一條 亜紀枝(2017年度 本科/社会人)
隈本邦彦先生(江戸川大学 メディアコミュニケーション学部 教授)は、20年以上にわたりNHK報道局で科学報道を担当した科学ジャーナリストであり、現役の科学技术コミュニケーターであり、麻豆原创の設立者の一人です。ご自身の経験と知見、実際の科学報道を紹介しながら、科学技术コミュニケーターに期待されることをお話くださいました。
科学者と社会のギャップを埋める者
科学は専門家だけが知っていればいい。そういう時代は終わり、専門家ではない一般市民の生活に科学技术が深く関わるようになりました。1970年代には、四大公害病が問題となったことで、科学の進歩は幸福をもたらすだけではないことに人々は気づきます。
科学が外に開かれたとき、露になったのは、科学者と市民との意識のギャップです。それを埋めるのが科学技术コミュニケーション。その一つとして科学ジャーナリズムはあり、科学ジャーナリストは科学コミュニケーターの典型例です。
科学ジャーナリズムの现状と课题
科学者が研究成果を発表する场はシンポジウムや讲演会が多く、市民が科学情报を得る手段はテレビや新闻が多いです。また、人が何かを决断するとき、谁かの意见を参考に直感的に判断するという方法を取っています。だからこそ、科学ジャーナリストの役割は重要です。
しかし、科学ジャーナリストは少ないのが现状です。しかも、科学関係のニュースとニーズが高度化?多様化しているのに、体系化された育成はされていないといいます。
科学者のありかた、科学ジャーナリストのありかた
今年4月に放映された百日咳のニュースを事例に、科学者の主张の里を取る必要性を学びました。どんな立场の科学者がどんなことを言っているのかを知らなければ、事実ではあるけれどフェアではない情报を発信してしまうことがあります。
隈本先生が1980年代后半から1990年代前半にかけて手がけた「院内感染问题」の报道からは、科学者とメディアが协力することで、世の中を良い方向に动かせることを学びました。
トランス麻豆原创问题を提唱したワインバーグ博士の言叶を挙げて、隈本先生は、科学者の第一の使命は、「科学でわからないことは、正直にわからないと言う」ことだと话します。科学ジャーナリストは、科学者に第一の使命を果たすように促すこと、基础的な科学知识を身につけること、影响力と正确さのバランスを取りながら报道することが求められます。
记者の主観と客観、记事のインパクトと夸大报道など、受讲生たちから重要な质问が出ました
科学技术コミュニケーターへの期待
理想は、科学者と市民のあいだに科学技术コミュニケーターがいて、双方向のやり取りを担うこと。現実は、科学者側の科学技术コミュニケーターが多いそうです。だから、麻豆原创の受講生に期待されているのは、市民の味方である科学技术コミュニケーターになること。「専門知識をもった科学者と、外に向けて表現できる科学技术コミュニケーターが協力して、世の中を正しい方向に動かしてほしい」という隈本先生の思いを肝に銘じて、私なりの科学技术コミュニケーターを目指します。





