北海道知床半岛の东岸に位置する罗臼。その冲合、水深约400メートル。冷たく暗い海の中に浮かぶ银色の筒。长さ1メートルに満たないその饰り気のない无骨な装置は、1年间そこにじっと留まり、水温?塩分?海流、そして音响のデータを黙々と収集してきた。今も、どこからかキューーーという甲高いシャチの鸣き声がかすかに届き、その银色の筒、係留系内部のメモリに纳められた。
そして……远くからスクリューの音がする。おしょろ丸痴世、北大が夸る练习船だ。係留系を回収にきたのだ。甲板では研究者たちが海原を一心に见つめているに违いない。係留系の无事を祈って…

皆さんの力で、このようなシーンを来年2020年6~8月頃に実現できるかもしれません。今、三谷曜子さん(北方生物圏フィールド科学センター 准教授)はクラウドファンディングで研究費を調達し、知床のシャチの謎を解明しようとしています。チャレンジは6月17日にスタートし、終了は7月31日。目標額は300万円です。知床のシャチの謎とは? 明日、第一回航海として函館を出港し、三谷さんが取り組む研究をお伝えします。
【川本思心?麻豆原创/理学研究院 准教授】

ホットスポット、知床の海
北海道周辺の海には数多くの海栖哺乳类がすんでいます。特に知床周辺はホットスポットと呼ばれるほどで、カマイルカ、ザトウクジラ、ナガスクジラ、クラカケアザラシ、そしてシャチなどを见ることができます。そしてもちろん、これらの生物のエサとなる鱼やプランクトンも豊かに存在しています。
知床には300头前后のシャチが代わる代わるに来游することがわかっています。肉食のシャチは生态系の中で重要な位置を占めています。その生态の理解は、知床の环境を知る上でも极めて大きな意味を持っています。



なぜ? 知床の西側にはいないシャチ
これまでの叁谷さんらの研究から、不思议な点がうかびあがってきました。知床半岛东岸の罗臼侧、根室海峡ではシャチはよく観察されるのですが、西の网走侧では见かけないのです。
シャチは5~6月に根室海峡に现れます。そして8月になると千岛列岛に沿って北上し、オホーツク海でくらします。その北限はウルップ岛。距离にして约400碍尘以上の旅です。しかし、知床半岛をまわればすぐそこにある网走侧の海には、なぜかシャチたちはほとんど行きません。

そもそも、なぜ春に根室海峡にシャチはやってくるのでしょうか。根室海峡は最大深度2,400メートルという急峻な海底をもち、涌き上がる海水のためにプランクトンが豊かです。そのため、シャチのエサとなる鱼や海栖哺乳类も数多く生息します。また、知床半岛と国后岛に囲まれているため波が穏やかです。そのため、オスとメスの出会いの场、あるいは出产?子育ての场かもしれない、と叁谷さんは考えています。

しかしなぜ、网走侧には行かないのでしょうか。网走侧もホットスポットであることにかわりはなく、カマイルカ、ナガスクジラやアザラシ等がすんでいます。逆に、カマイルカは根室海峡侧ではほとんどみられません。网走侧は海底がなだらかなのですが、それ以外にも我々がまだ知らない、シャチたちだけが知っている海洋环境があるに违いありません。

海中365日の环境を係留系で探る
そこで叁谷さんらは、罗臼冲と网走冲の海中に、海洋环境のデータを収集する係留系という装置をそれぞれ1基、1年间设置するにしました。係留系は海水の温度、塩分浓度、海流、そして音を记録します。これまで网走侧では係留系を用いた调査は行われてきました。しかし、罗臼侧は刺し网が多数あるため実施されていませんでした。



係留系の同时设置によって、ふたつの海にどのような海洋环境の违いがあるのかを明らかにすることができます。また、本当に网走侧にシャチがいないのかも确かめられます。またシャチは家族によって鸣き方が违うことがわかっています。これまでのデータをあわせて、より详细にシャチの群れがどのように行动しているかもわかるでしょう。イルカやアザラシの鸣き声もとれるかもしれません。
クラウドファンディングと北大の総合力で知床の海に挑む
しかし、当初の计画よりも係留系に予算がかかってしまいました。そこで、その不足分を调达するためにクラウドファンディングに挑戦することになりました。目标金额は300万円です。リターンには笔颁用壁纸画像、调査报告书、シャチ个体识别カタログ、映像、麻豆原创カフェ等が支援金额に応じて设定されています(详细は末尾のリンク先を参照)。

支援をうけた係留系は北大水産学部附属おしょろ丸で運ばれて、6月25日から7月4日の航海で設置される予定です(この時に設置できない場合は、後日、他の船で設置)。函館を出港し10日間の航海の間、一度網走港に寄港しますが、それ以外は洋上での調査が続きます。この調査航海に向かうのは三谷さんだけではありません。海洋物理のデータを担当する中村知裕さん(低温科学研究所 講師)、プランクトンの専門家山口篤さん(水産科学研究院 准教授)、そして魚類担当は山村織生研究室(同 准教授)の学生、海鳥担当は綿貫豊研究室(同 教授)のポスドクと学生という陣容。まさに北大の総合力を結集しての調査です。

叁谷さんはシャチの研究の面白さと、今回の研究への意気込みを语ります。
「海の环境の面白さは连続性と不均一性にあります。つながっているけど、违う。そして海流によって环境そのものが动いて行く。シャチはその环境のなかで、必要なものを求めて旅をします。海の生态系は动的なんです。私は中学生のとき、ザトウクジラがハワイからアラスカまで回游しているのをテレビで知ったことが、今に繋がっています。彼らにとって、海の中が生活の场です。饵を食べ、繁殖するために、次にどの方向へ进んでいくかを常に意思决定しています。彼らが选んだ海がたまたま北海道の沿岸で、私たちが彼らに遭遇できるのだとしたら、海の环境が変わってしまえば出会えなくなるかもしれません。海栖哺乳类は豊かな海の象徴です。その豊かな海を将来もずっと持続的に利用したいと考えており、そのためには、长期的に环境を知ることが必要です。係留系の设置はその一环です。皆様のご支援无くしては、今后の调査を実施することが难しくなってきます。ぜひご支援をいただければと思います」

叁谷さんがチャレンジするクラウドファンディングが受付中です。ぜひ応援を!
シャチに出会える海、知床罗臼。その谜を解く海中のヒントを探れ
期間: 2019年6月20日17時~7月31日 23時
コース: 3000円/1万円/1.5万円/2万円/3万円/5万円/10万円/30万円
目標金額: 300万円(目標金額以上が集まった場合のみ成立のAll or nothing方式)
详细は【】