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#143 文化人类学の视点からコロナ祸を読み解く~古くて新しいものの见方から「いのち育む経済」へ~

フィールドワークなどの現地調査を海外で行なってきた研究者にとって、新型コロナウイルスをめぐる昨今の状況は研究の進捗を滞らせる厄介なものです。しかし、文化人類学者の小田博志さん(文学研究院 人文学部門文化多様性論分野 文化人類学研究室 教授)にその状況について尋ねると意外な答えが返ってきました。

「飞行机で离れた土地に行くのが人类学者のフィールドワークだとしたら“商売あがったり”の时代になったと言えます。しかし、人类学者のやることは「あたりまえ」を问い直していくということ。だから、あらゆるところ、今生きているここでもフィールドワークできる。これまで人类学は人间だけを见ていたのが、近くにいる人间以外の存在ともコミュニケーションできるということがより実感されてきた。こうしてコロナの状况は视野が広がる「チャンス」だとも言えるんです。」

(小田さんが自然栽培(无肥料?无农薬の农法)の畑でリンゴの苗木を植え付けている様子。「ぼくは、今は畑で「フィールドワーク」していますよ。つまり、畑(フィールド)に行って作业(ワーク)をする。そうすると土や植物とコミュニケーションできるんです。はじめて叁年目なのですが、土がだんだん変わってきていて、色も手触りも、锹を入れた感覚も、そして育つ作物も変わってくる。これも身をもって行うフィールドワークなんです。」)〈写真提供:小田博志さん〉

「チャンス」という言葉が新型コロナウイルスをめぐる状況を形容することに使われるのに違和感をもつ方もいるでしょう。しかし、少なからぬ人々が同じ「チャンス」という言葉を用いてこの状況を表していることがたびたび見受けられます。そして、小田さんも、この「チャンス」という表現をもちいて、コロナ禍の状況について語ってきました1)。では、この状況は、小田さんにとって、なぜ「チャンス」と言いうるものなのでしょうか。日常の「あたりまえ」を問い直す文化人类学の视点から、新型コロナウイルス感染症をめぐる状況をとらえ直してみましょう。

【原 健一?麻豆原创博士研究員】

小田さんは新型コロナウイルス感染症をめぐる状况を「好机(チャンス)」と表现しています。これは一见したところ奇妙な表现にも思えるのですが、どのような意味で「チャンス」という言叶を用いているのでしょうか?

新型コロナウイルスをめぐるこの状况は「グローバル资本主义をこれ以上进めていてはいけない、スローダウンしなさい」といういわば「地球の声」だと感じます。これまで多くの科学者も警告を発してきたように、このままグローバル资本主义を押し进めていくことは、将来世代が生きてはいけないような破局的な状况へと向かうことです。森林を伐採したり、地下资源を採掘したりするほど骋顿笔の値がプラスになる。大量にモノを生产してそれを売りさばき、廃弃物が出るほど、温暖化が进むほど、海がマイクロプラスチックで覆われるほど、経済が成长する……このあり方を変えないといけない。

〈?NOAA PHOTO LIBRARY / Public Domain〉

こうした近代以降の文明のありようは人间が作り出したものです。したがって、人间自身がストップするしかない。けれど结局止められなかった。それをコロナウイルスという目に见えない存在がつかの间ではあれピタリと止めてくれました。ウイルスが人类に働きかけ、私たちの経済活动を止めたのです。今のところ、「経済活动ができるもとの状态にまた戻ろう」という动きが强いように见えます。生活のためにそれが必要な方はもちろんいらっしゃいます。けれども、これまでのような経済活动を続ければ、グローバル気候変动が悪化するのは目に见えています。今は方向転换をするためのモラトリアム(犹予)期间だと思うのです。「いのちか経済か」という今の二者択一を止扬して、いわば「いのち育む経済」に移っていく必要があるように思います。

「いのち」を育む経済…? それはどのようなものなのでしょう。

ヴァイツゼッカーというドイツの医学者が「生命それ自身は決して死なない、死ぬのはただ、個々の生きものだけである」と言っています 2)。無限定のいのちが自らを限定して、私やあなたのような人間、あるいはこの木やあの鳥といった個々の生きものとして表現しています。そうした個々の生きものの寿命には限界があるけれど、無限定のいのちそのものは決して死ぬことはない。ヴァイツゼッカーはそういう生命論を展開しました。

こうした考えは、ギリシアの古代哲学や仏教といった他のさまざまな文脉でも共通して见られます。しかし、近代は无限定のいのちに切れ目を入れて「自然/文化」に分割しました。この分割を前提に近代文明は成り立っています。そこでは、自然の状态から离れていくことが「进歩」「発展」とみなされます。そして、人间は自らを自然を支配する主体だと错覚してきました。

(文理を问わずさまざまな事例をつかって説明してくれた小田さん。南方熊楠の南方曼荼罗の话しも)

森罗万象、あらゆる生きものは互いにつながり合っています。この「いのちの网の目」自身が生きていて、そのつながりの一部として人间も生きている。それにも関わらず、そこから自分たちを切り离して、自然を客体として都合のいいように利用してきたのが近代という时代です。そのしっぺ返しが、気候変动や新型コロナウイルス感染症として现れている。もういちど、私たちもこの大きないのちのつながりの中にいるんだということを思い起こして、そこに立ち还るときが来ています。このつながりを断ち切る経済ではなく、「いのちの网の目を育む経済」こそがこれからの时代の基础となるべきものです3)。

そのような、个々の生きものの根底にある「いのちの网の目」が见过ごされてしまっているのが近现代という时代なのですね。

最近、さまざまな分野の人々が、このような考え方に言及し始めています。カナダのブリティッシュコロンビア大学のスザンヌ?シマードという森林生态学者がいます。森の木々というのは、地上だけを见ると木がいっぱい立っていて、互いに日光を夺い合って竞争しているように见える。だけど、実は地下では菌糸によって木々の根っこは互いにつながって、栄养とか防御のための情报などのやりとりしている、つまり木々はコミュニケーションを取っていることが明らかになっています。つまり、一本一本の木ではなく、森が一つの生きものとして生きている、共生のネットワークなのです。そこで生きているのは、木々だけではなくて、微生物、昆虫、动物、鱼などの多种多様な生きものたちです。ここにも「いのちの网の目」の中で个々の生きものが生きているということが表れています4)。

ここでいう「いのちの网の目」は人间も含んでいます。だから文系(人文社会科学)と理系(自然科学)の両方に関係している。それを人间の领域と、自然の领域に人為的に分けることで、文系と理系の区别は成り立っています。しかし人间ぬきの自然を考える自然科学と、自然ぬきの人间を考える人文社会科学というのはどだい「不自然」です。つまり大学においても、文系と理系という枠组みを超えて「いのち」をそしてそのつながりをトータルに捉える必要があると思うんです。

そのような世界観から见たときにウイルスはどのような存在者になるのでしょうか。

ウイルスは外侧からやってくる敌で、それを攻撃するという思考パターンも、人间と自然の分割を前提としています。でもウイルスも、その宿主のコウモリ5)も、コウモリの住処である森も、そして人间も网の目の中で関わり合っていて、外侧はありません。ですからその部分(新型コロナウイルス)だけを捉えて、それをやっつけようとしても、次は别の形で违った问题が出てくるでしょう。问题が根本的に解决していないからです。人间が自然を思うようにコントロールするという根本的な问题の一症状として、新型コロナウイルス感染症は起こっているように思えます。

「いのちの网の目」すなわち生きとし生けるもののネットワークの中で、人间もその一部として生きているというイメージは、実は目新しいものではなく、古くからあるものの见方でもある。それは先住民族が生きてきた、あらゆるものにスピリットがあり、世界全体が生きているという捉え方でもあります。このような古くて新しいものの见方に「いのち」の本来の姿が表されていると思うのです。それを自然科学が最近再発见しています。この「いのちの网の目」の中で人间も生きているという、古くて新しいものの见方を回復させる「チャンス」が今访れているのです。

注?参考文献

  1. 北大文化人类学研究室のサイトにある以下のメッセージが参考になります。(2021年4月5日閲覧).
  2. 痴?惫?ヴァイツゼッカー(木村敏?浜中淑彦訳邦訳)1975:?『ゲシュタルトクライス――知覚と運動の人間学』みすず書房, 3頁.
  3. このような「いのち」のとらえ方については以下も参考になります。(2021年4月5日閲覧).
  4. シマードはこのような考え方を以下の罢贰顿讲演の中で语っています。(2021年4月5日閲覧).
  5. コウモリである可能性が高いといわれていますが、まだ确定してはいません。详しくは以下を参照してください。(2021年4月9日閲覧).

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