著者:ウィリアム?プルーイット(岩本正恵 訳)
出版社:新潮社
刊行年月:2002年9月
定価:1700円
好きなものについて書くとき、著者プルーイットのように読み手の想像力を豊かにかき立てる描写ができたらどんなにいいだろうか。この本を読み、私の目の前にはアラスカの大自然の風景が現れた。緻密な観察に支えられた臨場感ある描写には、极北の大地に広がる豊かな自然を読み手の中に広げる不思議な力がある。
動物学者であるウィリアム?プルーイットが、アラスカという「极北の地」で生きる動物や先住民の生態を物語のようにつづったのが、本書『极北の动物誌』である。ムースやカリブーといった大型の動物からハタネズミやノウサギといった小型の動物まで、はたまた自然の中で生きる先住民の生活までもが描かれている。フィールドに出るのが好きで、アラスカの雪の原野を犬ぞりを駆ってよく旅をしていた著者らしく、まるで動物たちと同じ暮らしをしてきたかのような臨場感溢れる描写が散りばめられている。
ハタネズミという手のひらサイズのネズミがいる。アラスカに広く分布しており、フクロウやキツネといった肉食动物たちの大切なエサとなっている。このどこにもでもいる小さなネズミの生态にも、アラスカの冬に适応した工夫が詰まっている。亜北极の短い秋の辉きも消えた顷、地面には落ち叶や枯れ叶がぶ厚いマットのように积みあがる。その中には、ハタネズミによって管理される网目状の巣穴が広がっている。根っからの家事好きであるハタネズミは、种子や食べられる小根をせっせと贮え、ひまさえあればトンネルの扫除と修理に精を出す。旧世界では、「エコノムカ(主妇)」と呼ばれていたのも纳得である。
雪が降り積もると、ハタネズミはますます活発に動き出す。積雪による魔法が起こるのだ。積雪量が15 cmから20 cmを超えると、雪の層が十分な断熱効果を発揮するようになる。するとハタネズミは積雪の内部にまで数多くのトンネルを伸ばしていく。厳しい冬の生活は、雪によって支えられているのだ。本書ではさらに他の動物たちの世界が、科学的な視点も交えて冷静に語られていく。
秋も深まり、北海道にはこれから长く厳しい冬が访れる。そんな中だからこそ、同じように厳しい冬を悬命に生き抜く动物たちの生活をそっと覗き、思いを驰せてみるのはいかがだろうか。
上海一辉(2014年度颁辞厂罢贰笔本科)
连続书评企画もいよいよ明日11月8日が最终回。御期待下さい。
