海の岩场などにくっついて生きている固着生物ホヤ。珍味として知られているマボヤの他に、命名されているだけでも约3000种类が存在し、その形态や大きさは様々です。マボヤはこぶし大の大きさですが、中には数尘尘から数肠尘という、分裂で増える小さなホヤも数多く存在しています。
長谷川尚弘さん(理学院自然史科学専攻 博士課程1年)は、学部4年生から北大でホヤ研究に取り組み、日本各地の海で小さなホヤたちの姿を観察してきました。そしてある仮説に至ります。「小さいほど速く増えることができるため、徐々に小さく進化していったのではないか?」「増殖速度と個虫サイズの関係には種を超えて共通性があり、数理モデルで表すことができるのではないか?」
この仮説を検証するため、长谷川さんはブラジルの大学で博士课程に进む予定でした。しかし、新型コロナ流行のため渡航を断念。予定がかわって奨学金なども得られていなかったため、现在一念発起してクラウドファンディングに挑戦しています。目标额65万円のところ、すでに达成率は100%を超え、さらに150万円を目指しています。缔め切りは12月8日。あと一押しをお愿いしたいという长谷川さんにインタビューするため研究室におじゃましました。
【川本思心?麻豆原创/理学研究院 准教授】

院生室に入ったとたんに水槽が?! ホヤも饲育しているのですか?
一昨年の胆振东部地震の时までは饲育していましたが、停电で水槽クーラーがとまり、水温が上がって死んでしまいました… 今はウツボやヒトデ、ルリスズメダイを饲っています。生き物全般が好きなんです。

研究では実験室で短期间饲うことも考えていますが、実験饲育は北大や他大学の临海実験所でやることになります。ホヤのくっついたプラスチックプレートを海に沉めて、定期的に引き上げて観察する方法です。
小さなホヤがどう増えるのかを観察するのですね。ホヤにはどんな种类がいるのでしょうか?
ホヤには単体ホヤとよばれる雄と雌で有性生殖をするマボヤのようなやつと、有性生殖も无性生殖も可能な群体ホヤがいます。群体ホヤは个虫とよばれる小さいホヤの集団で、个虫から小さい个虫が出芽して、岩の表面などにひろがって群体をつくります。
群体ホヤにもいろいろいますが、例えばイタヤボヤ类の个虫は1~3尘尘くらいの小さいやつですが、群体は1尘くらいの大きさになりことがあります。アラレボヤ类の个虫は2~3肠尘くらいで、群体はそんなに大きくなりません。10肠尘くらいでしょうか。



つまり个虫が小さいと群体は大きくなる倾向がある、でもどの群体ホヤの个虫も同じように小さいわけではない、ということですね。そこにはどういう生存戦略があるんでしょうか。
まず个虫が小さいとウミウシとかの敌に食べられやすくなります。それから小さいと、水温といった环境の変化に弱くなります。
でも小さいと速く増えて群体を大きくできるという利点があります。出芽するためには大きくならないといけませんが、もともとのサイズが大きいと出芽できる大きさになるまでに时间もかかるからです。速く増えるということは、生存に必要な足场を他の生物より先に手に入れることができるという点で生存に有利になります。
なるほど。メリットとデメリットのバランスをとったそれぞれ生存戦略があるのですね。そういった群体ホヤの进化でこれまでにわかっていることは?
先行研究では単体ホヤが祖先型で、そのあとに群体ホヤが进化してきたと言われています。また、特定の种类からすべての群体ホヤが进化したというわけではなく、様々な种からそれぞれ群体ホヤが何度か进化してきたと考えられています。
僕の研究は、サイズと生态的特徴と进化の関係について演绎的に明らかにしようする点が新しいと思います。进化的に新しい种ほど个虫のサイズが小さくなっていったのではないか、という仮説です。でも指导教员の柁原先生には「それあたりまえじゃないの?」「先行研究あるでしょ」とすっごい言われて(笑)。僕もそう思ってサンゴとか他の固着生物の论文も含めて柁原先生とすごい探したんですが、なかったんですよね…
研究では数理モデルも使うということですが、分类学研究ではあまり闻かないアプローチです。どのように着想したのでしょうか?
きっかけはやっぱり海に何度も潜って群体ホヤを観察していると、形もサイズもいろいろなんです。ちっちゃい个虫が集まって1尘くらいの群体になってたりする。「何でこうなったのかな?」「大きくなるのにどれくらい时间がかかったのかな?」と考えが浮かびましたね。それで数理モデルにしてみようとおもいましたが、柁原先生に2时间くらい话をしてもなかなか纳得してくれなくて(笑)。もちろん最后は纳得してくれました(笑)。
あとは、父が高校で数学の教师をやっていて、よく数学の话を家族でしていたというのがもしかしたらあったかもしれません。でも嫌いじゃないんですが、私は家族の中一番数学が苦手です(笑)。
现在考えている数理モデルでは、ある时间内に群体が広がる速度と、个虫のサイズの関係を表しています。このモデルが実际のホヤによく当てはまるかどうかを、先ほどお话した饲育実験で検讨し、さらにモデルを詰めていきたいと考えています。

数理モデルの面白さは、単なる観察ではなく客観的に表せることですね。ホヤ以外の固着生物の生态戦略の理解にも使えるか试してみたいです。
面白い生物には様々いますが、そのなかでなぜホヤに兴味をもったんでしょう?
僕は北海道育ちで、ちっちゃいころからスーパーの鲜鱼コーナーでホヤをみて「なんだこれ~!?」と思っていました。形がおもしろい! 単纯にへんな形っていうのが好きなのかなぁ(笑)。あと色も真っ赤で。何なんですかね。ああいう色が好きなんですかね。タコも好きですし。群体ホヤの规则性、パターンには美しさも感じます。
ホヤは通风になるという话も好きなんですよ。结石もできちゃう。「おじさんじゃん?!」と思って亲近感がわく(笑)。学部4年生で研究室に入る前からホヤをやると决めていました。

ホヤ爱がすごい(笑)。ところでホヤってどうやって採取するんですか
ホヤは浅瀬にもいるんですが、あまり种类が取れないのでダイビングをして採取します。一番深いと40尘くらいもぐります。まずダイビング自体が楽しいですよね(笑)。装备を买ったり、船を出してもらうのにするのでお金がかかりますが…。临海実験所や地元の方にご厚意で船を出していただくこともあります。本当にありがたいです。

ホヤは日阴にいるので、岩がせり出している阴とか、石の里とかをさがします。ホヤは岩にくっついているのでうまくはがさないとちぎれちゃうんですよ。なのでガムをはがすのに使うようなスクレイパーを使います。トンカチで岩を割って岩ごと持ち帰ることもあります。道具はけっこう多く腰にジャラジャラ下げていきます。

はじめのころはよくわかってなかったのでピンセットも持っていきましたが、役に立たないですね。そういう意味で経験はつんできているのかな。研究を始めた顷は水温が12~13度でもウェットスーツで潜って、ガタガタ震えて鼻水たらしてました(笑)。今はもうできません(笑)。その后、体にあったドライスーツも作りました。ドラゴンクエストみたいに段々装备が良くなっています(笑)。
採集したホヤのその后は?
採集初日は兴奋するので、ついついたくさん採集してしまいます(笑)。1週间で100サンプルくらいはふつうに取れちゃいますね。でもとりすぎるとその夜はたいへんです。すぐに保存しないと腐ってしまうので寝られない(笑)。

研究室にもどったら、実体顕微镜下で観察します。时には切片标本をつくって内部构造を顕微镜で観察したり、走査型电子顕微镜で表面の微细な构造を観察したりします。もちろん遗伝子配列も调べます。これらの形态情报と遗伝情报をつかって分类をします。

博士课程では海外でさらに研究を発展させる予定だったんですよね
ホヤの研究を続けたくて2019年の3月顷、世界中の研究者10名くらいにメールで突撃しました。そのうちの一人の方が「その研究をしたいなら」と教えてくれたのが、サンパウロ大学でホヤの群体形成の研究もしている进化発生生物学者のフェデリコ?ブラウン先生でした。
ブラウン先生とコンタクトして、入学するために试験やポルトガル语の勉强をしたりしていました。でも入试の前に新型コロナの流行がひどくなって…せめて入试を受けられて入学が确定していたら、サンパウロ州政府の奨学金も貰えたんですが、困ったなと…。日本で研究する準备もしていなかったので…
そこでクラウドファンディングに着目したのですね
ちょうど理学部の同期がクラウドファンディング会社にインターンシップに行っていて、教えてくれたんです。それで二つ返事でやることになりました。ありがたいことにいろんな方に支えて顶いていますね。
顶いたお金はまず调査地に行くための交通费に使わせていただきます。仮説を検証するためには様々な种类のホヤを研究する必要があるので、北海道だけではなく、青森の浅虫、神奈川の叁崎、静冈の下田、冲縄の瀬底などに行って採集する予定です。あとはダイビングのための船を借りるためにも使わせていただきます。
目标は65万円としていましたが、セカンドゴールの100万円も达成することができ、现在、サードゴールとして150万円を设定しています。皆様のご支援は本当にありがたいものです。サードゴールの资金が集まれば、ブラジルで行う予定だった搁狈础を用いた解析を行うことも视野に入ります。ご支援何卒よろしくおねがいします。

长谷川さんがチャレンジしているクラウドファンディングに関する情报はこちら。コロナ祸の中でもひたすら研究に打ち込もうとする长谷川さんをぜひ応援してください!
动かない动物「ホヤ」、その生存戦略に迫る!
期间: 2020年10月7日10时~12月8日17时
コース: 1000円/5000円/1万円/3万円/5万円/10万円
详细は【】
长谷川さんの所属研究室はこちら
大学院理学院 自然史科学専攻 多様性生物学講座I(柁原宏 准教授)
