1972年 农林省农业総合研究所研究员を経て、北海道大学农学部助教授
1983年 同 教授
1994年 北海道大学を定年退官
1994年 酪农学园大学酪农学部教授
1999年 市立名寄短期大学学长
2002年 同上 退官
出版社の情报は、にあります。
