で、ご自身の研究について语ってくださった村上さん。留学时代を良い経験だった、と振り返ってくださいました。今回は、留学に至るまでに北海道大学と大阪大学で过ごした日々についてお话を伺いました。进路に悩む方におすすめのお话です。
【杉山萌々子?獣医学部1年/徳泽秀亮?総合理系1年/藤本侃士?総合理系1年
/南有希乃?総合理系1年/本井慧路?医学部1年】
北大ご出身とのことですが、どんな学生でしたか?
サッカーサークルに入ってた。でもそのサークルよりも、スキーをやってたことをよく覚えてるな。仲の良かった农学部の友达と、年间100日ぐらい手稲ハイランドっていうスキー场に行ってた(笑)。北壁やその奥の回転コースは、この辺のスキー场では一番倾斜がきつかったなあ。
北大の獣医学部から、大阪大学の医学部の大学院に进まれた経纬をきかせていただきたいです。
獣医学部时代に、自分は特别に动物が好きなわけではないことに気づいたのと、友达に僕より动物の治疗法の习得にずっと上手な人がたくさんいたの。当时はまだ若いから、口の悪い先生にはいろいろ言われて简単にへこんだ时もあった。そんなときに、サッカーサークルの后辈のお父さんが当时の免疫科学研究所(现在の遗伝子病制御研究所)に所属してらしたので、そこで実験をさせてもらいに行くようになって。それで免疫系の研究に兴味が涌いたんだ。器用ではなかったし、実験は决してうまい方ではなかったけど。
そのお父さんが大阪大学の出身で、それで僕も大阪大学の大学院に进学して、岸本忠叁先生という方に师事したんだよ。周囲が医学部出身者ばかりという特殊な环境で、先生方から厳しく指导していただいて、研究と论文执笔を続けた。その関係で本庶佑先生(注3)にも知り合うことができ、ご指导いただいている。今でも学会で会うとお话しするよ。
(本庶佑さんからいただいた研究の心构えの书)
现在、北大で研究する良さはどんなことですか?
「病は気から」の研究(参照)を进めるうえで、すぐ医学部の病理学や法医学の教室や临床の教室からヒトの贵重なサンプルをいただくことができるのは、とてもありがたいよね。北大は教室间の垣根、特に、临床系と基础系の教室间の垣根が低いので、そういったネットワークを构筑することができて、研究を进める上ではすごくやりやすい。また、北大は、自由を尊ぶ校风を持つので、自分の独自の考え方を発展するには最适な环境かもしれない。
これまでの研究生活で、やっぱり大変なこともあったのですか?
あるある!いくらでもあるよ。研究で本当にストレスが溜まって、本当に胃が痛くなって、胃薬を饮んでたこともある(笑)。研究って、まだ自分の确固たるものがない时は精神的に辛いことも多いんだよね。データはそう简単に出るものじゃないから、心が折れてやめちゃう人もいたけど、僕は运よく何とか结果を出して乗り越えられた。当时は、家族も大変だったみたいで、娘には&濒诲辩耻辞;日曜にだけ来るおじさん&谤诲辩耻辞;と思われてたみたい(笑)。自分のオリジナルの研究テーマを模索していた顷は本当に大変だったなぁ、と今振り返ってみても思う。今は、ゲートウェイ反射(参照、注1)と、罢细胞(注2)が病気を引き起こす际に必须の炎症アンプという2つのオリジナルの研究テーマを开拓したので、それを推し进めて研究して、さらに谁も知らないような新しい発见をするが目标だよ。もちろんその延长で、いい论文を书くのが仕事だけどね。
これまでの研究をふまえて、将来はどのような展开をお考えですか?
基础研究で発见したコンセプトを临床に活かしたい、と思っている。今はマウスと临床のサンプルで実験しているんだけど、ゆくゆくはヒトの病気に创薬という形で応用したい。基础研究っていうのは何か新しいコンセプトを提示することが目的で、それがある程度达成できたら今度は临床に活かしていきたいんだよね。「病は気から」の研究でも、自分の神経细胞を攻撃してしまう罢细胞が関わる免疫反応について研究しているけれど、临床に応用するためにその细胞に特异的な&濒诲辩耻辞;マーカー&谤诲辩耻辞;を捜し出すことも研究の目标の1つにしているんだ。マーカーがみつかれば、その细胞の数が血液検査でもわかるので、患者さんに対して例えば「自己反応性の罢细胞が多いから睡眠时间をしっかり确保してストレスを溜めないようにしてください」みたいな感じで临床の现场で使える。特に年齢を重ねた方は自己反応性の罢细胞が増えていることが多いから、このマーカーが取れてその细胞を除去できれば突然死の原因のひとつを无くせるかもしれないね。
さいごに、読者に向けてメッセージをお愿いします。
特に学生さんには、学部や分野にとらわれることなく、人の目を気にせずのびのびと学生生活を送ってほしいな。僕自身、オリジナルの研究テーマを见つけるまでは学会なんかに出ると伟い先生を过剰に意识したり、他の研究者の目を気にしてしまっていたけれど。若い时はのびのびしても许されるからね。あとは、教科书に书いてあることを鵜呑みにするのじゃなく、本当かなと疑问を持つことも大切だね。実际に、実験を行なって、例えば教科书に反する现象を発见したかもしれないと思ったら、见逃さずに突き詰めて証明してみよう、っていう姿势を大切にしてほしいと思う。大学に限らず、周りには色んな経験を持った先生、先辈たちがいらっしゃると思うので、视野を広く持って积极的に関わってみて、研究に限らず、自分自身の人生で、自分のやりたいことを见つけて、「石の上にも叁年」の気持ちでいってくれたらいいんじゃないかな。
(Tシャツには、“Be greater than average(平均を超えていけ!)”の語呂合わせの数式が)
今ではトップ研究者として走っている村上さんも、学生时代を含めて、自分自身の人生のテーマを得るまでは进路に悩まれたのですね。试练を乗り越えてだんだんと研究者としての道が开けていったというお话は、进路に悩むストレスの中で生きる私たちをとても勇気づけてくれました。村上さんのアドバイスのとおり、のびのびと、幅広いことに兴味を持つことを大切にしたいなと思います。
注1)ゲートウェイ反射
地球の重力が脊髄で免疫细胞の侵入口(血管ゲート)を作り出し、局所的な炎症をもたらすこと。2012年に村上さんの研究グループが世界で初めて発见した。
注2)罢细胞
免疫反応に関わる细胞の一种。机能によってヘルパー罢细胞(他の免疫细胞に働きかけて免疫反応を起こさせる)、キラー罢细胞(ウイルス感染细胞などの异常な细胞を攻撃する)などに分けられる。通常、自己の细胞には反応しないような仕组みになっているが、それがうまくいかないと自己反応性の罢细胞が生まれてしまう。
注3)本庶佑
がん免疫治疗薬「オプジーボ」につながる研究で2018年にノーベル医学?生理学赏を受赏した医学者。京都大学名誉教授。
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この记事は、杉山萌々子さん(獣医学部1年)、徳泽秀亮さん、藤本侃士さん、南有希乃さん(総合理系1年)、本井慧路さん(医学部1年)が、全学教育科目「北海道大学の&濒诲辩耻辞;今&谤诲辩耻辞;を知る」の履修を通して制作した成果物です。




